ついに韓国と北朝鮮が軍事衝突か−−。
「北朝鮮は6回目の核実験の準備を完了しています。5回目の核実験が9月9日の建国記念日に行われたように、北朝鮮の大量破壊兵器の実験はメモリアルデー前後に実施されている。10月9日は核実験初成功から10年を迎え、翌10日は朝鮮労働党創立記念日でした。10日から15日までは、北朝鮮の最も嫌がる米韓合同軍事演習が韓国沖で行われている。これらを口実に、北朝鮮が再び核実験と大陸弾道弾を発射する可能性があるとみられているのです」(北朝鮮情勢に詳しい軍事ジャーナリスト)
すでに9月20日には、長距離弾道弾に使用するとみられる新型エンジン燃焼実験を実施しており、立ち会った正恩委員長は成功にご満悦だったという。
これに“怒髪天を衝く”ばかりの勢いで、韓国の朴槿恵大統領は10月1日『国軍の日』の演説で北朝鮮市民に対し公然と“脱北”を呼び掛け、核・ミサイル開発に血道を上げる金正恩朝鮮労働党委員長を「挑発の代価を知らしめるべきだ」と非難。一方、これに猛反発した北朝鮮は労働新聞を通じて「朴槿恵が怒り狂う民心によって倒されるのは時間の問題だ」と応酬し、舌戦はこれ以上ないところまで来ている。
「米国の北朝鮮分析サイト『38ノース』によると、3000トン級の通常型潜水艦を新たに建造している兆候もあり、米国本土を射程に収めるSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の実戦配備へ向けた動きが活発化しているのは間違いありません。これはいわゆる『第二撃能力』保持のためです」(同)
北朝鮮にとっての『第二撃能力』とは、米国および軍事同盟国の韓国から第一撃が先制的に打ち込まれた際、残存している核ミサイル、核搭載有人機などを用いて直ちに報復攻撃を加えること。これがそのまま“攻撃の抑止力”になる。
「正恩はイラクのフセインやリビアのカダフィが滅ぼされたのは、核を持たなかったからだと確信している。米国の次期大統領が就任するまでの政治空白期に、核保有国たる既成事実を積み上げようと焦っているのです。しかし、核実験にせよ大陸弾道弾発射にせよ、いよいよ今後は、それらが米韓先制攻撃の名目となる。となれば、『第二撃能力』を発揮する前に、一気に壊滅に追い込まれることになるかもしれない」(軍事アナリスト)
暴君が止まらない金正恩のノドぼとけに刃が突き付けられた。