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小池再選アラート 無風から大逆風となった東京都知事選

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提供:週刊実話

 7月5日投開票(6月18日告示)の東京都知事選で圧勝と見られていた小池百合子都知事。6月に入り、にわかに「東京アラート」ならぬ「小池再選アラート」が鳴り響き始めた。というのも、予想外の大逆風が立て続けに噴き出したためだ。

 全国紙都政担当記者がこう明かす。

「安倍政権よりも即効性のある対応を次々と打ち出す小池都知事に、都民は拍手喝采、支持率はうなぎのぼりでした。一方、小池都知事にこれまで何度も煮え湯を飲まされてきた自民党都連は何とか対抗馬を立てようと躍起だったが、小池人気と安倍首相、二階幹事長が小池支持に傾き、とうとう対抗馬擁立をあきらめてしまった。5月には小池都知事は独走状態に突入し『再選は決定的』と見られていたのです」

 しかし、6月に入るや否や事態は一変する。突然、逆風が吹き始めたのだ。

「小池都知事にとっての逆風は主に3つある。1つ目は、熊本県の小野泰輔副知事が都知事選への出馬を正式表明したことです」(同)

 全国的には名前が知られていない小野副知事は、超エリートの有望株だ。小野氏は東大法学部から世界的コンサルティング企業を経て、2008年の熊本県知事選で初当選した蒲島郁夫氏の要請を受け、県政参与に就任する。小野氏は蒲島氏が東大教授時代のゼミの教え子で、その有能さを見込まれてのこと。のちに副知事(’12年)に抜擢され現在2期目だった。

「東大卒のエリートぶりもさることながら、彼を無視できないのは『日本維新の会』と連携する点だ。日本維新の会所属の柳ヶ瀬裕文参院議員と小野氏は海城中高校(都内)時代の同級生で、柳ヶ瀬氏は小野氏への積極支援を確約している。大田区議1期、都議3期を務めた“柳ヶ瀬票田”をベースに、今や知名度が全国区の吉村洋文大阪府知事らが小野支援に入る。小野氏はイケメンでまだ46歳の若さだ。柳ヶ瀬氏もイケメン。吉村・小野・柳ヶ瀬トリオが小池都知事とガチンコ対決なら、小野フィーバーが吹き、大化けする可能性は十分あります」(同)

 小池都知事にとって2つ目の逆風は、ノンフィクション作家の石井妙子氏による『女帝 小池百合子』(文藝春秋)が出版され、かねてから疑惑視されていた学歴詐称問題が改めて取り上げられたことだ。

「著書で石井氏は『カイロ大卒、同大首席卒も嘘』と断言した。これを受け、6月の都議会一般質疑で都議が疑惑を質すと、小池都知事は“カイロ大卒も首席卒も事実”とキッパリと疑惑を否定したのです」(民放報道局記者)
 夕刊紙記者が続ける。

「それでも繰り返し疑惑が噴出するのは、小池氏が議会などに卒業証書の現物を提示し、検証することを微妙に回避しているからです。学歴が疑惑のままで選挙に打って出れば、公職選挙法の『虚偽事項公表罪』に抵触する可能性もある。小池都知事が『選挙公報』に自身の経歴をどのように記載するかが、今後の大きな焦点だ。従来通りカイロ大卒とすれば、都民有志が勝敗にかかわらず選挙後、東京地検に告発の動きを見せています」

『女帝・小池百合子』は都民を中心に関心度が高い。5月29日発売ですでに8万部を突破しているという。

 逆風の3つ目は新型コロナ対策とはいえ、石原慎太郎都知事時代から蓄えてきた約1兆円の「都の貯金」をほぼ全額使い切ってしまったこと。霞が関消息筋が警告する。

「東京都は貯蓄がほぼゼロになり、下手すれば税収が減る中で、今後、薄氷の財政運営となるだろう」

 東京都は一時、バブルがはじけた後の青島幸男都知事時代(’95年〜’99年)に財政が悪化、国の管理下に陥る寸前までいった。しかし、その後に登場した石原都知事(’99年〜’12年)が財政再建に努め貯蓄を増やした。
 ’19年度には貯蓄にあたる財政調整基金が9032億円にまで膨らんだが、今回の一連の新型コロナ対策などで’20年3月末残高は493億円と、ほぼ空にしてしまったのだ。

 一方、今後の都の税収はコロナの影響で1兆円から2兆円の減収が指摘されている。さらに今後、東京五輪延期で追加費用は3000億円程度かかるといわれ、うち何割かの負担を強いられる東京都は深刻な財政難に陥る危険性が高くなったのだ。

「6月4日、小池都知事は2021年7月に延期された東京五輪の簡素化の方針を突然打ち出した。“金欠のため、慌てて方向転換した”ともっぱらです。そもそも、コロナ対策にかこつけて『自分の選挙運動では』と勘繰られるようなことばかりやってきた。自ら街の電光掲示板やテレビCMに連日登場したコロナ注意喚起コストは約10億円。“やりすぎだ”の批判も吹き荒れました。今、密かに囁かれているのは『小池都政は今後の財政立て直しに16万人の都職員の大リストラを断行する』という噂です。そのため都職員も浮足立っている。一部では小池再選阻止の声も盛んになりつつあるといいます」(前出・夕刊紙記者)

 都知事選には、立憲民主党が支援する弁護士の宇都宮健児氏が立候補を表明しており、“ホリエモン”こと堀江貴文氏も出馬を窺っている。

 都民も小池都政に不安を抱き始めている。これが今後の選挙戦にどう響くか。いずれにしても、「逆風3要素」はどれも深刻だ。

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