「気象庁には東海地震の前兆現象を検討する『地震防災対策強化地域判定会』がある。気象庁長官の諮問機関なので、最終的には長官が責任を取らされますが、もし判定が外れた場合、多数の犠牲者が出ることが予想される。委員の研究者が遺族から訴えられないとは誰も言い切れませんからね」(サイエンスライター)
研究者の「安全宣言の予知」自体が無謀だとする意見もあれば、技術的な面に関しては、「現代科学で予知できないというのは言いすぎ」という意見も。
これに関しては、琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏が言う。
「地震予知には中長期、短期、直前とあり、中長期はかなり当たることがあり、短期もかなり進んでいます。それで東海地震、首都圏の直下型地震については『来る』と政府機関は言っている。問題は東日本大震災。国の作った防災マップでは三陸沖は色が一番薄く、安全だとされてきた。ところが、世界でも最大級の巨大地震が発生して多数の犠牲者が出たんです。これではイタリアの例とまったく同じ。それなのに、“外れた原因”を究明せず、最も危険な首都圏では『これだけ差し迫っている』と言ってみせる。こういうやり方は問題があると思います」
地震予知には国民の税金がつぎ込まれている。「予知は可能」と言いきれるほどの有効なカネの使い方と環境作りが必要ではないか。