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今秋設立 ヤクザ者専用「保釈金代納制度」に群がる“奴ら”

 「昔は組織が保釈金の面倒を見たものだが、最近は世知辛く、構成員の大半が拘置生活を強いられている」
 暴力団関係者が話す「保釈金」とは、刑事事件で起訴された被告人の身柄を解くために、裁判所に納める保釈保証金のこと。長引く裁判の間に被告人が逃亡したりしないように、通常は高額の保釈金額が設定されているのである。
 ただし、最近はこれが高額のために、保釈請求できない暴力団関係者が急増しているというのだ。

 その理由を司法記者がこう話す。
 「日本で唯一保釈金を立て替えているのが、『一般社団法人 日本保釈支援協会』。ただ、同団体は重罪や暴力団の資金源となる事案への支援はしない方針。そのため、組からも見放された構成員らは拘置生活を強いられているのです」

 ところが、それが一変しそうな機運が高まっている。一部の弁護士で構成する『全国弁護士協同組合連合会』が、この改善に乗り出したのだ。
 別の司法担当記者が言う。
 「実は全弁協は、刑事訴訟法で認められている『保釈保証書』に目をつけているのです。この保証書は弁護士が作成し裁判所へ提出すれば、保釈金と同様の効果を得られるという制度。現実的でないということで、これまで裁判所ではほとんど受け付けなかったのですが、同団体は5月の総会でこの事業に乗り出すことを承認。『損害保険ジャパン』が保釈取り消し時に全弁協に対して相当の金額を補填し、全弁協は裁判所に納入するシステムを考案。秋には事業に乗り出す方針を固めているのです」

 もっとも、この件に関し『損害保険ジャパン』の広報は「個別の照会につきましては、回答を差し控えさせていただきます」と回答。日弁連も小誌の取材に音沙汰なしだが、その理由はどうやら、このシステムの集金方法にありそうなのだ。
 「実は、『損保ジャパン』は、被告人の関係者から全弁協を通して保証料をとる仕組みだからです。これが保険とみなされると、金融庁との折衝が長引くため、鳴りを潜めているのです」(前出・司法担当記者)

 『一般社団法人 日本保釈支援協会』関係者が言う。
 「全弁協が構想する制度は、被告人が保釈条件に違反した場合、『損保ジャパン』が保釈金を肩代わりする制度。運用次第では反社会勢力への加担となってしまう恐れもあります」

 拘置免除も金次第!?

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