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専門家警告 富士山爆発5秒前 東京横断活断層が引き起こすM8大地震で首都沈没(2)

 “首都圏直下”については昨年、政府の地震調査委員会により、立川断層帯での地震発生率が高まったことが発表されている。これは、埼玉県入間郡名栗村から青梅市、立川市を経て府中市に至る、全長33キロの断層だ。予想される地震の規模はM7.4。
 「30年以内の発生確率が0.5〜2%、50年では4%とされていましたが、東日本大震災の影響を受け、どれほど確率が上がったのかわからないとしている。また、M8超の場合もある直下型だけに、想定外の甚大な被害を出す可能性があります」(同)

 また今年8月には、地質調査専門家チームによって、北区・田端駅付近から新宿区・四谷付近までの、少なくとも7キロにわたる断層の存在も明らかにされている。この断層を動かす地震の原因となる活断層が、より深い地中にある可能性もあるという。
 「詳しいメカニズムははっきりしませんが、やはり過去の履歴を遡って見ていくと、富士山噴火の前後に首都圏直下型地震が度々発生しています。とすると、噴火活動が、それらの活断層を刺激しないとは言い切れません」(防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏)

 果たして首都圏で直下型地震が発生した場合、どのような被害が予想されるのか。
 専門家の間では、東京直下の活断層が動いた場合、地震の規模はM7〜8、都心の大半は震度7、地盤の硬い所でも震度6強の揺れが起きるとされている。これでは、いくら建物の耐震化が進む都内であっても壊滅する街は続出するはずだ。
 「都内で木造住宅が広がっている地域、たとえば荒川沿いの住宅の多くが全壊するでしょう。また、環状6号、7号線の沿道地域に広がる住宅地は火災を避けられず、焼失が著しいでしょう」(同)

 犠牲者の数も計り知れない。
 「いつ発生するのかによっても異なりますが、仮に冬の夕方18時、風速15メートルと仮定すると、建物の倒壊、焼失は85万棟、避難民700万人。死者は1万1000人規模が予想されています。また、生じる経済的損失も実に112兆円に上るとされているのです」(前出・サイエンス誌記者)

 しかし、直前に富士山が噴火した場合、被害はこれだけでは済まない。
 「もし西風が吹けば、当然のことながら東京、横浜に火山灰が積もることになる。電車はもちろんのこと、飛行機など精密機器を積む全ての物が使い物にならなくなります。私が最も心配するのは、首都圏へ米、野菜などの食糧を供給している茨城、千葉、埼玉、静岡の東部が降灰と日照不足でダメになることです。被害が長期化すれば、極端な価格高騰を呼び、庶民の財布に直結することになります」(防災ジャーナリスト・村上和巳氏)

 避難しようと車での移動を試みたところで、信号機は停止状態の上にスリップ事故の原因になる。帰宅困難者は溢れ、ホテルは満室状態。会社での寝泊まりを余儀なくされる人も大量発生するに違いない。
 もちろん家にとどまっていたとしても、マンションなどでは給水システムはダウンし、エレベーターも使えない。テレビやパソコンも使用不能に陥り、情報収集さえままならない。そんな状況を加味し、国は'04年、富士山の噴火だけで経済的な被害が最大約2兆5000億円に上ると想定しているほどなのだ。
 もし、このような状況で宝永大噴火時並みの期間の短さで首都圏直下型地震が起きたとすれば、たちまちパニック状態になるだろう。

 ある火山学者も、こう語っている。
 「巨大地震によって地下のマグマだまりが揺さぶられたり、地殻変動や地震波が伝わることでマグマだまりにかかる力が変わったりすると、地震が増えることがある」

 東日本大震災の後、関東地方から中部地方にかけての10近い活火山の周辺で活動が活発になった。地震が増えた活火山は富士山の他にも、日光白根山、焼岳、乗鞍岳、箱根山、さらには伊豆諸島の伊豆大島、新島、神津島などだ。
 地下が活発に動き始めた日本列島には今、何が起きてもおかしくない。

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