大関の13日目優勝決定は平成14年九州場所の朝青龍以来。
「把瑠都がこれまで優勝できなかった最大の原因は、相撲が荒っ削りで、ポカが多かったから。とりわけ序盤の取りこぼしが目立ち、先場所も4日目までに3敗したが、5日目以降は1敗しかせず、千秋楽には全勝優勝を目指す白鵬を破っています。もう少し謙虚さと緻密さがあったら、とっくに横綱に上がり、優勝回数も2ケタ台に乗っていたんじゃないでしょうか」(協会関係者)
把瑠都が入門前、エストニアでナイトクラブの用心棒をやっていたのは有名だ。そのせいか、トラブルとはやたら縁が深い、それも、解決する側ではなく、起こす側として。力士の服装規定に反して短パン、ティーシャツ姿で繁華街をウロつき、協会主脳からお目玉を食ったことがこれまで2度もある。さらに大相撲界の再生を目指した去年の5月技量審査場所でも、「お客さん、無料ですから、たくさん観に来てくれている。でも、悪いけど遊びの場所みたいだ」とノーテンキ発言をし、役員室に呼び出されて厳重注意を受けている。
しかし、一向にトラブルとは縁が切れず。この初場所12日目の稀勢の里戦でも、立ち合いに左に大きく変わって叩きこみ、観客のブーイングを浴びた。
「とりわけ、横綱昇進のカギを握る横審の怒りは相当なもの。鶴田卓彦委員長は、幕下力士なら変化するのもいいけど、横綱はみんなに範を示さなければいけない立場、変化するような大関に横綱になる資格はない、とカンカン。この優勝で次の春場所は綱取りがかかるけど、ひと揉めしそうな雲行きです」(担当記者)
大相撲界に揉めごとのタネは尽きない。