「今季でメッセンジャーとゴメスとの契約が満了します。慰留するかどうかは今後の成績次第ですが、活躍したら、逆に彼らがメジャー復帰を希望するかもしれない。万が一への備えであると同時に、メジャーの選手枠から漏れた選手の中に日本球界向きの逸材がいたら緊急獲得という流れになります」(球界関係者)
開幕して約2カ月、金本監督の『超変革野球』によって、チームには新しい風が吹き込んでいる。30数試合を過ぎただけでも、“プロ入り初”を達成した選手が8人もいる。高山俊、横田慎太郎、北條史也など6野手がプロ初安打を放ち、投手の岩貞祐太も勢いに乗ってそれを達成。'14年ドラフト1位の横山雄哉もプロ初勝利を上げた。
「ですが、勝率は5割程度。金本監督以下、コーチ陣は満足していません。というか打線が下降気味で焦りすら感じている」(前出・同)
そのため新外国人選手の調査を前倒しさせたのだろう。だが、フロントは必ずしもそうは思ってない。
「高山や今年ブレイクした岩貞、北條、育成から這い上がった原口文仁らの活躍を受け、彼らの新グッズの発売も事実上確定しました。まあ、既存グッズの背番号を変えるだけで済むので、球団は大儲けです」(ベテラン記者)
それだけではない。金本監督や選手が各々プロデュースした甲子園限定の弁当が、売れ行き好調なのである。全部で35種類。2位が今年から加わった金本監督プロデュースの但馬牛御膳(1800円)で、1位はやはり、金本監督プロデュースのスタミナ弁当。こちらは'08年から販売され、引退後も売り上げ上位5品に必ず入る人気メニューだ。
「金本監督関連で1、2フィニッシュです。甲子園は連日満員。営業面での『超変革』は大成功というか、終了した気になっているんでしょうね」(前出・同)
弁当完売、新グッズの発売前倒し…。金本監督は下降気味の打線に怒りを押し殺すようにして、試合を見守っている。しかも、掛布雅之二軍監督の人気で鳴尾浜野二軍球場の外野フェンスに広告が出た。前代未聞だという。この営業面での上方修正が、現場とフロントの温度差になったようだ。
「交流戦以降のキーマンは39歳の中継ぎ・福原忍ですよ。福原が本調子になれば、4人目の外国人選手であるドリスを二軍に落として、ヘイグと入れ換えることも可能になる。打撃不振だったヘイグは二軍で復調し、打率4割を超えています」(在阪メディア)
負けが込めば、これまで好意的に見てくれたファンも怒り出す。金本監督『超変革』は大成功だが、フロントの壁が厚く立ちはだかる。