「2月21日には大阪のお笑いの殿堂、なんばグランド花月を訪れ、観劇後のエンディングで舞台に上がり、観客の前でお笑い芸人のワッキーから持ちギャクに挑戦していました。また、28日には京都府庁まで足を延ばして山田啓二府知事に面会し、大阪と京都は隣同士、ぜひ観戦にお出でください、と盛んにPRしていました。担当部長自ら他の都道府県の知事を訪問するのは異例のことです」(担当記者)
同15日には大阪梅田の地下街で行われたPRイベントにも参加し、この日、大相撲界では千代の富士に次いで2人目の国民栄誉賞受賞が決まった故大鵬の納谷幸喜さんの思い出などを熱っぽく語っている。
それにしても、どうしてこんなに貴乃花親方の動きが際立っているのか。答えは簡単。この春場所はこれといった目玉が見当たらないからだ。
「番付をみても目新しさは皆無。唯一、目玉らしい目玉は新入幕の大岩戸と双大竜ですが、大岩戸は新十両から43場所もかかっての入幕。年齢も31歳9カ月で、これは史上8位の高齢新入幕です。双大竜も序ノ口から46場所かかっての入幕で、学生相撲出身者(農大卒)では史上4位のスロー昇進。これでは、とても観客動員には結びつけられません」(相撲関係者)
さらに、こんな深読みをする協会関係者も。
「去年、貴乃花親方は初めて担当部長に就任し、9日間も館内を満員にして大きな評価を受けました。これを不動のものにし、将来の理事長候補としての存在感を示すには、この大入り記録を去年以上に伸ばすしかない。だから、今年のノルマは大入り10日、と公言し、その達成に必死なんですよ」
大目標に向かって足固めに余念のない貴乃花親方。いまや、その動きは台風の目だ。