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独占入手 オリックスが画策する来季・イチロー帰還とWBC・トーリ監督召聘(2)

 ドジャース監督辞任後の'11年2月に大リーグ機構副会長に就任したトーリ氏は、昨年1月に辞任。理由は投資家グループを束ねて名門ドジャースの買収に乗り出したからである。
 結果はNBAのスター選手だったマジック・ジョンソンの投資家グループに敗れ実現しなかったが、その後も1500億円を超える資金力を背景にパドレスやアスレチックスの買収も検討した。
 「これが実現していれば、松井の去就もまた違っていたでしょう」(特派記者)

 '12年3月に同機構副会長に復帰、同6月にはWBC米国代表監督に就任した。
 「大リーグ機構に戻ったからといって、球団買収をあきらめたわけではないのは、WBC米国監督を引き受けたことが代弁している。トーリ氏は日本の球団買収に方向転換したのです。WBC制覇で世界一監督の名誉を手にすれば、買収交渉もしやすくなるし、球団を手に入れてからの観客動員にもつなげられる。そのターゲットがオリックスなのです」(大手広告代理店)

 しかし、課題も残す。日本のプロ野球の経営会社は親会社を持つシステムになっており、しかも野球協約で「日本国籍の企業」に限られる。個人の投資家や複数の企業による共同経営も認められていない。現状ではいくらトーリ氏が米国の投資家グループを擁しても、バファローズ買収は不可能に近い。
 「そうはいっても抜け道はある。広島東洋カープはマツダが筆頭株主ではあるものの、カープを連結子会社とはしていない。マツダ創業家の松田家が所有する株式を合わせるとマツダを上回ることから、歴代のオーナーは松田ファミリーが務めている。この事例からいえばトーリ氏のグループがバファローズの株式を分散して所得して、その総量がオリックスを上回る形にする。そうすればオリックスの筆頭株主を動かさないまま、トーリ氏のグループがオーナーに就くことも可能なのです。その投資家グループの一人にイチローが加われば、イチローがオーナーになることも可能。オリックスからすれば、年間20億円〜30億円ともいわれる球団への赤字補てんが不必要となり、メンツも保てる。一方、トーリ氏側からしてもメジャーリーグとのコネクションを最大限に生かし、若い優秀な選手をメジャーに送り出すルートが確立できる。しかも、橋下徹大阪市長が掲げる『大阪都』構想に合わせ、大阪“都民球団”にすれば、阪神タイガースに匹敵する人気球団になる可能性は高い」(スポーツ紙デスク)

 このような背景があるから、イチローは今回のWBCで侍ジャパンとは距離を置いているのだろう。
 「イチローが山本ジャパンに参加しないのは、米国代表監督のトーリ氏を気遣っている面もある。米国が一番警戒していたのがイチローの存在だからです。年齢的に過去2大会のように活躍できないとはいえ、グラウンド外で選手たちをまとめ上げるリーダーシップは格別。精神的支柱ともいえるイチロー抜きの侍ジャパンなら恐れるに足らない、と。イチローはいまや米国視線。自身の存在を再確認させるためにも、トーリ氏に肩入れしているのでしょう」(大リーグ担当記者)

 過去2大会、本命視されながらも世界一を逃してきた米国チームだけに、今大会ではトーリ氏を担ぎ出すなど、本気モードで臨んできている。
 1月17日(現地時間)に発表されたメンバーをみると、昨季サイ・ヤング賞(20勝)のナックルボーラー、右腕ディッキー(ブルージェイズ)を筆頭に、阪神やオリックスでも活躍した14勝のボーグルソン(ジャイアンツ)、ダルビッシュ有の同僚のホランド(レンジャーズ)などの豪華な先発陣。抑えは昨季42セーブで2年連続最多セーブのキンブレル(ブレーブス)。
 打線も首位打者3回のマウアー(ツインズ)、'09年に本塁打王と打点王を獲得したテシェイラ(ヤンキース)、昨季の本塁打王ブラウン(ブルワーズ)とスター選手がずらり。前回までの若手中心とはレベルが違う。
 「1月23日、オリックスが日ハムの糸井嘉男外野手を大型トレードで獲得したのも、来季のイチロー帰還、トーリ監督体制への布石でしょう。糸井は4年連続3割、ゴールデングラブ賞を受賞。WBC日本代表でも外野の中心選手で、トーリ監督へは最大のアピールになったはず」(球団事情通)

 WBC優勝を手土産にトーリ・オリックス監督のシナリオは着々と進展している。

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