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ついに崩壊!? 世界に誇るトヨタ生産方式 下請100社が日産を駆け込み寺にする裏事情(2)

 豊田市の懸念に触発されて、地元3県が腰を上げたのが真相らしいが、問題は地域経済を牽引してきたプライドとは裏腹に、将来不安の“イエローカード”を突きつけられたトヨタの腹の内である。この件について同社は対外的なコメントを控えているが、トヨタウオッチャーは辛らつだ。
 「トヨタだって長期化する円高に危機感を募らせて韓国の現代自動車系の部品メーカーと接触している。その手前、行政のお節介に文句をいえた義理じゃありません。しかし、系列の部品メーカーが日産との取引を拡大し、トヨタとの関係が希薄になれば王国の地盤沈下に直結する。これで来年2月の商談会にトヨタの下請けメーカーがゾロゾロ出席し、日産を駆け込み寺にするようだと、御曹司の豊田章男社長は天下の笑いものになる。だから現時点では、対外的に『見ざる、言わざる、聞かざる』を決め込んでいるのです」

 もっとも豊田市や愛知県などの自治体にしても、長年にわたって地元経済を潤し税収にも大きく貢献してきたトヨタに対し、真っ向から弓を引く気などサラサラない。日産へのラブコールに当たっても、十分な根回し工作を行った揚げ句、トヨタ首脳の了解を取り付けたであろうことは想像に難くない。
 「下請けメーカーが新たに日産と取引すれば、量産効果でトヨタへの納入価格が安くなる。それどころか、足手まといのメーカーを日産に押し付けることだってできる。屁理屈なんてどうにでも並べられますからね。要するに、今まで以上に取引先の使い捨てと、価格の引き下げが可能になる。だからこそ行政のお節介を了承したとのアブナイ情報も飛び交っている。そう解釈すれば、日産に対する地元3県の揃い踏みコールも納得できます」(市場関係者)

 日産ではゴーン社長が就任直後に『コストカッター』の異名を取ったように、情け容赦のないコスト削減路線を突き進んだことで、下請け企業の大半が悲鳴を上げた。口さがない向きは当時「トヨタは下請けを殺さないが、日産は本気で殺そうとしている」と評したものである。しかし、ゴーン社長のショック療法を経て日産は、ついに最終利益でトヨタを大きく上回る優良企業に変身した。それを目の当たりにすれば、トヨタが「何とかして日産の鼻を明かしたい」と切望し、起死回生の秘策を練ったとしても不思議ではない。「それこそ、行政が旗振り役を務める日産との商談でしょう」と前出のトヨタウオッチャーは指摘する。
 「世間の目にはトヨタの屈辱と映るでしょうが、もう系列の枠にしがみついていては生き残れない時代になったということ。門戸開放のドサクサで、縁を切りたい下請けが日産サイドへ行ってくれたら万々歳です」

 競争社会はしょせん、キツネとタヌキの化かし合いということか。

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