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三重県桑名市発! 鎮国守国神社の「金魚まつり」

 愛知県弥富市と奈良県大和郡山市は、金魚の生産地として全国的に知られている。特に愛知県弥富市の金魚は日本一の生産量を誇り、生産地としてだけではなく、流通拠点としても有名である。
 弥富の金魚は約130年前、郡山(奈良県大和郡山市)の金魚商人が東海道五十三次の熱田の宿を目指す道中、前ヶ須の農家の田で金魚を休ませたのが始まりといわれている。弥富市の土は粘土質で低湿地のため水は豊富にあり、水には金魚の光沢を良くする亜酸化鉄が多く含まれていたため、金魚の生産が発展した。現在では市の特産品となり、国内で卸されている金魚の全種類が育てられ、様々な和洋種の金魚の研究も行われているが、販売はされていない。

 何故、三重県桑名市で「金魚まつり」が開催されるようになったのか? 江戸時代に大和郡山藩の金魚屋が弥富で育てた金魚を江戸城に献上する途中、桑名藩主・松平定信(1758〜1829)が金魚を愛好していたので、その際に献上したといわれている。また、金魚屋が5月の2〜3日の大祭日に鎮国守国神社の境内で市を立てたことが、金魚まつりの始まりとなった。
 現在、金魚まつりは、桑名市吉之丸にある九華公園の鎮国守国神社で、毎年5月2日・3日の例祭に開催されている。この日は、境内に近郷の金魚屋が自慢の金魚を持ちより、境内いっぱいに金魚の露店をはじめ多くの店が立ち並び、午前中から夜まで参詣者や観光客で賑わいを見せる。両日とも氏子各町からいろいろな形の金魚の神輿をかついで町内を練り歩く。2日(試楽)は各町練り、3日(本楽)は正午から神社へ順番に約20数基の御神輿が練り込み参拝をし、その後帰路につき、祭気分を盛り上げている。

 鎮国守国神社は、天明4(1784)年に白河(福島県白河市)城内に松平定綱(鎖国公・1592〜1652)を祀ったのが始まりとされている。文政6(1823) 年、白河から桑名へ移封に伴い、神社も桑名城本丸に移された。後に、松平定信(守国公=楽翁)も祀られた。明治維新後はしばらく本丸の外に移されていたが、明治4年(1907)、桑名城本丸跡の現在地に移った。大正8(1919)年に現在の拝殿が完成し、昭和9(1934)年に楽翁公百年祭記念宝物館も完成した。拝殿・社務所などは戦災を免れたので、戦前の姿を残している。

(皆月斜 山口敏太郎事務所)

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