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日産・ルノー連合 初の新車販売台数世界一でも盤石ではない理由

 2017年上半期(1〜6月)の世界新車販売台数で、日産・ルノー連合が526.8万台となり、初めて首位を獲得した。一方で、トヨタ自動車グループは512.9万台と過去最高を更新したものの、VW(フォルクスワーゲン)グループの515.6万台を下回り3位となった。
 「ここ数年、世界販売台数はトヨタとVWの首位争いだったため、いきなりの日産・ルノー連合の栄冠は、人によっては青天の霹靂(へきれき)と見る向きもあるでしょう。日産・ルノー連合が初の首位を獲得した背景は、日産が昨年10月に三菱自動車をグループに取り込んだことが大きな要因です。しかし、それだけではありません。日産は日本市場では22.9%増と大幅に販売台数を増加させ、世界においても5.6%増。日産の高級車ブランドである『インフィニティ』も13%増と、軒並み増加を見せました。また、ルノーも各ブランドが過去最高を更新するなど絶好調。加えて三菱自も軽自動車の販売を再開したことなどもあり、日本市場で復調。もともと強さを見せていた東南アジアなどでも安定した販売を見せたのです」(自動車雑誌ライター)

 悲願の販売台数世界一を達成し、改めてカルロス・ゴーン会長の評価が高まることになるが、販売台数では各メーカーの実力を推し量れない時代が来ているという指摘もある。
 「トヨタやVWは数年前から販売台数を追い求めず、生産の効率化や次世代の技術革新の進捗に力を入れています。当然、新技術の開発には莫大な資金が必要となりますし、その資金を創出するには販売台数を稼いでいかなければなりませんが、トヨタ、VWともに販売台数は伸びを見せており、商品としての魅力は一歩も二歩も上回っている」(モータージャーナリスト)

 トヨタが電気自動車開発のためマツダとの提携に動いたように、これからは「次世代自動車の開発が勝負」とも言われている。実際、スウェーデンのボルボは'19年以降、新モデルはすべて電気自動車になると公言している。
 「フランス政権とイギリス政権が相次ぎ『2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する』と発表しました。欧州は電気自動車化を進める動きが一気に加速しますよ」(同)

 世界の自動車メーカーのしのぎを削る争いは、より激化していくことは間違いなさそうだ。

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