音無調教師「仕上げの過程で調整が狂ったこともあったから、必ずしも阪神大賞典の競馬で腰を悪くしたとはいいきれないが、それでも、あのレースを走った翌日から腰、背中、トモがガタガタになって、休ませざるを得ない状態になってしまった。ジョッキーやオーナー、そして、私自身も、やっぱりあの道悪馬場が大きなダメージとなったと考えている」
−−その後の調整過程は?
音無師「回復すれば宝塚記念への気持ちもあったが、悪くしたトモの治療に2カ月ほど要したからノーザンファームで完全休養させたんだ。早めに目標を切り換えたのが良かったのか、今はまったく心配ないぐらいに回復している。9月上旬に栗東に戻ってからも、順調に乗り込めたからね」
−−仕上がり状態については?
音無師「もともと、あまり太る体質の馬ではないからね。だから、仕上げやすいんですよ。馬体そのものは、春とはそう変わってはいないが、トモがしっかりした分、若干、肉付きが良くなったかな」
−−7日の最終追い切りでは坂路800メートル52秒3の好時計が出ました。
音無師「早めに帰厩させて通常より1本多く追い切った。その1本でブランクの分を補おうと思ってね。しかも、先週(800メートル52秒0)もかなりハードにやったし、今週も併せ馬でしっかりやった。追い日は雨のため、下が重くなっていたから、“あまり時計は出ないかな”と思っていたのに、先週とほとんど変わらないタイム。追い切り直後でもテンションは上がっていなかったし、上がり運動もスムーズ。これだけの動きを見せれば、問題は何もないでしょう」
−−最後に期待のほどを。
音無師「レース勘など、やってみないとわからない部分はあるけど、ここで悪くても2着を確保して賞金を加算しないと、次の目標の天皇賞出走が危うくなるからね。GI馬という看板をこれからずっと背負っていかないといけない馬だし、まずはここで結果を出して、これからの長い道のりの第一歩としたいね」