「能力がないからね。これぐらいは鍛えないと」と橋口師は冗談めかして笑った。梅雨が空け一気に暑くなった栗東。だが、そんな厳しい日々にも負けず、ツルマルヨカニセはバリバリ乗り込まれている。
26日には坂路で800m52秒2→38秒3→13秒3。併せ馬で追われた。29日にも55秒4→41秒2→14秒4。全休日明けの31日には坂路を2本。2日の追い切りもしっかり気合をつけられた。
「夏場に調子を上げる馬だからね」実際、昨年は小倉日経賞を快勝。実績の裏付けもある。
「でも、今回はGIII。正直、掲示板に乗ってくれれば」と控えめながら、その一方で「意外性のある馬。今なら二千前後より、マイルの方が合っていそうなので」と一発の可能性もにおわせていた。
【最終追いVTR】小牧騎手を背に坂路で併せ馬。坂の中腹付近からゴーサインが掛かると、一完歩ごとにスピードを増し、パートナーと鼻面を合わせてゴール。全体時計は平凡だが、気配そのものは悪くない。