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今だからこそリアルに感じるアニメ「lain」の世界観

 1995年の『新世紀エヴァンゲリオン』のヒット以来、日本のアニメ業界ではいままでの売れ線から外れた奇抜なアニメでも企画が通りやすくなっていた。そして1997年頃には深夜アニメの放送も定期的となり、さらにその動きは加速する。『serial experiments lain』(シリアルエクスペリメンツ・レイン)は、その深夜アニメという放送形態が認知されだした1998年3月、放送された作品だ。

 同作は全13話放送された本作は雑誌展開、ゲーム制作、アニメ放送が同時進行されるというメディアミックス作品で、マンガやノベルなどに原作が存在しないオリジナルアニメ。内容は、ワイヤードと呼ばれるコンピュータネットワークと現実の垣根がなくなりつつある近未来を舞台に、14歳の少女・岩倉玲音が、ネットワーク上で自分と同じ姿をしている“lain”という存在を知り、奇怪な事件に巻き込まれていくというもので、先の読めない斬新なストーリー展開が話題となり、ファンが作品について活発に論議していた。

 98年の制作でありながら、ネット社会が現実世界に与える影響を細かく描いており、ツイッターどころか、ネット掲示板「2ちゃんねる」誕生以前でありながら、ネットワークでの情報の広がりの速さをリアルに表現。スマホを思わせるタッチパネル式のモバイル端末付き携帯電話まで登場する。また、作品テーマも集合的無意識など、後のアニメに扱われるネタが多数存在しており、その実験的な作風が評価され第2回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞も受賞。後のオリジナルアニメに与えた影響は大きい。

 本作は現在も国内外に熱狂的なファンを抱えており、放送当時に発売されたLD(レーザーディスク)、ビデオ、DVDなどの商品展開終了後、DVDボックスや、ブルーレイボックスで何度か再販され、関連書籍も復刊されるものがあるなど、多くのファンの後押しで2013現在でも商品展開が続いている。(斎藤雅道)

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