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シーズン序盤でGMをすげ替えた巨人 その先にあるチーム改革とは

 巨人がシーズン途中でフロント人事にメスを入れた。原沢敦専務取締役球団代表が兼務していたGM兼編成本部長を解き、その後任に読売新聞社運動部長(東京本社)の堤辰佳氏を任命した。
 「原沢君は去年から『専門のGMを』と陳情を散々していた。(中略)そしたら、1週間くらい前にだな、慶応(大学)の野球部のキャプテンを運動部長(の堤氏)がやっていたと聞いて…」

 電撃人事から2日後の5月13日に、人事の仕掛け人である渡辺恒雄最高顧問は記者団にそう説明していた。前もって準備していた人事異動だと思われるが、原沢、堤両氏の周辺からは「当日に全てを知った」といった声も聞かれている。会見翌日には原沢氏が球場入りし、「こういう時期に申し訳ない」と巨人ナインに頭を下げている。
 「昨年オフのFA補強が、金城、相川とショボかったことも関係していますが、途中加入のフランシスコが使い物にならなかったことが決め手だったようです。メジャーリーグ時代のフランシスコの映像は原監督も見ています。でも、映像と実物は体型が全く違っていました。映像でのフランシスコはスリムだったそうです。昔の映像しか入手できなかった編成部の不手際を考えると、渡辺顧問の判断もあながち間違っていたとは言えません」(ベテラン記者)

 近年は、原辰徳監督(56)が自らのツテを頼ってまとめた補強もあったという。編成部が補強に次々と失敗し、戦力を見誤っていたということならば、時期はともかく、フロント強化という手段は間違ってはいない。しかし、堤氏はGMに着任した以上、当然、今季で契約任期が満了する原監督の去就にも影響を持つことになる。
 「堤氏がGMとして成功すれば、慶応大学の繋がりで、兼任コーチの高橋由が監督候補最有力になる」(同)

 高橋由伸(40)も慶応大学野球部のOBだ。堤氏が“高橋政権”の後ろ楯になることは、決して不自然な話ではない。次期監督の本命である松井秀喜氏(40)がいまだ色好い返事をしない以上、高橋体制に舵を切り直す可能性も高い。とはいえ、高橋由は「まだ現役に未練がある」とも伝えられている。
 「堤氏は渡辺顧問が選んだGMです。松井秀喜氏の説得に当たる可能性もなくはない」(同)

 それと同時に巨人内部にあるのは、原監督を評価する声だ。渡辺顧問はシーズン前に再々続投もあり得る旨も語っていたが…。
 「原監督はネットワークの広さに一目置かれています。日本中にいる東海大学グループ卒のアマチュア指導者から、ドラフト候補に関する情報も寄せられています。監督在任中に堤氏との信頼関係を築ければ、将来的にフロント入りするのでは」(球界関係者)

 長期に渡って指揮を振るってきた功労者でもある以上、任期満了で「ハイ、サヨウナラ」というわけにもいかないだろう。侍ジャパンを運営するNPBエンタープライズの社長は、日本テレビからの出向であるため、そのルートで侍ジャパンの要職に着く人事異動も考えられる。
 いずれにせよ、今回のシーズン序盤での人事異動は、選手補強だけではなく、思惑があってのことらしい。新体制の編成部は手始めに国内トレードをまとめるようだが…。

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