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【雅道のサブカル見聞録】『ストライクウィッチーズ』の映画が好調、今後の展開はどうなる?

 深夜帯がオタ向けアニメの主流になってから、玩具メーカーなどの大口スポンサーが少ないため長期的にシリーズを展開するケースが減っている。特にオリジナルアニメではその影響が強く、放送が終わった途端に忘れされるアニメも珍しくない。深夜枠に今後ガンダムなどのように数十年単位でシリーズ展開できるオリジナルアニメは現れるのだろうか? 実は純粋な深夜アニメとして可能性がありそうな作品が一つある。それが先月17日から全国劇場で劇場版新作が公開されているオリジナルアニメ、『ストライクウィッチーズ』だ。同作は公開日初日に角川シネマ新宿で初日動員で新記録を樹立し、さらに15館も公開館の追加が決定。ロングラン放映の予定も出始めるなど、少ない公開館数にもかかわらず好調な成績をあげているという。

 元々『ストライクウィッチーズ』は08年の8月から深夜のオリジナルテレビアニメとして3か月間放送され、第二次世界大戦当時に活躍した各国エースパイロットをモチーフに、魔力を持った少女としてキャラクター化。実在の戦闘機をモデルにしたストライカーユニットという兵器を両足に履き、異形の敵ネウロイと戦うというストーリーで、“萌え”とミリタリーを融合させた画期的なアニメといえる。軍事以外の世界観設定も変な方向に凝っており、作品のキャッチコピーである“パンツじゃないから恥ずかしくないもん”の通り、この世界にはこちらでいう女性用のスカートやズボンという観念がない。代わりに少女たちの下半身には作中では“ズボン”と呼ばれている、どう見てもパンツにしか見えない布地一枚のみ。しかも戦闘中少女達には魔力でケモノ耳と尻尾が生えるという設定もあり、設定だけ見れば歴戦のアニオタも嫌悪しそうな変態アニメ。しかしこの作品、放送が始まると予想を遥かに超える大ヒット。このヒットの理由は濃いミリターリー設定と、可愛らしいキャッチーなキャラクター。そして、深夜アニメ的な“萌え”と少年漫画的な熱い展開の“燃え”をバランスよく合わせたストリー構成で、アニオタとミリオタを兼ねている層をそのまま全て引き込めたことが大きいようだ。その人気は放送後も衰えず、第2シーズンが10年の8月から3か月放送され、先月17日からは劇場公開されるまでになった。

 実はイカロス出版より06年から発行されている萌え軍事雑誌『MCあくしず』などにより“萌え”と“ミリタリー”の融合という土壌はは以前から整っていいた。起爆材料はあったのに、今まで完全に両方のファンを満足させるアニメ作品がなかった。そこに突然本作が現れたことが爆発的なヒットに繋がったのだろう。しかもクリエイター陣にキャラ原案の島田フミカネ、軍事考察に鈴木貴昭という、アニメ業界で随一の軍事に精通する人物が中心に制作したこともあり、後にもここまで練りあげた高度なミリタリー萌えアニメを制作されることもなかったため、現在にいたるまで多くの固定ファンがそのまま残っている状態となっている。キャラクター面でも描写の細かさにも定評があり、登場する各キャラクターが熱狂的なファンを獲得しており、キャラ人気だけでも新規のファンを獲得できる力を持つという、重度のオタク向けな初期設定に反してかなり優良なコンテンツといえる。

 それらに加えて同シリーズは書籍、ゲームなどを利用したメディアミックス展開なども、元が第二次世界大戦と当時のエースパイロットをモチーフとしただけに幅広く、マンガ、ノベル、ゲームなどにアニメ未登場やチョイ役のキャラクターが多数登場している、他にも設定だけ存在しているキャラクターなども多く、その総数は100人を超えると思われる。仕掛け次第では多くの人気ロボットアニメシリーズのような長期展開も可能だ。今回の劇場版の好調により、シリーズ長期化にさらに近づいたといえよう。

 オリジナルアニメの力が見直されつつあるここ数年、そろそろ長寿シリーズのアニメが深夜から出て来てもいい頃ではないだろうか? 深夜アニメのあり方を変えるかもしれない『ストライクウィッチーズ』の今後に期待したい。(斎藤雅道)

※画像は公式HPより

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