「藤浪の最大の長所が消えていました。猛々しさ、直球の威力、球速がなくなってしまった」(球界関係者)
去る2月16日、藤浪は東北楽天との練習試合で2イニングに登板した。2三振無失点。だが、2つの四球を出しており、捕手も手が届かないような大暴投も記録している。
「気になるのが、金本監督の藤浪を見る時の表情ですよ。眉間に皺を寄せて、ダンマリを決め込んだまま。右腕を真上から振り下ろす新フォームにも懐疑的なんだと思います」(取材記者)
藤浪はダルビッシュ有と自主トレを行うため、1月に単身渡米。そこで合流したドジャースの大エース、クレイトン・カーショウのアドバイスで、投球フォームを改造。今キャンプから、真上から振り下ろす新フォームの習得に励んでいる。だが、ノーコン病は収まりつつあるようだが、“完治”はしていない。
「7日の紅白戦にも登板していますが、よくぞまあ、無四球で収まったものだというのが正直な感想です。初球から3球続けてボールカウントになったり。最初の1イニング目は140キロ台後半の球速を記録しましたが、2回は130キロ台…。与四球を恐れるあまり、腕が思い切り振れていないのです」(関係者)
新フォームは、金本監督もキャンプ序盤にブルペンで見ている。藤浪の最大の長所であるスピードが喪失されたのはすぐに分かったはずだが、何も言おうとしないのだ。
「若手の才木浩人、2年目の小野泰己、新人の馬場皐輔らの評判が非常にいい。金本監督は『藤浪ナシ』のローテーションも念頭に入れているのかもしれません。直球のスピードが出ない藤浪なんて、相手チームからすれば、何の脅威にもなりません」(前出・取材記者)
楽天戦の前日15日、阪神のレジェンド・江夏豊氏が藤浪を視察し、報道陣にこう感想を述べた。
「結果が良ければ考えないで、悪ければああだこうだと考える。心の底を強くしっかり持たないと…」
考えすぎて、投球フォームまで改造した若武者が「ドロ沼にはまり掛けている」と言うわけだ。チーム関係者によれば、金本監督も同じような印象を持っているという。
しかし、「自分に自信を持て!」とアドバイスを送ろうとしないのはなぜか? 愛のムチと見る関係者もいるが、藤浪は理論派で知られる投手だ。練習内容にも目的を見出し、納得してからでないと集中できなくなるタイプ。金本監督も、そういう性格を分かっているはずだが…。
「藤浪は“エース特権”を剥奪されており、2月中に結果を出さなければ即刻二軍落ちです。監督は、自分で気付かないうちは、何を言ってもダメだと思っているのでしょう」(同)
二軍落ちした藤浪がそのまま消える…。そんな事態にもなりかねない。