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次の侍ジャパンはスカウト大集合の見本市 大学代表VS二軍選抜で力量テスト

 6月29日に侍ジャパンがNPB選抜チームと試合を行うことが発表された。しかし、今回、『侍ジャパン』のユニフォームを着るのはプロ側ではない。大学生の選抜チームだ。
 今回招集されるのは『夏季ユニバーシアード光州大会』(7月3日〜)に出場する大学生選抜チームの選手たち。ユニバーシアード代表の壮行試合が目的だ。NPBはイースタンリーグ(二軍)の選手を中心に選出する予定だという。
 在京球団スカウトがこう言う。
 「今年は大学生の当たり年。即戦力投手が多いだけではなく、レベルの高い野手も少なくない。ドラフト1位候補が一堂に集まり、かつ二軍選手と試合をするとなれば、彼らの真の実力をチェックすることが出来る。12球団が複数態勢でスカウトを派遣するでしょう」

 投手では、駒大の今永昇太、明大の上原健太、早大の吉永健太朗、富士大の多和田真三郎、仙台大の熊原健人といった選手がプロから注目を集めている。野手も、明大の高山俊、慶大の谷田成吾、青学大の吉田正尚らがドラフト候補として挙げられている。当然、彼らが年齢もさほど変わらない二軍選手たちと実戦に臨むとなれば、スカウトにとってこれ以上ない視察の場となる。もっとも、試合を主催する日本野球機構(NPB)はプロアマ交流の一環であって、ユニバーシアード大会に挑む大学生たちへのエールだと強調している。
 「今年のドラフトの特徴をもう一つ挙げるならば、東京六大学といった有名な強豪リーグだけではなく、地方リーグにも1位候補の投手がいることです。そこへ春のセンバツ甲子園でも活躍した高橋純平(県岐阜商)などの高校生投手も加わる。この侍ジャパンの試合で、各球団は本命を抽選で外したあとの、外れ1位候補の力量も確認することができる」(前出スカウト)
 NPBは“純粋”にエールを送るつもりなのかもしれないが、各球団スカウトが控えるネット裏は謀略で満ち溢れる一戦となりそうだ。

 また、侍ジャパンの事業会社であるNPBエンタープライズを指して、こんな指摘も聞かれた。
 「当然、侍ジャパンは興行に危機意識を持っています。3月の対欧州代表戦では集客に苦しみ、今後の興行も危ぶまれました。春と秋の年2回興行を続けていくにあたって、ドラフト候補たちとの試合は、プロ野球ファンの興味を惹くのではないか、と期待する向きもないわけではない」(ベテラン記者)

 今回の壮行試合だが、過去にも例となるような試合があった。2009年11月に、26歳以下のNPB選手と、大学日本代表チームが試合を行っている。当時は、早大の3年生だった斎藤佑樹がプロ相手に投げ、翌年秋のドラフト会議までこの試合は話題となった。こうしたドラフト候補生たちとの試合は、プロ野球のニュースを盛り上げるきっかけ作りにもなるかもしれない。
 「国際試合で盛り上がるのがベストとはいえ、NPBは海外代表チームの招致に苦しんでいます。海外チームは遊び半分の来日になることが多く、真剣勝負にはならない」(球界関係者)

 ドラフト候補との試合であれば、渡航費などの経費も掛からない。ドラフト候補との試合に期待するのは間違っていないが、商売っ気が過ぎると、侍ジャパンという日本代表が安く軽くなってしまうのではないか。

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