「今季は頭角を現した若手が大勢います。特に岩貞はエース級の活躍を見せていますが、キャンプで臨時コーチを務めた下柳剛氏など、各方面からアドバイスを受けていました。ウケ狙いなのか、若手成長の恩人を自称するOB、関係者もいます(笑)」(在阪記者)
“厄介なご仁”もいる。それが影響力を持つ大物OBともなれば、今後の金本采配にも響いてきそうだ。
「やっぱり、岡田(彰布=58)さんの眼力は凄い」
そんな声が多く聞かれた。
岡田氏は関西系メディアに定期的にコメントを寄せている。和田監督時代は古巣を愛するあまり、采配批判や投手交代のタイミングを酷評していたが、金本知憲監督(48)になってからは“提言”も多くなってきた。予言が現実になったものもある。シーズン開幕前、「中日はブキミよ」と訴えていた。ハッキリ言って、開幕前の中日はノーマークに近かった。しかし、岡田氏は昨年オフにベテランが揃って引退したことを指し、「全く違うチームに生まれ変わった。もっとも警戒すべき」とし、実際、アニキは開幕戦を落としている。
「新加入のビシエドにやられました。一時期、阪神戦で5割以上の打撃を誇り、トラ偵察隊は緊急で対策を練ったほど」(関係者)
そのとき、チーム関係者の脳裏に『岡田氏の竜警戒令』がよぎったという。また、4季ぶりに帰還した藤川球児が手薄だった先発陣の救世主となった序盤戦、
「球児の先発転向は来季でエエんと違う?」
と発言。チームは好スタートを切っていただけに、「なに言ってんだ、このおっさん!?」という雰囲気だったが、目下の藤川は見事(?)リリーフに戻っている。
「金本監督は自身を阪神に招いてくれた星野(仙一)氏よりも岡田氏に強い影響を受けています。『岡田氏はブレない』と、監督だった当時の采配にも一目を置いている。その岡田氏は球団、OB会にも強い影響力を持っています」(同)
岡田氏は真弓、和田の両監督が退陣するとき、『次期監督』の有力候補に挙がっていた。歯に衣着せぬ発言もあり、距離を置きたがるスタッフもいないわけではないが、チームが低迷し、窮地に陥ると、「最後の優勝経験監督」として、必ずカムバックコールも沸き起こる。鳥谷敬を1年目から使い、鉄壁の救援陣・JFKを作った実績は、岡田嫌いの関係者も認めている。
「故・中村勝広GMの後継がシニアディレクターの肩書を与えられた和田豊前監督です。和田氏はスカウト方面をサポートしていますが、チーム指揮の助言役はいません。OB会長の川藤幸三氏は高齢。金本監督が岡田氏とチーム構想で話し合ったとしても決しておかしなことではない」(同)
岡田氏は生え抜き。カープ魂も持つアニキが“人間関係”で岡田氏にアプローチせざるを得ないようだ。