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巨人・太田泰示トレード裏に日本ハムの「ポスト栗山」体制

 日本ハムが巨人・大田泰示外野手(26)をトレードで獲得した。巨人のドラ1野手のトレードは史上初。表向きは「打線強化」とされるが、実は「ポスト栗山監督」への布石との声−−。

 巨人の「未完の大器」大田、公文克彦投手(24)と、日本ハム・吉川光夫投手(28)、石川慎吾外野手(23)の2対2のトレードが11月2日に成立し、両球団が発表した。大田は'08年のドラフト1位、吉川は'06年の高校生ドラフト1巡目で'12年のパ・リーグMVP左腕。先発左腕の補強を目指す巨人と、右打者の強化を狙う日ハムの思惑が合致。今オフ最初のトレードとなった。
 大田は原辰徳巨人前監督(58)が惚れ込み、肝入りで巨人に入団させた逸材だ。中学2年時に野球教室で原氏に才能を見い出され、故郷広島から原氏の母校・東海大相模高に野球留学。原氏の父である名将・原貢氏に育てられ、高校通算65本塁打を記録し、「辰徳の高校時代より上」と評価されるまでに成長した。巨人入団後は、「ポスト松井秀喜」との思いから背番号55を用意するほどの入れ込みようだった。しかし、入団後は伸び悩み、背番号も55を剥奪され'14年から44に変更。毎年「今年こそレギュラー定着を」と期待されたがその思いは叶わず、今季も62試合出場で打率2割2厘、4本塁打に終わっていた。
 このトレードについて、巨人の堤辰佳GMは「彼を出すことにはいろんな意見があったが(中略)北海道で花を咲かせてやってくださいと伝えた」と説明した。泣いて馬謖を斬り、環境を変えることで覚醒することに期待を込めたわけだ。

 スポーツマスコミによると、このトレードは「吉川を獲得した巨人が得だ」と報じるが、本誌が入手した情報によると、やや異なる。
 実は、今なお「世界でも通用するポテンシャルを秘める打者」と惚れ込む原氏が仕掛け人だという。その狙いは、ハムの主砲・中田翔とコンビを組ませ、「平成のON砲」を構築。エース大谷翔平を擁して巨人、ソフトバンクを打ち負かす「スーパーチーム」を指揮するためだという。

 それを裏付けるかのような発表が、実はトレードの発表の同日に行われていた。今季で契約満了となる日本ハムの栗山監督は2日、都内の日ハム東京支社を訪れ、末澤壽一オーナーにシーズン終了を報告。その席で同オーナーから10年ぶり3度目の日本一達成の手腕を労わられ、来季続投を要請された。栗山監督はこれを受諾。しかし、契約は予想外の「1年間の延長」にとどまったのだ。
 今季はソフトバンクとの最大11.5ゲーム差を跳ね返して逆転優勝を飾り、広島との日本シリーズも4勝2敗で制した。しかしこれは、一時的とはいえ独走を許していたことの裏返し。栗山監督の評価は盤石ではない。

 今回の大型トレードは、決して国内FA権を取得した陽岱鋼外野手の移籍を織り込んだだけのものだけではない。その意味するものは、「次期原政権の布石」にある。

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