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中日 松坂大輔獲得で激変する「次期監督問題」勢力図

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提供:週刊実話

 大谷翔平の“メジャー転身”で話題を失った球界に、思わぬ救世主が現れた。今季限りでソフトバンクを退団した松坂大輔投手(37)の中日入りだ。その舞台裏には用意周到な計画が配されていた。おまけに次期監督問題まで発展するのだ。

 中日は1月下旬にナゴヤ球場で、森繁和監督(63)をはじめ、現場スタッフ、編成部門幹部の立ち会いの下で松坂の入団テストを実施すると発表した。テストの形をとってはいるが、日米通算164勝をあげた元祖“怪物クン”を不合格にすることは考えられず、「合格ありき」を前提とした、中日の宣伝を兼ねたセレモニーの色合いが強い。
 「当初、メディアで『中日、松坂獲り』が報じられた際、中日新聞社会長でもある白井文吾オーナーは『調査をしていることは事実だが、ただ調べただけだ。来年で38歳。もうみんな引退している年齢』と否定的なコメントをしていましたが、あれはソフトバンクの孫正義オーナーへの配慮。超高額年俸選手だった松坂の獲得には球団間の摩擦が予想され、『丁寧に環境を整える必要がある』と判断したのです」(中日新聞関係者)

 横浜高校からドラフト1位で西武に入団した松坂は、8年間で108勝を挙げ、ポスティングシステムを利用してメジャーリーグの名門レッドソックスに移籍した。入札金は破格の60億円。そして、メジャーでも56勝(レッドソックス50、メッツ6勝)し、'14年オフに3年12億円プラス出来高払いという契約でソフトバンクに入団していた。
 この3年は右肩の不調で一軍登板は1試合。それも1イニング、5失点と散々の出来だったものの、無理をさせぬリハビリで右肩が復活したとの期待もある。
 「ソフトバンクは12億円をドブに捨てたようなもので、通常ならフロント幹部の責任問題に発展しかねない。それでも孫オーナーは満額を支払い、本人が望むように自由契約選手として笑顔で送り出した。これに焦ったのが、ソフトバンクのフロント幹部と現場首脳。移籍先の球団で活躍されては面目丸潰れ。そこで当初、ソフトバンクは支配下登録から外し、コーチ契約を結んだ上での投手復帰を持ちかけた。つまり、飼い殺しだ。選手層が12球団一厚いソフトバンクでは余剰戦力でも、『他の球団なら大化け復活する可能性がある』と危惧したのだ」(スポーツ紙デスク)

 スポーツ紙の報道では、松坂が巨人、中日、楽天、DeNA、阪神などに売り込みをかけたものの、獲得に乗り出す球団はなかったとされる。いずれの球団も、「右肩の不安、来年38歳という肉体的な衰えを不安視」したことが大方の理由と言われているが、真の理由は孫オーナー、そして球界の重鎮である王貞治ソフトバンク球団会長への気配りにあったというのだ。
 「実は水面下で、古巣・西武が獲得に意欲を示していました。チームのOBで、ポスティング移籍で60億円の“置き土産”を残していった大功労者。本人が現役続行を望み、復活の可能性がある以上、助け舟というか、死に花を咲かせてやろうという思いがあったからです。とはいえ、チームの功労者をキャンプに自主参加させ、入団テストさせるわけにはいかない。時期をみて契約する手はずでした」(西武OBの野球解説者)

 この情報を察知したソフトバンクが同一リーグの移籍には難色を示したため、その事情を知った西武が、友好球団である中日に振ったというのが、「松坂の中日入り」の真相だ。
 「西武の辻発彦監督は、ライオンズの生え抜きであるとともに、中日でもコーチとして活躍。今年、中日のヘッドコーチに就任する予定だったが、西武から監督就任要請があり、古巣に戻った。中日の森監督も西武OBで、辻監督の兄貴分的存在。そこで西武サイドは、松坂をひとまず中日に預け、いずれ呼び戻して、有終の美を飾らせようと考えている。その先にはもちろん、コーチ、監督のレールが敷かれている」(同)
 松坂にとっても、中日“経由”の西武帰還は願ったり叶ったり。森監督は西武時代の投手コーチ。そして、メジャーに転身したレッドソックスで国際担当顧問兼投手コーチを務めていたのが、現在、中日の編成部門を担当するデニー友利氏だ。現場、フロントの中枢に松坂人脈の構図ができたことで、中日入りは急ピッチで進んだのだ。

 '15年8月に右肩内視鏡手術を受けた松坂は、昨オフはプエルトリコのウインターリーグに参加。今年3月にはオープン戦で7回無安打無失点と結果を出している。この辺りの情報に誰よりも詳しいのは、中米に独自の人脈を持つ森監督で、「松坂は再生可能」と確信している。
 また、松坂が高校時代をすごした横浜には今でも多くの松坂信者がおり、DeNA戦では盛り上がること間違いない。今季セ・リーグ本塁打王の前中日アレックス・ゲレーロが巨人へ移籍したこともあり、松坂への期待は高まるばかりだ。

 一方、中日ではポスト森監督を巡り、水面下でOBの立浪和義氏、山崎武司氏、山本昌氏が“熱戦”を続けているが、視界不良の状態だ。森監督は松坂を「次期監督含みの投手兼任コーチ」として入閣させることで同盟を結び、延命を図ることも考えられる。
 松坂の電撃名古屋入りは、深謀遠慮の結果のようだ。

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