公聴会には米国防総省でUFOを研究するグループ、全領域異常解決局(All-Domain Anomaly Resolution Office、AARO)のディレクターSean Kirkpatrick氏が登壇。
上院軍事委員会のブリーフィングで未確認航空現象(UAP)の最新情報を提供し、ここ数年で寄せられた650件以上の報告書を検証しているものの、UAPが地球外生命体によるものであるという証拠をまだ見つけていないことを示した。
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この公聴会ではこれまで機密解除されていなかったUFO動画が公開され、現在調査中の新たなUFO目撃情報の内容についても明かされた。
古くは80年前にさかのぼりUAPとの接近遭遇を研究するAAROを率いるショーン・カークパトリック氏は、彼のチームが現在650件の事件を調査中であることを明らかにした。
カークパトリック氏によれば、報告のあったUAPの52%が球体であることが確認されており、その大半が大きさ1~4メートル、白や銀、半透明で、高度3000メートルから9000メートルの間を飛行しているという。
飛行速度はマッハ2(時速1534キロ)で音速の2倍以上。世界最速の旅客機エアバス380の最高速度が時速1185キロであるため、かなりの速度で動いていることが分かる。しかしこれらのUAPにはエンジンや翼、熱排気が確認できず、レーダーにも断続的にしか映らなかったという。
現在AAROが調査を行っているUAP目撃情報の中には、高高度気象観測気球やドローン、人工クアッドコプターなどの「ありふれた」物体があったかもしれないが、約半分のケースでまだ正体がつかめていないとカークパトリック氏は述べる。
今のところ、彼のチームが起源を断定できたのはほんの一握りであり、中には解決できないものもあったことを認めている。今のところUAPの中に「地球外」由来、つまりエイリアンの関与があることを証明する信頼できる証拠は発見されていないという。
もし今後の調査で本当にエイリアンの証拠のような「画期的な発見」が出てくる可能性もあるが、そんな事態になった場合は「アメリカ政府に報告する前に、NASAに相談するだろう」ともカークパトリック氏は述べている。
「UAPは多くの場合、常にではありませんが、容易に説明可能なソースで解決します。人間は欺瞞や錯覚、センサーによる予期せぬ反応や誤作動、場合によっては意図的な干渉を受けます」とUAPについて説明している。
なお、現在調査員が研究している事件のうち、外国勢力によるハイテク技術が関与している懸念が出てきているとも彼は語る。
「多くの場合、ロシアと中国、特に中国が、ある分野では我々と同等か、あるいは先行した技術を持っているようです。敵は待ってはくれません。素早く前進しているのです。彼らは技術的な進歩に対して、私たちよりもリスクを回避しているのです」
カークパトリック氏の回答に見られるように、アメリカ政府や軍は既にUAPをオカルトの分野ではなく、国防上の課題と捉えているようだ。フェーズが変わった、と言うべきかもしれない。未だにUFOはオカルトの域を出ないという認識を我々も改めるべき時期に来ているのかもしれない。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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US probe into 140 new sightings of UFOs that can fly twice speed of sound(The Daily Star)より
https://www.dailystar.co.uk/news/us-news/probe-140-new-sightings-ufos-29757972