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被害は富士山爆発以上 火砕流が街を飲み込む「カルデラ大噴火」危機地帯

 先日、火山噴火への備えを充実すべきだとする提言を、内閣府の有識者検討会(座長・藤井敏嗣東京大名誉教授)がまとめた。現状では富士山などの大噴火に対応できず、広域避難計画の整備が必要というものだが、ここへきて専門家の間で富士山の噴火以上に懸念されているのが、全国で起きる可能性があるカルデラ巨大噴火だ。
 「火口が大きく広がる火山で起きる、噴出物が10億立方メートル(東京ドーム約800杯分)を超える大規模噴火のことを言います。東日本大震災後に余震が続く現在は、巨大地震と大噴火が相次いだ9世紀と18世紀に状況が酷似しており、今後数十年は火山活動が活発化する恐れがある。その筆頭が富士山の噴火なのですが、カルデラ火山の噴火規模はその10〜100倍です。たとえば2万5000年前の姶良カルデラ(鹿児湾北部)の巨大噴火では、火砕流が九州全域に及び、九州南部の縄文人が全滅したと言われるほど。何しろ半径100キロ〜200キロにわたり、2000℃近い火砕流が時速100キロで押し寄せるため、街を襲えば、ひとたまりもありません」(社会部記者)

 しかもカルデラ火山は、四国を除く全国各地に点在しているのだ。
 「北海道には支笏や洞爺、東北地方にも青森県に度々被害をもたらした十和田がある。九州では姶良以外に阿蘇、関東近辺では箱根が有名で、5万年前には火砕流が藤沢まで到達したといいます」(火山研究者)

 防災に詳しいジャーナリストの村上和巳氏が、壊滅的な被害を予想する。
 「火山噴火で本当に怖いのは火山灰で、硫黄分を含んでいるため畑なら2センチ、田んぼはたった0.5センチ積もっただけでも1年間は収穫ができなくなる。大気圏に舞い上がれば日照を遮り、都市では精密機器やビルの空調、下水道処理も不可能となって、交通機関もマヒして物流を完全に遮断してしまう。M8後半規模の巨大地震が発生すると火山が噴火するケースは少なくありません。東日本大震災から2年3カ月、国内の火山が静かすぎるのが不気味です」

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