ビジネスの場や就活時に“○○したら相手に失礼”“○○はマナー違反だからヤッてはダメ”など、根拠の曖昧なルールを押し付けるのが特徴で、少しでも異論を唱えようものなら“非常識”と切り捨てるなど、そのわがままぶりがすでに“マナー違反”じゃないかとの声が広がっている。
「相手に贈り物をする際に、スリッパや靴下を贈るのは“相手を踏みつけることになるからダメ”だとか、マフラーを贈るのは“首を締めることになる”など、もはや妄想としか思えないようなマナーを強要する人が、ネット上にたくさんいるのです。何も知らない人が聞いたら、にわかに信じてしまいそうですが、そのほとんどに明確な根拠はありません。自称マナー講師の提言の多くは、年長者から若者に対する“こうしてほしい”という願望にすぎないのです」(ライフ誌ライター)
先日はネット上に“とっくりでお酌をする際は、注ぎ口を使わず丸い部分から注ぐ”というマナーが拡散し、ネット民の間に波紋が広がった。注ぎ口を使うのは“戦国時代に注ぎ口に毒を塗って暗殺する手法が使われたから”“注ぎ口は円(縁)の切れ目だから、相手に失礼に当たる”というのがその理由だというが、実際に注ぎ口を使って酒を注ぎ、相手からとがめられた人はいないだろう。
「かつて、会社のマナー研修で、“新入社員は朝イチに来て掃除をする”“上司からの酒の誘いは断るな”など、意味不明なルールを押し付けられた人も多いのではないでしょうか。しかし最近では、マナーに関する考え方もかなり変わり、そのような風習を批判する声が続出。それでも、いまだに根性論のようなルールを強要する研修が残っているのが現実です」(マナーインストラクター)
SNS上では、
《くだらないマナーを強要するなら休暇中に電話してくるのもマナー違反だろ》
《定時直前に仕事を押し付けるのもマナー違反》
《マナー講師は、風邪を引いたら仕事を休みましょうとなぜ言わない》
《有給休暇を取らせないのもマナー違反だよね》
など、さまざまな意見が広がっている。
マナー講師の言い分をそのまま鵜呑みにしてしまう行為こそが“マナー違反”なのかもしれない。