高橋由伸(41)、金本知憲(48)両監督は“苦渋の選択”を迫られつつある。
「金本監督の采配に『迷い』が感じられます。チームが再浮上のきっかけを掴めないからでしょうが、開幕当初、あれだけ若手を使ってきたのに、その若手を我慢して使い続けようとしない。今のチーム状況を見る限り、どういうチームを作りたいのか、分からなくなってしまいました。そして、巨人の打線低迷も重症ですね。両球団の低迷が、緒方カープを独走させることになるのでしょう」(スポーツライター・飯山満氏)
阪神というチームを抜本的に変えようという意識の表れであるスローガン『超変革』の申し子とされたドラフト1位ルーキー高山俊が、スタメンから消えて久しい。開幕当初はこの高山と横田慎太郎の若い1、2番コンビに躍動感を感じたファンも多かったが、最近は1番・鳥谷敬、2番・西岡剛に逆戻りしてしまった。球団OBは「若手は我慢して使っていけば」と助言を送ったが、金本監督の胸には響かなかった。
「金本監督も若手の勢いが長続きしないことは分かっていたはず。若手が調子を落としてきたときに中堅、ベテランがカバーすればいいと考えていましたが、そのベテランが『数字以上の働き』をしないというか、試合で打っても、チームが活気づかないんです。かといって、若手に完全に切り換えるリスクはあまりにも大き過ぎて…」(在阪記者)
金本批判も出始めた。若手は二軍で必死に頑張れば、掛布雅之二軍監督がそれを上に報告する。一時的ではあるが、一軍の試合で使ってもらえる。
しかし、中堅クラスはそうではない。チャンスに飢えた中堅たちは「ガマンの限界!」と嘆き、悶々としている。金本采配は「若手に偏重している」との批判も出始めている。
「阪神本社の株主総会ですが、今年は無事に切り抜けられたので、金本批判を経営陣が取り上げることはないでしょう。タイガース批判が株主総会の名物になった今、経営陣は、金本監督になって、負けても好意的に捉えてくれる現状に満足していますから」(同)
一方、打線低迷ならヨシノブ巨人のほうが重症だ。
数字では巨人が「チーム打率2割4分9厘」で、阪神の「2割4分2厘」をやや上回っているが(6月27日現在)、そもそも、高橋監督の就任と同時に課せられたテーマは打線強化だった。昨季のチーム打率は2割4分3厘。12球団ワーストは免れたものの、下には最下位・楽天だけ。
「高橋監督がコーチ人事で唯一、お願いしたのが内田順三コーチの一軍昇格でした。昨秋キャンプから、内田コーチが打撃担当として主力陣を徹底指導していました」(ベテラン記者)