成田山新勝寺は939年に、当時起きていた平将門の乱を平定することを祈願して建てられた寺院である。空海作の不動明王が祭られ、多くの参拝客で賑わうが、れっきとした真言宗智山派の寺院である。
最近のパワースポットブームの例に漏れず、ここも多くの参拝客で駐車場はいっぱいになっていた。
さて、私が注目したのはこの新勝寺の露天で売られていたみやげ物である。この中にはおなかに成田山と書かれた、かえるのみやげ物があった。かえると聞いて、私は思わず身震いがした。何を隠そう、東京の大手町にある将門の首塚にも同じようなかえるの置物が、首塚を囲むように無数に置かれていたのである。それを初めて見た時には、非常に滑稽な風景であった。
大手町の首塚のかえるには謂われがあって、それを奉納するのは、大手町の一流企業の会社員だという。彼等は左遷される際に、また本社で働きたいという思いで、かえるの置物を奉納するのだと言う。かえるには「帰る」の意味があり、再び帰還をすることを祈願すると言う。
さて、新勝寺に何故か売られていたかえるの置物には、どのような意味があるのだろうか。私がその件で成田山新勝寺に電話で問い合わせたところ、新勝寺ではみやげ物に関する管理をしていないという事だった。極端な話が、みやげ物屋が勝手に成田山の言葉を入れて販売している物があっても、それを規制はしないと言うのである。
このかえるの置物、私は首塚と関連づけて考えてしてしまったが、皆さんはどう思われるであろうか。
(藤原真 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou