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早実・清宮幸太郎獲得の切り札となる父親と早稲田閥

 エンジのロゴカラーからタテジマへ。怪物・清宮を口説けるのは、早稲田閥の阪神だけかもしれない。

 早稲田実業高3年、清宮幸太郎が関東大会準々決勝で散った(5月22日)。昨夏の甲子園大会の覇者・作新学院との一戦で、早実が終始追い掛ける展開となり、清宮は最終の第4打席で通算95号アーチを放ったが、チームは敗退した。
 清宮の目標は「日本一」。その目的を果たすには、最後の夏に懸けるしかなくなったが、95号アーチはその先の野球人生の分岐点ともなったようだ。
 「熊本RKK招待試合で、秀岳館と対戦しました。地元ファンに見せるため、そして、夏の甲子園での対戦を想定し、秀岳館は清宮の前打者を敬遠する作戦に出ました。力の入り過ぎた清宮は凡打に倒れましたが、これを機に、清宮の顔つきが変わりつつあります」(在京スカウト)

 前打者敬遠の意図は知るよしもない。敬遠されることはあっても、敬遠後の打席は野球人生で初めてのはずだ。「屈辱」と解したのだろう。清宮は試合後の整列でも相手選手たちに向ける目はうつろだった。
 「進路に関する予想は二分しています。かつて松井秀喜氏が甲子園で5打席連続敬遠され、プロで勝負したいと思ったように、清宮も高いレベルを意識するようになったと見る声。そして、進学ルートから逃げられないと諦める声です」(同)

 早実の学生は、387人中377人と、およそ97%が早大に進学している(昨年度)。しかし、その鉄板ルートを壊せるのは、阪神だけかもしれないのだ。
 「故中村勝広GM、そして、元監督の岡田彰布氏。阪神は早稲田の核心部に通じるルートを持っています。'04年ドラフト自由枠で鳥谷敬を獲得するなど、他球団にはないパイプが確保されていると見ていいでしょう」(球界関係者)

 岡田氏も阪神を離れて久しいが、敵対はしていない。
 「前任の和田豊氏が監督を退くとき、チームが優勝から遠ざかっているということで、優勝指揮官である岡田氏も『後任候補』に挙がっていました。関西系メディアでは厳しい発言もしていますが、金本体制には敵意、悪意はない」(在阪記者)

 また、沈黙を貫いている幸太郎の父・克幸氏は阪神ファンである。競技こそ異なるが、ラグビーのプロチーム指揮官として、大学を経由して伸びる選手も見てきたが、「素質に恵まれた者」が進学で遠回りするリスクも知っている。
 「最近の早実には関西出身の野球部員が多いんですよ。幸太郎も阪神ファンなので、大阪には親近感を深めていると思う」(同)

 清宮の最終目標はメジャー挑戦だが、日本一のほかにもう一つ、直近の目標がある。東京五輪出場だ。野球競技について、今のところ、「アマ枠」は保証されていない。五輪の夢を果たすにはプロに入り、1年目から活躍するしかないのだ。

 岡田氏が早大に話を付ける…。古巣のためなら“最後の優勝監督”もひと肌脱いでくれるはずだ。

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