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自民党分裂 都知事選「小池の乱」は安倍vs小泉の代理抗争(2)

 さらに、こんな裏話を小池氏周辺関係者が言う。
 「出馬の意思は固まったものの、桜井氏擁立への動きで門前払いの都連と安倍官邸の姿勢に、小池氏は頭を抱えていた。そこへ小泉氏は、もし分裂選挙になったとしても小池氏が勝つことは間違いないと強調した上で、出馬宣言の記者会見を勧めたそうです。そうすれば、分裂選挙が怖い自民が一気に小池氏公認へ流れる可能性も出てくると」

 かくして、6月29日の出馬会見となったが、そうこうしているうちに桜井氏が固辞。自民党は第2候補として増田寛也前岩手県知事に絞り始めた。
 「当初は『小池氏を推薦することは150%ない』と憤慨する都連幹部がいたにもかかわらず、萩生田氏などは『候補者として有資格者だということは否定しない』などとコロッと態度変えた。これは小池氏を門前払いした揚げ句に無所属で出馬されることを恐れたため。そうなれば小泉氏の思惑通り小池氏が勝つ可能性が強いからです。だからいったん、小池氏を受け入れて懐柔し、納得させた上で辞退させる作戦に変更したとの見方があります」(前出・小池氏周辺関係者)

 しかしこの攻防、それでは収まらない方向に暴走し始めた。
 7月2日、小池氏が自民党都連と安倍官邸を牽制するように、「もう崖から飛び降りておりますので、すべての覚悟ができております」と、公認が得られずとも無所属で出馬する考えを示したのだ。
 「それでも自民が増田氏公認でいけば、小泉氏が全面支援で表に立ち、小池氏が勝つ可能性は非常に高い。加えて裏では“反安倍”で小池氏が属する派閥『水月会』会長の石破茂地方創生相もフル稼働しているという話もありますからね」(都連関係者)

 とはいえ今回の都知事選、7月14日の告示日ギリギリまで、何が起きるか分からない。
 ある自民党長老が語る。
 「一つは自民が小池氏推薦に転じるケース。もう一つは、自民の策謀により小池氏が泣く泣く不出馬に追いやられるケース。後者の場合、民進党都連会長の松原仁衆院議員が語ったような“蓮舫氏の参院選当選後の辞職と都知事選立候補”といったウルトラCに打って出れば自民候補は負ける可能性が高い。その際は4年後、小池氏は満を持して再度、都知事に立候補するだろう。いずれにせよ都知事で箔を付け、それを引っ提げ初の女性首相を目指す。それほどの覚悟はあるはずだ。ただし、それもこれも背後には、小泉氏の打倒安倍、反原発への並々ならぬ思いがある」

 小泉元首相の執念に安倍首相はどう迎え撃つか。

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