search
とじる
トップ > スポーツ > キャンプイン直前情報『中日』編 失策でも崩れない強靱な投手力で連覇を…

キャンプイン直前情報『中日』編 失策でも崩れない強靱な投手力で連覇を…

 過去10年、セ・リーグはチーム防御率1位の球団が8回もペナントレースの覇者となっている。昨季は中盤戦まで勝率5割ラインでモタモタしていたはず。故障者も抱えていた。しかし、巨人、阪神との三つ巴戦になると、まるで力を温存していたかのように猛チャージを掛け、そのままレギュラーシーズンを1位通過…。勝因は『投手力』である。

 『投手力』が夏場以降の快進撃を演出した。
 7月9日からの対巨人戦で3連勝。同16日からは『5試合連続完封勝利』のプロ野球新記録も樹立。うち2試合は継投策だったが、守護神・岩瀬仁紀(36)を投入したのは1試合だけ。浅尾拓也(26)、高橋聡文(27)が重要どころを任せられるまでに成長した。「このままでは終わらない」と警戒していたライバル球団の予感は、的中したわけだ。

 後半戦最初の対巨人3連戦から、7連勝。8月には連敗もあったが、7月の1カ月間のチーム防御率は3.05。8月は2.92、9月は2.15。前半戦6月までが3.84だったので、尻上がりに投手陣が調子を上げて行ったわけだ。7月19日から8月半ばまでの本拠地・ナゴヤドームで「12連勝」という爆発力も、投手力によって演出されたものである。
 しかし、中日にも『弱点』はある。ポジションを入れ換えた荒木雅博(33)、井端弘和(35)の二遊間コンビの合計失策は「29」。落合監督が就任した04年のチーム総失策数は「45」。05年以降、「60」、「60」、「69」、「75」、「84」と増え続けており、昨季は「91」まで膨れ上がった。とくに遊撃手となった荒木1人で「20」の失策をカウントしているため、ディフェンス陣の再整備にも着手しなければならない。故障した井端の代役としてチャンスを掴んだ堂上直倫(22)の成長は大きい。堂上直は82試合に出場し、守備に着いた81試合での失策数は「2」。長打率3割7分5厘とバットでも貢献しており、内野のレギュラー争いにも異変が生じるかもしれない。

 ドラフト1位・大野雄大(22=佛教大)の将来性を否定する声は1つも聞かれなかった。しかし、当面はリハビリに専念するとの情報も流れている。他球団のスカウトによれば、「故障の原因は投球フォームそのものにある」とのことで、中日首脳陣が同じ考えだとしたら、今季は戦力として計算しない方がいいだろう。昨季の1位指名左腕・岡田俊哉(19)はファーム戦12試合に救援登板し、防御率8.59。一軍昇格まで、もう暫く時間がかかりそうだ。昨季、アクシデントで出遅れたネルソン(28)がブキミだ。日本シリーズにも登板しているが、制球難の欠点は克服されつつあった。直球はホームベース付近で揺れるムービング系、さらに球質の重さでも一目置かれてきたが、今まではボールカウント先行の投球で実力を発揮できないでいた。そのネルソンが制球力不足を克服したとなれば、相当な戦力となるだろう。ファーム規定投球回数に達した岩田慎司(23)を筆頭に、山内壮馬(25)、救援タイプの斉藤信介(28)、赤坂和幸(21)も、チャンスを与えられそうだ。

 守備面での不安材料は確かにある。だが、チーム総失点「521」は、リーグ最小数値でもある。エラーが出ても、直接、失点に結びつくケースは多くないというわけか…。これも、中日投手陣の強さを証明するデータだろう。MVP・和田一浩(38)が万全であれば、クライマックスシリーズ進出は確実。ペナントレースで多少の出遅れがあったとしても、後半戦で一気に巻き返す力は秘めている。やはり、優勝候補の一角である。(スポーツライター・飯山満)

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ