2人が出会ったきっかけは、相方・しずちゃんが出演映画『フラガール』で共演した友人の蒼井を含めた食事会。恋のキューピットが相方だったという馴れ初めは、3人全員の好感度を大いに高めた。
幸せのシンボルとなった山里だが、数多のレギュラー番組の一つに『ひねくれ3』(テレビ東京系)がある。これは、すでに実生活では、ひねくれを卒業してしまった山里が、いまだ現役のハライチ・岩井勇気、三四郎・小宮信浩との3人で、未来を変える挑戦者の野望をひねくれ検証しながら、明日を生き抜くヒントを学ぶトーク番組。ナレーションは、マキタスポーツ。イキなメンツがそろっている。
結婚後、精神がさらにたおやかになったのだろう。花火を見ると泣けてくるようになった山里に、「(ここは)『ひねくれ3』だぞ!」と番組趣旨に伴った刃を向ける岩井。彼が番組イチ正論派にして理論派、的を射ている。偉大なるバランサーといえる。
3人を冷静に分析したのは、松竹芸能に所属する現役プロレスラーのスーパー・ササダンゴ・マシン。ぽっちゃり体型で緑色のマスクをかぶっているササダンゴは、実家の新潟県で親の会社・坂井精機株式会社を継いで、専務取締役に就く会社員でもある。プロレスラーとして身を置く団体・DDTでは、パワーポイント、略してパワポを駆使したキャラクターで大人気。バラエティ番組でも、パソコンや大型ビジョン、モニターを利用したプレゼンテーションシステムで、初心者にわかりやすく解説・説明している。
そんなササダンゴいわく、「『ひねくれ3』はエスタブリッシュメント・バラエティ」。権威的な人や物事をおもしろおかしく切り込むバラエティ、となるようだ。
山里、岩井、小宮が集まった場所には基本、ひがみ、妬み、嫉み、ひねくれが渦巻く。それをエスタブリッシュメントという横文字を使うことによって、知的という膨らみを持たせた。この部分を担っているのが、紅一点の乃木坂46・秋元真夏だ。番組の公式Twitterのフォロワーのおよそ7割が、秋元ファンだという。
つまり、乃木坂を、“努力の天才”山里と“0から1を生み出す毒舌王子”岩井と“天然と破天荒の夢のハイブリッド”小宮が囲むバラエティというわけだ。もはや“ひねくれ坂46”。ビッグウェーブに乗りまくる山里効果にあやかって、1回でも多くの番組改編期を乗り越えてほしいものである。
(伊藤雅奈子)