やっぱり春の天皇賞馬は強かった!サムソン、ムーン、メジャーの3強対決に注目が集まった“秋天”は、優勝請負人・武豊騎手と新たにコンビを組んだメイショウサムソンが、2000年のテイエムオペラオー以来、7年ぶりに天皇賞・春秋連覇を達成した。勝ち時計は1分58秒4(稍重)。
道中は好位をキープし、最内でジッと我慢。直線スパートすると、早め先頭の横綱相撲で2馬身半差の圧勝を飾った。
「枠順が1番枠だったので、ある程度前へ行こうと思っていました。2コーナーでスピードに乗ったけど、向正面で折り合いはついた。4角を回るときの手応えは抜群だったので、ほかの馬を待ちませんでした」
これまで他馬と併せて競り勝ってきたサムソンとは一転、早めに動いた武豊騎手の好判断が勝利を呼び込んだ。
もちろん、この日の勝利は自分だけのものとは思っていない。「(前騎乗者の)石橋騎手からサムソンについて、すべて、本当にすべてのことを教えてもらいましたので、自信を持って乗れました。スタッフも一丸となって万全の状態に仕上げてくれましたし」と関係者への感謝の意も忘れなかった。
この後はジャパンC(GI 東京芝2400m 11月25日)→有馬記念(GI 中山芝2500m 12月23日)と王道を突き進む。
「日本のトップホースですし、昨年より確実に力をつけている。今日乗って本当に強いな、と思った。楽しみです」頼もしい相棒にユタカは目を輝かせていた。
一方、高橋成師は「秋初戦がとても重要だと思っていたので、勝てて良かった」とまずはホッとした様子。だが、質問が海外遠征について向けられると、「今年、悔しかったので行きたいという思いはある。秋3戦の結果次第では視野に入れたい」と気を引き締めた。
今夏は馬インフルエンザという目に見えない敵に、すべてを狂わされた。しかし、すぐさま軌道修正するあたりは王者の貫録といったところか。来年の凱旋門賞へ向けた戦いが再び始まった。