「引退も視野に入れていたようですが、考えを改めたようです。欧州リーグ時代、出場機会を増やすために周囲は移籍を勧めましたが、レベルを落とすことをもの凄く嫌っていた。しかし、メルボルン・Vは強いチームではなく、リーグ全体のレベルも高くない」(専門誌記者)
本田は二刀流の選択を日本サッカー協会の田嶋幸三会長に事前報告していたという。
「田嶋会長は背中を押してくれたそうですが、本田が訪ねたのには理由があった。要するに、東京五輪に出たいんですよ。香川真司、岡崎慎司、長友佑都らもオーバーエイジ枠での出場を狙っています」(同)
本田は“カンボジア代表のGM業を行うことでOA枠の対象から外れることはないか”と確認したという。田嶋会長は断言こそしなかったが、本田を安心させたそうだ。もっとも、「影響が出る」と言われてもカンボジア代表の話は断らなかったと見る声も多いが、後日、田嶋会長は「日本とカンボジアは戦う可能性もある」と、他の協会幹部に言い直している。
「本田は実質的なカンボジア代表の監督でもあるため、つまりはこれでOA枠入りは完全に消滅したということ。その余波で、本田だけでなく香川たちもOA枠に選ばれる可能性も極めて低くなりました。田嶋会長は'22年のW杯を念頭に、東京五輪では一気に世代交代を進める。本田のフロント業は、その大義名分にも使われそうなのです」(関係者)
6月のW杯は平均年齢の高い選手構成だったが、代表監督の直前交代なども影響してのこと。世代交代を急ぐ田嶋会長の選択は、結果的にベテラン勢の本田への怒りを生むかもしれない。
“選手”と“監督”本田は2つのこの異なる仕事をどのようにこなしていくのか。カンボジア代表の実質的な監督として指揮を執る初戦は、9月10日にカンボジアのホームで行われるマレーシア戦と予想されている。
いずれにしても、若返りを狙う協会にとっては願ったりかなったりというところだろう。