−−忙しそうだね。
「夏のフェスが終わって、秋から短いツアーに出るんだ」
−−バースデイのメンバーでボーカルのチバユウスケ(元ミッシェルガンエレファント)と出会ったのは?
「知り合ったのは10年くらいかな。俺がいたフリクションとミッシェルが対バンしたんだよ。ミッシェルの音は良く知らなかったんだけど(笑)」
−−バースデイでの活動ってイマイくんにとっては長い方?
「長いよ。俺、過去最高じゃないかな(笑)。早い時なんか3回くらいライブ演ってぶん殴り合いしてそれでおしまい(笑)」
−−どうしてバースデイはこんなに続いているんだろうね。
「何でだろうね。もうやだ!! ってなんないからかな。それともやめろ、って言われてないからかな」
−−俺、今までイマイくんに接してきて、基本的にソロ体質の人じゃないかな、って思ってたんだけど。特にフリクションやめた後はそう思ったよ。
「うん、性格的には自分でもそう思う」
−−バンドではリードギタリストという立場を演じている気がするのよ。本来は、自分で曲作って、好きに歌って、好きに絵を描いて、1人で放浪しているタイプ。そこが魅力だと思ってたんだけど。
「ずっとそういう感じで生きてきたんだけど。ここらでひとつカチッと徒党を組んで、シンプルなロックンロールな世界も表してみたいって願望があったのかな。けど歌蔵さんが言ったこと、周りにもよく言われるよ」
−−周りでイマイくんのパーソナリティー知ってる人はね。
「半分ビックリさせてやろうか、て感じかな」
−−天邪鬼なんだな(笑)
「そんなにひとつのことにこだわらなくて良いと思うんだ。ホントは今やるべきだ、って気持ちもあったりするんだけどね。ただここ(バースデイ)を掘り下げたいという気持ちの方が今は強いのかな。そう感じるのはライブの時かなあ。俺の場合、曲うんぬんって感じじゃないような気がするよ。もっと刹那な音のノリの瞬間に自分を表現できたら良いと思ってるよ」
−−浮世離れしてるもんなあ(笑)。ま、俺も人のこと言えないけど(苦笑)。
「俺、この年まで生きてるとは思わなかったもん(笑)。けど歌蔵さんも頑張ってるじゃん。師匠の出囃子叩いてるシーン、テレビで観たよ」
−−また細かい番組見てるなあ(苦笑)。ところでボーカルのチバくんとはどうなの?性格的には対照的な気がするんだけど。それでうまくいってるのかな?
「誕生日近いしね。似てるところがけっこうあるんだ。初めて会った時から前から知ってる感じだった」
−−今、バンドでやりたいことがやれている?
「バンドって不思議でさ、それぞれメンバーは世界を持ってて何かの形にしたいと思ってるけど、そのままバンドで表現するのは無理なことなんだよ。けど、自分の本当にやりたいことをせき止めてまでやってるとは思わないのね。バンドによってやりたいことが広がっていると思うんだ」
−−1足す1が3になる世界なんだよな、バンドは。
「そう、(プロボクサーでもある)歌蔵さん風に言えば、相手が向かってくるところに、こちらからパンチ打てばカウンターになって何倍もの威力になる(笑)」
−−分かりやすい例えありがとう(笑)。それにしても、イマイくん、昔、自分で絵本作って、それにギター弾いたカセットつけて売ったりしてた人だもんね(笑)。今はバンド活動が多忙でもあるから、自分で曲作ったり絵を描いたりしてるヒマがないと思うんだけど。
「そうだね、そういう癖をつけてこなかったんだよね。やっとけばよかったかな、と思う時もあるんだけど。昔から選んでるんだよね、今何をやるべきかなって。面倒くさがりなんだろうね。本当に好きだったら、またやるだろうなって自分で思ってさ」
−−本当に欲求がたまった時にしか出てこないのかもね、イマイくんの場合。
「絵だって知らないうちに描きたくなって、それがたまって展覧会とかやってたから」
−−今までは、グループの中で一番年下だったんだよね。
「それが今のバンドでは一番年上。自分でもビックリするよ」
−−けど兄貴というタイプでもないしなあ。永遠の弟分(笑)。
「タバコ買ってきます(笑)。あのさ、歌蔵さんなら分かると思うけど、伝統的なものって締めつけがすごく厳しいじゃない。けど、それを乗り越えたところに自由ってあると思うんだ。俺、そういうところで似ていると思う。違うところは1人でやってるかバンドでやってるかだけど。けど、行くところまで行っちゃうと締めつけられる感じがなくなって、行けるところまで行っちゃうような気になる」
−−良い話をありがとう、涙が出るわ(笑)。最後にこれからの抱負を聞かせて下さい。
「歌蔵さんともっと仲良くしたい(笑)」
−−何だよ、それ(苦笑)。
「歌蔵さんにできるだけライブに来てもらえるよう頑張ります(笑)」
<プロフィール>
The Birthday メンバーはチバユウスケ(ボーカル&ギター)、イマイアキノブ(ギター)、ヒライハルキ(ベース)、クハラカズユキ(ドラムス)の4人。作詞は全てチバが担当し、作曲はメンバー全体によって施される。チバが過去に在籍したthee michelle gun elephant、ROSSOから引き継がれたガレージロックやブルースロックを主軸としたジャンルの楽曲を演奏する。