大きな期待を持ちながら幕が開くのを待ってみた。山本といえば今ではギターが代名詞でもあり、オープニング曲はアコースティックギターの弾き語りで『ヒトコト』、続いてエレキギターに持ち替えて『レインボーローズ』という既にツアーでもお馴染みの流れで、しっかりファンのハートをキャッチ。
千秋楽ということで山本は「おおさかー!」といきなり叫びだし、これまで以上のハイテンションでコンサートに挑んでいった。序盤から最高潮のボルテージとなり、一気にアゲアゲソングを歌い上げていき、9曲を歌ったところで、小休止という訳ではないが、JTのCMソングとしてもお馴染みの『ひといきつきながら』をしっとり聞かせてくれた。しかもここでハーモニカを披露するのだが、このハーモニカの演奏を一日でマスターしたというから驚きである。
ステージでは様々な顔を見せてくれる山本は、後半には再びパワフルな曲を一気に歌い上げた。そんな楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい最後の曲に。最後は愛のおすそ分けという気持ちを込めて書いたという『幸せの欠片』を全力で歌い、コンサートの幕は閉じた。
場内の照明が落ち暗転すると同時にアンコールとして『さやか』コールが巻き起こり、山本の再びの登場。「愛のアンコールを受けまして、もう少し歌って帰ろうと思います」と再びバンドメンバーを引き連れて、アンコールのステージのスタートとなった。アンコールの1曲目は、今年度の『日本レコード大賞』にノミネートされた『365日の紙飛行機』。続いて2曲目は『太宰治を読んだか?』である。この曲は、かつてNMB48と兼任だった時代のAKB48の横山由依と卒業生の山田菜々の3人で歌った曲であり、ファンの間でも名曲と言われている楽曲である。これまでコンサートで横山や山田以外のメンバーと組んで3人で歌うことはあったが、山本がひとりで歌ったのは今回が初めてである。そして最後に『メロディ』を歌い千秋楽の幕が閉じたのだが、ファンの気持ちは収まることなく「さやか」コールが再び巻き起こり、予定外のダブルアンコールがスタートした。「まだいくか大阪!」と叫び、『レインボーローズ』を再熱唱。最後までファンを楽しませてくれた山本は、汗を振り乱しながら最高の笑顔で最後のステージを終えた。
山本は「ライブの時間が過ぎるのって早いですね。自分自身にとってのこの1年もすごく充実していたので早かったと思います。アルバムを作っている時は、初めての制作だったこともあり追い込まれながら曲が書けなかったりして、初めて産みの苦しみを味わったりしました。苦労も多かったですけど、皆さんの笑顔を目の前で見ることができたりとか、ファンの方が自分のことのように喜んでくださって、そういう姿が心の底から嬉しかったです。2017年は2016年以上に成長していきたいですし、何事も言葉にすることって大事じゃないですか。あえて言っちゃいます。シングルを出したい。大きな会場でライブもしたい。フェスとかにも出てみたいです。他のアーティストさんに作品の書き下ろしとかクリエイティブ的なこともドンドン挑戦していきたいと思います」とアピールした。
シンガーソングライターとしての初のソロツアーは今日で終わってしまったけど、これが終わりではなく始まりである。NMB48としても勿論だが、シンガーソングライター山本彩として、来年はさらなる飛躍が期待できるので、今から楽しみである。
(C)Sayaka Yamamoto
取材/ブレーメン大島
●セットリスト
01 ヒトコト
02 レインボーローズ
03 抱きしめたいけど
04 BAD DAYS
05 彼女になりたい
06 愛のバトン
07 雪恋
08 月影
09 疑問符
10 ひといきつきながら
11 心の盾
12 スマイル
13 初めての星
14 僕らのユリイカ
15 幸せの欠片
アンコール
EN1 365日の紙飛行機
EN2 太宰治を読んだか?
EN3 メロディ
ダブルアンコール
EN1 レインボーローズ