粗品と言えば、相方のせいやから「スプーンに映った小栗旬」とツッコまれる通り、雰囲気イケメンなキャラではある。背も高くすらっとしており、もともと役者っぽさはあると言えるだろう。さらに、絶叫して個性派の演技をする芸人という点では、千原ジュニアも想起させる。ネット上では「最初は違和感あったんだけど、どんどんうまくなってきている」「本当に何でも器用にこなせる人って気がする」といった声が聞かれる。
そつなく演技をこなすばかりではなく、ネタに同じく、粗品ワールドへの引き込みの要素もあると言えそうだ。
昨年のNHK大河ドラマ『いだてん』などを担当した、演出家で映画監督の大根仁氏は「芸人さんは演技がめちゃくちゃできるか、まったくできないかのどちらか」に分かれるといった持論を語っている。
このエピソードは、南海キャンディーズの山里亮太がラジオ番組『山里亮太不毛な議論』(TBSラジオ系)内で取り上げたものであり、山里の場合は後者だった。山里はあるドラマで、エレベーターのボタンを押すだけの演技を20カットくらい繰り返していたというから、よほど「ド下手」なのだろう。
刑事系ドラマでは、昨年放送の『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)におけるナイツの塙宣之の演技が、「大根すぎる」と話題になった。
やはり、芸人の演技力は両極端に分かれるのかもしれない。今後、粗品がどこまで伸びて行くのかにも要注目といったところであろう。