「同GMの残留は、ヤ軍の日本人3選手の去就にも大きく影響してきます」(現地記者)
チーム唯一、最後までローテーションを守った黒田博樹(39)は、古巣の広島へ帰還するのではと噂されている。ヤ軍にすれば計算の立つ大事な先発投手だが、来季40歳を迎えるロートルに、現行の1600万ドル(約17億円)以上は払えない。新たな選手補強費も必要なので、「快く見送る」との見方が多数だ。
「田中将大(25)は右肘にメスを入れることになりそうです。7年総額161億円の大型契約を結んだ投手なだけに、とにかく元手を取ることを最優先で考えています。右肘に少しでも異変が生じれば、即手術です」(同)
一方で屈辱的な扱いを受けそうなのが、イチロー(41)だ。イチローは4番手の外野手としてシーズンをスタートしたが、主力選手の故障もあり、143試合に出場した。打率も2割8分4厘とレギュラー陣のなかで最も高い数字を残したが、トレード放出の噂はシーズン終了まで消えなかった。
「アストロズのデータベースがハッキングされた事件によって、イチローがアストロズへ放出される画策がなされていたことが明るみに出ました。2年13億円の高額年俸がネックでまとまらなかったようですが」(同)
好成績を残したからといって、一度ダメ出しした選手の扱い方を変えて残留させれば、自身の見る目のなさを世間に暴露するようなもの。同GMのメンツもあり、イチローは残留できないだろう。
「年俸ダウンを受け入れるのなら、米他球団への移籍も可能ですが、年齢的な理由でレギュラーは保障されないでしょう。地方球団でプレーを続けるか、それとも…」(同)
このように日本球界への帰還も十分に考えられる状況だ。いまのイチローの成績なら、たとえ日本に帰っても、都落ちしたというイメージはない。となると当然、巨人が放っておかないだろう。だが、仮に日本球界とも交渉するとなった場合、優先順位はオリックスの方が先になる。
「オフの間、イチローはオリックスの練習施設で練習することもありました。実は、日本人メジャーリーガーはオフの間、NPBの練習施設を使えないルールになっているんです。厳密にはややこしい手続きを取れば可能なんですが、それを請け負ってきたのはオリックスなんです。イチローもそれには恩義を感じています」(プロ野球解説者)
日本人メジャーリーガーが年末に帰国し、年明け早々に渡米するのは、NPBの閉鎖的な規定が影響していたのだ。
「オリックスは昨年オフ、川崎宗則の獲得に動いています」(前出解説者)
川崎はイチローの弟分でもある。川崎もオリックスの練習施設を利用させてもらった過去があり、好印象を抱いているという。今季、指先にかかりかけた優勝を逃したオリックスが、優勝のための戦力補強をするとなれば、この二人は喉から手が出るほど欲しい選手に違いない。
キャッシュマンGMの残留でイチローの身辺が慌ただしくなってきた。