【第1回アイドル超理論】総合プロデューサー・つんく♂退任で「ハロプロ」に与える影響

アイドル 2015年11月01日 14時00分

【第1回アイドル超理論】総合プロデューサー・つんく♂退任で「ハロプロ」に与える影響

 日本で最もアイドルを知る男、つんく♂。喉頭がんによる声帯の摘出を告白したのは、今年4月4日、母校・近畿大学入学式の舞台上だった。9月10日に発売された手記『だから、生きる。』(新潮社)では、モーニング娘。ら「ハロー!プロジェクト」の総合プロデューサーからの“卒業”も明らかにした。1997年のモーニング娘。結成以来、同グループやハロプロアイドルのほとんどをプロデュースしてきた、まさしく舵取り役のつんく♂の退任は、ハロー!プロジェクトにどのような影響を与えるのだろうか。

 アイドルのプロデューサーとして、つんく♂と比較されることが多い秋元康。両者のスタンスは大きく異なる。あくまでも「作詞家」としてAKB48らの楽曲に携わる秋元に対し、つんく♂は作詞・作曲、アレンジの方向性など、より広範囲に指揮を執ってきた。それゆえ、ハロプロの作品には、「つんく♂」というプロデューサーの色がより濃く反映されている。

 その他のアイドルファンと比べ、ハロプロのファンには、楽曲を重視する傾向がある。それも、作品の単純な良し悪しではなく、「ハロプロっぽい曲」「つんく♂ならでは曲」へのこだわりが強い。言うなれば、「ハロプロファン=つんく♂ファン」でもあるのだ。それだけに、総合プロデューサーからの退任というニュースがファンに与えた衝撃は大きい。

 モーニング娘。に関しては、「サウンドプロデューサー」の肩書きで引き続き携わっており、8月リリースの最新シングルでも、3曲中2作品でつんく♂が詞と曲を提供している。しかし、℃-uteやアンジュルムなどハロプロに所属するその他のグループでは、今年に入ったのを境に、つんく♂作品が使われることはほぼなくなった。

 現状、“非つんく♂曲”へのファンの反応やセールス成績は、概ね良好だ。Juice=Juiceにおいては、最後のつんく♂作となる5thシングルがオリコンチャート4位だったのに対し、つんく♂が離れた次作『Wonderful World/Ça va ? Ça va ?』ではグループ初の1位を獲得している。

 元プロデューサーのつんく♂としては、はなはだ立つ瀬がない結果だ。しかし一方で、「非つんく♂曲は耳馴染みがいいけど、すぐに飽きる」「つんく♂曲あってのハロプロ」という声も少なくない。はじめて耳にしたときから、分かりやすく乗れる非つんく♂曲に対し、最初は違和感を抱くこともあるつんく♂曲。しかし、繰り返し聴くうちに癖になり、いつまでも飽きがこない、いわゆる「スルメ曲」がつんく♂作品の特徴だ。そうした楽曲に馴染み、そうした曲だからこそこだわりを持って愛してきたファンには、つんく♂がプロデューサーであるか否かは、とても重要なことなのだ。

 先日、そんなつんく♂信奉者たちに朗報が届けられた。来春放映予定のドラマ『武道館』内で、Juice=Juiceが演じる架空のアイドルユニット「NEXT YOU」のプロデューサーをつんく♂が担当。Juice=Juiceではなく、あくまでもNEXT YOUのプロデュースという点がキモだが、事実上、ハロプロに「プロデューサー・つんく♂」が帰ってきた形だ。当然、ツイッターなどインターネット上には、つんく♂のカムバックを喜ぶハロプロファンの声があふれた。だが、この報せを微妙な気持ちで受け取った者もいるようだ。

 朝井リョウ原作『武道館』で、ドラマ初主演を務める「Juice=Juice」というグループのことを簡単におさらいしておこう。2013年2月、研修生のなかで群を抜く存在感を示していた宮本佳林を中心に、6人組のグループとして誕生。インディーズシングルを3か月連続でリリースしたのち、同年9月、トリプルA面のメジャーシングル『ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね/五月雨美女がさ乱れる』で、まさに鳴り物入りのデビュー。その年のレコード大賞で新人賞を受賞するなど、滑り出しは順風満帆だった。

 しかし、その後のJuice=Juiceは急速に勢いを失っていく。メンバーのひとりが早々に脱退したこともあるが、それ以上にブレイクへの足かせとなったのが、なにを隠そうプロデューサー・つんく♂が彼女たちに与えた楽曲だ。デビューの翌年、14年にリリースした3枚のシングルは、いずれもマイナー調でムーディー。よく言えば「大人っぽい」、端的に言えば「辛気臭い」曲ばかりが1年間も続いた。「盛り上がれる曲が少ないから、ライブに行っても楽しくない」と、動員でも厳しい状態が続いた。

 一気に機運を変えたのが、6枚目のシングル『Wonderful World/Ça va ? Ça va ?』だ。前述したように、この曲はつんく♂作品ではない。今年7月、結成から2年半かけてやっとリリースした1stアルバム『First Squeeze!』が多くのファンから高評価を得ているのも、非つんく♂作のアルバム曲の良質さが要因だ。それらの曲を披露するようになってから、ステージの評判や動員もうなぎのぼりに上昇している。

 こうした経緯があるため、Juice=Juiceのファンには、「あのままつんく♂プロデュースが続いていたら、今もJuice=Juiceは低迷していたかもしれない」という思いがある。また、NEXT YOUへのプロデュースに対しても、「せっかく人気が出てきたのに、また暗い曲ばかり歌わされたら…」と、つんく♂プロデュースを素直に喜ぶことができないのだ。実はその不安を最も感じているのは、昨年1年間辛酸を嘗めてきたJuice=Juiceのメンバーかもしれない。

 アイドルグループにとって、メンバー一人ひとりの個性や魅力、実力が大切なのは言うまでもない。しかし、楽曲や売り出し方に恵まれなければ、それらも宝の持ち腐れとなってしまう。Juice=Juiceをはじめ、ハロー!プロジェクトのアイドルたちの未来は、今なお、“元”プロデューサーのつんく♂が握っている?

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