新宿のバッティングセンター直ぐ近くの老舗Rで、お気に入りのキャバ嬢で芸名がHという気風の良い女がいた。見た目は信じられないくらい若く、後で知ることになるのだが、店で自己紹介された歳と実年齢のギャップがとてつもなく大きくて、恐怖さえ感じた思い出がある。
明るい場所で近づいて凝視しても20代前半にしか見えないのに、本当はその当時には既に38歳だった。おまけにセブンティーンの息子までいたのだった。ただ、それを知ってからも、自分やまた良くつるんではRで遊んでいた自分の仲間もHに騙された、みたいな感情は全く持たなかった。
Rを引けてから近くの屋台のおでん屋や、下北沢の焼鳥屋でHたちと一緒に楽しい時間を過ごしていた。Hは自分と仲の良いキャバ嬢3〜4人をよく連れてきていた。こんな楽しいアフター、というよりは隔週金曜日のミニパーティーみたいな飲み会は半年以上も続いた。
当然、ヤリタイ年頃の自分たちは90年代に大流行した「ビバヒル青春白書」のように、お互いにしょっちゅうパートナーを華やかに取り替えては、セックス三昧の日々だった。すこし残念な結果として、人類皆兄弟姉妹になったのは確かだが。唯一、自分はHだけとはしなかった。
今考えると、タダなんだからしとけば良かったのに。でも今の自分の年齢で、現在のHから「やって」と依頼を受けてもたぶんやらない。だって、オサネはより新鮮なモノがいいもんね。
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