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球春ベンチ裏 長嶋・松井VS原・高橋由「巨人監督問題」でドロ沼抗争勃発(3)

 主将、4番、正捕手の3役をこなしてきた阿部と話し合い、'15年からは『4番』だけに専念させる。一塁コンバートは年齢的負担の軽減だけが目的ではなく、「もう一度、3割、30本を目指せ」というゲキも込められていた。他選手に対しても同様である。
 阿部を継ぐ新主将に、やはり成績を落としている坂本勇人(26)を指名。坂本はどちらかと言えば仲間を引っ張っていく性格ではない。だが、その責任感は感じていたらしく、「阿部さんは皆を納得させる成績を残してきた」と語り、自主トレで例年以上にバットを振っているという。村田修一(34)、杉内俊哉(34)、内海哲也(32)、澤村拓一(26)に対しても同様である。
 「澤村はクローザーに転向します。救援に回れば体調管理も難しくなる。夜遊びで乱れがちな私生活を正す目的もあり、また、ドラ1の岡本和真(智弁学園高校)を指して何かにつけ『4番サード』と話すのは、現・正三塁手の村田にプレッシャーを与えるためです。本塁打王のタイトルも獲得したベテランが高卒ルーキーと比較される屈辱は相当なもの。『杉内、内海はアテにしない』なんて言っているのも、奮起を促すためでしょう」(同)

 ライバルである阪神タイガースの和田豊監督(52)は、関西系スポーツ紙の年始インタビューで「ピンポイントで弱点を補強した巨人は、大物選手が入るよりも怖い」と話していた。原監督は外部補強よりも、「選手の自覚を促す」という最も難しいかじ取りをラストイヤーで選択したわけだ。
 この覚悟が評価され、次期監督が決まらなかった際の“再々続投”の根拠ともなっている。
 「FA宣言した金子千尋(31=オリックス残留)に巨人が条件提示していたのは本当です。首脳陣が『ウチも…』と話していたのはリップサービスではなかった。ただし、3億円台の年俸しか提示していない。間違いなく、金子に興味を示した球団の中でワーストの条件です。杉内5億円、内海4億円。この2人を超える年俸は出さないとの方針によるもので、原監督の強い意向も影響していました」(前出・ベテラン記者)

 自覚を促し、ダメなら自分が責任を取るという覚悟は、嘆き続けてきた選手の“怠慢、肥満”だけでなく、長年課題だった“金満体質”をも変えたようだ。
 「原監督は指揮官を退いたとしても、編成担当としてチームに残ると思われます。原監督には日本中のアマチュア野球組織に通じる東海大グループのネットワークがある。今後、長嶋氏以上の影響力を持つかも」(同)

 一方、松井氏への正式要請が決まれば、長嶋氏がその役を買って出るだろう。松井本人にすれば本当に断れない状況となるのは必至だ。そしてゴジラ巨人が実現すれば、長嶋氏と現場との関係はより鮮明になる。
 この対立構図が巨人の近未来を決める−−。

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