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【放送事故伝説】カメラが回っている最中に自殺した政治家

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画像はイメージです

 1月13日、ポーランド北部グダニスクで、チャリティーイベントに出席していたパベウ・アダモビッチ市長が地元の男にナイフで刺され翌日死亡するという凄惨な事件が発生した。

 犯行の瞬間はVTRで録画されており、日本でも放送されている。演説中に政治家が暗殺され、そのVTRが残されることは、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領、日本の浅沼稲次郎日本社会党委員長などいくつか実例はあるが、「自殺の瞬間」となると限られてくる。今回はカメラの前で自殺を図った悲劇の政治家のお話をご紹介したい。

 今から32年前の1987年1月22日、アメリカはペンシルベニア州の財務官、バド・ドワイヤー氏は報道陣を前に記者会見を行っていた。

 バド・ドワイヤー氏は、とあるコンピューター会社を仲介し、違法な謝礼を受け取る約束をしており、有罪判決を受けた。記者会見はバド・ドワイヤー氏の釈明のために開かれたものだった。

 しかし、政府現役の高官であるバド・ドワイヤー氏へのバッシングは当人の想像を超える凄まじさで、バド・ドワイヤー氏は無実を主張していたものの、会見は怒号が飛ぶほどの混乱ぶりを見せていた。

 そして、「もう逃げ切れない」と判断したバド・ドワイヤー氏は観念し、「下がっていてくれ!怪我をするぞ!」と叫ぶと、手にしていた紙袋からマグナム銃を取り出し、口の中に銃口を入れ引き金を引いてしまった。

 バド・ドワイヤー氏の自殺の瞬間は、詰めかけていた報道陣のカメラがバッチリと抑えており、後頭部が吹っ飛び、口や眼から血を噴き出して倒れこむ姿が撮影された。

 不幸中の幸いで、現場には生放送を行うカメラは無かったため、自殺の瞬間は生放送されることはなかったが、後日とある放送局がモザイクなしで放送した過去があり、インターネット上にはバド・ドワイヤー氏の自殺の瞬間のVTRがアップロードされることがある。

 そのため、「バド・ドワイヤー」の名前は「検索してはいけない言葉」のひとつとしても有名だという。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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