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シンクロ日本代表 国際大会優勝でもスパルタ・井村コーチとの埋まらない温度差

 シンクロナイズド・スイミング「マーメイドジャパン」が、日本選手権兼ジャパンオープンで優勝した(5月1日)。しかし、喜びの声はない。彼女たちを指導する井村雅代ヘッドコーチ(以下、HC)は「練習から完璧なものができていない」と、リオデジャネイロ五輪本番での危機意識を口にした。
 「彼女たちはすでにリオ五輪出場権を獲得しています。今回のジャパンオープンは本番さながらの緊張感で挑みましたが、井村HCの言う通り、演技は未完成でした」(体協詰め記者)

 未完成だったのには理由がある。マーメイドジャパンは五輪出場権を懸けた3月の世界大会後、演技プログラムを大幅に変えたからだ。この時期のプログラム変更は、リオ本番に間に合わない危険性をともなうが、その決断には井村HCの強い信念が秘められていた。
 「3月の最終予選で、日本は金メダルを争うライバルのウクライナに敗れているんです。それも、『0.0525点差』の僅差。井村HCは審査基準に関する抗議も行うほど激昂していましたが、同時に、このままではリオ本番で勝てないと察したようです」(同)

 帰国直後の井村HCは、リオ出場を決めた感想を求められたが、「腹が立っただけで帰ってきた」と吐き捨て、演技プログラムの変更もすぐに強行された。
 「シンクロはチームプレーです。1人がミスをすると、すべてがダメになってしまう。彼女たちはミスした選手を慰め、励ますが、井村HCの考えだと、かばい合う優しさが演技の質を落とす、と。ウクライナに負けた後、井村HCは悔し涙を浮かべるほど怒っていたのに、彼女たちは五輪出場を喜んでいました。強化合宿中の練習時間は1日平均12時間強。休日は自主練習。上を目指すなら、それくらいやらないと…」(関係者)

 演技変更にはマーメイドのメンバーたちを引き締める狙いもあったようだ。井村HCは、勝てるメンバーでなければ厳しくしない。非情な練習を続けても井村批判が出ないのは、指導者としての信念が伝わっているからだろう。

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