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古傷に追い打ち 横綱候補だった把瑠都が引退に追い込まれた部屋事情

 身長198センチ、体重189キロ−−。“エストニアの怪人”こと元大関把瑠都(28)が、あっさり引退してしまった。
 「大型力士に両差しを許し頭をつけられても、肩越しに取った上手でクレーン車のように相手力士を土俵の外に運んだ。恐るべき力士でした」(相撲担当記者)

 初土俵から9年。最高位まで上り詰められなかった理由について把瑠都本人は、「チャンスはたくさんあった。全て私のせい。もっと厳しくやればよかった」と振り返ったが、申し分のない素質に本人が胡坐をかいたことに加え、師匠に恵まれなかったのも悲劇だった。
 相撲ジャーナリストの中澤潔氏が言う。
 「浮世絵から飛び出してきたような見事な体格。あんな力士はもう現れないでしょう。大相撲は本当に惜しいことをした。昔は弟子が師匠を慕って何事にも従ったんですが、今は師匠が弟子に気を使って言いたいことも言えない。左膝などの度重なるけがは稽古不足にも起因するものでしょうが、厳しく指導できる人がいなかったということです」

 把瑠都が所属する尾上部屋は競い合う力士が6人と少なく、把瑠都自身、場所中でも稽古場に姿を見せないことがあったという。
 「尾上親方(元小結・濱ノ嶋)は、日大出身の典型的な学生上がり。部屋には山本山、十両・境沢、幕下・白乃波などの有望力士がいましたが、八百長疑惑によって引退させられた。さらに'11年には尾上親方自身が道交法違反容疑(酒気帯び運転)で書類送検され、本来なら部屋閉鎖もありうる状況だったのですが、それが謹慎という大甘の処分で済まされてしまった」(相撲関係者)

 こうなると、管理能力に疑問を持たざるを得ない。
 「加えて今度は把瑠都の引退。協会の財産とも言うべき力士を、ろくすっぽ指導もせず引退に追い込んだとすれば、その責任は重い。相撲人気を再び取り戻さなければならないこの時期、カネの計算しかできない親方にいてもらっても仕方ありませんからね」(同)

 尾上部屋は今後、どう盛り返すのか。

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