高津臣吾監督
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スポーツ 2022年02月20日 11時00分
ヤクルト・高津監督「管理はしっかりとしなければ」 今季も独自の投手起用を継続? 成功のキーマンになり得る選手は
監督就任2年目で念願の日本一を達成した東京ヤクルトスワローズの高津臣吾監督。2022年シーズンは、自身が現役時だった1993年以来となるリーグ連覇に挑む。 昨季は、先発ローテーションの間隔を十分に空けるなど独自の投手采配でペナントを制し、ポストシーズンでもしぶとさは変わらず、2001年以来となる日本一をもたらした。 特に投手起用で目立った内容としては、シーズンを通してヤクルト投手陣で規定投球回到達者はゼロだった点だ。これは優勝球団では2019年の埼玉西武ライオンズに次ぐ、史上2球団目の記録となっている。また、高津監督就任初年となる一昨年のシーズンも、ヤクルトは規定投球回を満たした投手はいない。投手の分業制が顕著となっている昨今では珍しいことでは無いものの、パ・リーグ覇者のオリックスバファローズに3人の到達者が名を連ねたことと対照的な結果となっている。 一方で、そのオリックスとの日本シリーズでも、勝負どころで白星を手繰り寄せるための驚きの采配が見られた。第2戦では、それまで完投経験のなかった高橋奎二が9回まで投げ抜き完封勝利を挙げ、さらに初戦よりリリーフで打ち込まれていたマクガフを、第2戦を除きシリーズを通して最後までマウンドに送り続けた(5登板1勝2敗2セーブ)。 それらも含む、昨年の好結果を手に出来た要因として、投手コーチ時代を含めると今季が9シーズン目を迎える指導者としてのキャリアが裏付けとなっていることは明らか。所属選手の能力を知り尽くし、現役時リリーフ専門だった高津監督の独自色とも呼べる選手起用が今季も見られるのか、興味深いところだ。 そして連覇のカギを握るのも、やはり投手陣であることは間違いないだろう。その中でも先頭に立たなければならない存在として挙げられるのが、昨シーズン中盤から存在感を示し、今季もエースとしての役割が期待される奥川恭伸、そして昨年の日本シリーズで一気に飛躍を遂げた高橋。ともに、ポテンシャルの高さはすでに発揮されているだけに、今季は開幕からローテーションの中心でどれだけ白星を積み上げられるか、また、この2人が左右のエースとして、どこまで投球回数を重ねていくのかにも高い関心が寄せられている。 「ピッチャーは投げたがるもの。だからこそ管理はしっかりとしなければならない」。そう語る高津監督。再び、延長戦の戦いも行われる今季、リリーフ陣も含めた起用法にもさらに注目していきたい。(佐藤文孝)
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スポーツ 2022年01月11日 11時00分
ヤクルト、リーグ・日本一2連覇は中村次第か 奥川・高橋らが抱える難題解消へ高津監督も動く?
“4回連続のオープニング・ピッチャー”となるのでは? 東京ヤクルト・高津臣吾監督が日曜朝の情報番組に出演した(1月9日)。同番組のコメンテーターを務めるOB・古田敦也氏との話も弾み、高津監督はその場で今春キャンプの臨時コーチ役を要請。古田氏も二つ返事で快諾した。氏の臨時コーチは昨年に続き、2年連続となる。 >>ヤクルト・高津監督、“三冠”獲得の村上を酷評?「功労者なのに厳しすぎ」疑問の声、後半戦の伸び悩みに不満か<< 臨時コーチの話は、事前に了承を取っていたのだろう。いや、そんなことはどうだっていい。かつてのクローザーと正捕手の会話は、昨年の日本シリーズMVPにも輝いた中村悠平捕手に及んだ。「ビシビシと、どんどん鍛えてほしい」という高津監督の要請には、エース候補の育成も含まれていたようだ。 「高津監督がチームの勝利と同じくらい気に掛けているのが、奥川恭伸の育成です。今年は投球スタイルを変えていくと思われます」(プロ野球解説者) 高津監督は、奥川に年間25試合以上の先発登板を求めている。 昨年はチームトップタイの9勝を挙げたが、先発登板数は「18」だ。育成に関するチームの方針で中9日以上の間隔を空けたためである。この登板間隔はキャリアを積み重ねていくに従って、通常ローテーションの中6日に縮まっていくと思われたが、そうではなかった。 「奥川は『力投型』のピッチャーです。変化球で打ち取ることも覚えてきましたが、力任せな投球スタイルを改めないと…」(前出・同) 力投型は連投がきかない。力任せとは違う、オトナの投球スタイルに導くのが中村の役目だ。こんな指摘も聞かれた。 「セ5球団は中村を甘く見ていました。それも昨季の敗因の一つです。今季はかなり厳しくマークされるはず。中村自身が攻守で活躍しなければ、投手陣の信頼は勝ち取れません」(球界関係者) 中村の責任は重大だ。力投型にとって、脱力投球ほどコワイと感じるものはないという。そこを中村がメンタル面を含め、牽引してやらなければならない。昨季ブレイクした左腕・高橋奎二、ドライチルーキー・山下輝(法政大)に対しても同様だ。成長過程にある若手投手をレベルアップさせなければならない。できなければ、連覇は厳しいだろう。 「高津監督は奥川をエースに育て上げたいとの思いも強い」(前出・プロ野球解説者) 昨季の後半戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズの大事な初戦の先発マウンドを奥川に託してきた。その流れから、2022年の開幕投手も任せるのではないかとも予想されている。 20歳の若者に大役を任せるとすれば、やはり、正捕手・中村の責任も重大だ。 「開幕投手は、その年のチームの顔。看板投手が『中10日』ではチームの士気にも影響してきます」(前出・球界関係者) 奥川に開幕投手の大役を委ねるのか、臨時キャンプ終了後の古田氏を見れば分かるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年11月22日 11時20分
ヤクルト・高津監督がブルペンで投手を叱咤! 高橋の日シリ投球にも好影響? 春季キャンプで踏襲したノムさんの教えとは
「羨ましい」――。日本シリーズ第2戦、球場内でお会いしたプロ野球解説者がそう口にした。この日は東京ヤクルトの高橋奎二が完封勝利を収めた。 >>ヤクルト・村上、審判の三振判定に刃向かった?「こんなにゴネるなんて」打席内の態度に驚きの声、スランプの影響指摘も<< 敗れたオリックスも、先発・宮城大弥が8回途中まで投げ、失点1。両左腕投手が見応えのある投手戦を演じていた。「羨ましい」と言っていたプロ野球解説者は、投手コーチの経験もある。完投能力も高い左の先発投手がいれば、ローテーションの編成、リリーフ投手のやり繰りに悩まされることもない。プロ野球解説者はそのことを羨んでいたのかなと思ったら、少し違った。 「いやね、高橋はキャッチャーの構えたところにしっかりと投げ込んでいます。キャッチャーも、ラクだろうね。コントロールミスがないから、自身の出したサイン通りの配球ができています」 9回を投げ切って、高橋の出した四球は僅か2個。これだけ、コントロールが良ければ、守っている野手も守りやすいだろう。野手のエラーは集中力が途切れる時に生じるものであり、その原因はつまるところ、投手の制球難だ。ストライクを要求して「ボールカウント」になれば、その分、守っている時間も長くなり、余計なことまで考え出してしまうからだ。 そう言えば、今年の日本シリーズは野村克也氏の「ID野球」が取り上げられる機会も多い。高津臣吾監督がその教え子だからだが、このテンポの良い投手戦も「ID野球」が影響しているのかもしれない。 対戦チームのクセ、バッテリーの配球をデータ化し、それを実戦に活かす。そんな野球だった。しかし、ID野球とは、“ドロ臭い一面”も秘めている。 「野村氏は、ブルペン投球でも単に投げた球数を積み上げていく練習を嫌いました」(当時を知る関係者) 野村氏は投手陣全員の前で、ブルペン捕手を叱り飛ばしたこともあった。ボールを淡々と捕るのではなく、なぜ、このコースにしっかり投げ込んで来いと構えないのか、と。 「投手を直接叱るのではなく、彼らの前でブルペン捕手を叱り飛ばしたことで、練習にも緊張感が生まれました。投手たちはお世話になっているブルペン捕手に申し訳ないと思い、内角球なら、内角をしっかり狙って1球ずつ大切に投げるようになりました」(前出・同) それに“酷似”した場面を、ヤクルトキャンプで見せられた。ブルペン捕手が外角低めに構え、10球連続でそこへ投げ込む練習もされていた。6、7割が構えたところに行っても、高津監督、伊藤智仁、石井弘寿両投手コーチは許さなかった。また、コントロールを意識しすぎて、球速を落とそうとすると、叱っていた。 練習でできないことが、試合でできるはずがない。こういうドロ臭い一面が、ID野球や高津イズムの裏側にあったのだ。 高津監督は「第2戦を取れば、安心して帰れる」と試合前に語っていた。第3戦の舞台は東京ドームだ(セ・リーグ主催)。敗れて移動するよりも精神的にラクになるという意味だが、その裏には「中身の濃い練習をしてきた」の自負も含まれているのだろう。 第2戦の試合時間は2時間56分、今季のペナントレースの1試合平均の「試合時間」が3時間11分(9回試合のみ)だから、15分も短かったことになる。テンポの良い試合は観戦も飽きさせない。久々にセ・リーグチームが日本一に? そんな期待も抱かせてくれた。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年11月10日 11時00分
ヤクルト、ポストシーズン勝ち抜きは「絶対、大丈夫」ではない? 本拠地使用不可で悪夢再来の危機か
セ・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ(以下=CS)は、「球場」が勝敗のポイントとなりそうだ。 >>元近鉄・金村氏「ヤクルトロッテの日本シリーズ寂しい」発言に怒りの声 首位球団への“難癖”が物議、興行的には旨味アリと指摘も<< 「絶対 大丈夫」。ヤクルトファンにすれば、「何を今さら?」の心境だろうが、ペナントレース終盤からそんなプラカードを掲げる観戦者が目立つようになった。東京ヤクルト・高津臣吾監督がミーティングでよく使うワードで、それが終盤戦の快進撃と重なって、ファンの間でも定着したらしい。 「この球場に来ると、打てる気しかしない」 そんなことを口にするライバル球団のスラッガーは少なくない。 神宮球場は両翼97・5m、中堅120m。ファールゾーンの広さはカウントしていないので的確ではないが、甲子園球場は両翼95m、中堅118m。フェアゾーンだけなら、極端に狭いわけではないのだが、フェンスが低いからか、広い球場を本拠地としている広島、中日の選手には「長打が打ちやすい」という“錯覚”を与えている。 セ・リーグ出身のプロ野球解説者もこう続ける。 「神宮球場に行ったら、ホームランの出やすい空中戦になると想定し、戦略を立ててきました。走者を溜めたら大量失点にもつながります。野手陣は対照的で、フルスイングしていますが」 その神宮球場の特徴を最もよく知るヤクルト投手陣は必要以上に警戒し、痛い目に遭ってきた。 ヤクルト投手陣は高津監督の「絶対、大丈夫」の言葉に鼓舞されてきた。しかし、神宮球場がCSの勝敗に影響しそうな理由はそれだけではない。 「今季、神宮球場はこれが見納め」 ヤクルトは、日本シリーズに進出しても、神宮球場を使用できないのだ。 日本シリーズは11月20日、パ・リーグ覇者チームの本拠地球場で開幕する。23日から3日連続でセ・リーグ覇者チームの本拠地が使われるが、同時期に「明治神宮野球大会」も開催される。大学、高校の球児たちにとっても神宮球場は聖地である。 「ヤクルトが日本シリーズに進出しても、第3、4、5戦は東京ドームが舞台となります」(球界関係者) 東京五輪の影響で、プロアマともに今季は野球スケジュールが後回しにされた。そのしわ寄せである。 昭和の時代にも同じようなことが起きていた。1978年、大学野球のスケジュールと重なり、神宮球場が使用できず、後楽園球場がその舞台となった。思い出されるのが第7戦で、ヤクルト・大杉勝男の放った大飛球を巡り、「ホームランか、ファール?」で大モメとなった。一時間以上にも及ぶ猛抗議で試合が中断し、今も“NPBの黒歴史”として語り継がれている。 もしも、今年の大舞台がヤクルトとオリックスで争われることになったら…。オリックスは78年の猛抗議を行った阪急ブレーブスを前身とするチームである。 「ヤクルトは東京五輪の影響で約2か月間も神宮球場を使用できませんでした。“資材置き場”にされ、いたたまれない気持ちになったプロアマの野球関係者は少なくありません」(前出・同) その間、ヤクルトナインは練習場を確保するのにも苦労させられていた。セ・リーグの日本シリーズ進出チームを決める舞台・神宮球場で、波乱が起きるのではないだろうか。「絶対 大丈夫」の神通力は? (一部敬称略/スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年10月27日 11時20分
6年ぶりVのヤクルト、高津監督の個性的な打順編成に勝因アリ 解説者も脱帽した助っ人起用の“エッセンス”とは
東京ヤクルトスワローズが6年ぶり8度目のリーグ優勝を果たした(10月26日)。先に試合を終え、「2位阪神が敗れたら」という状況が続き、球場待機していたせいもあるが、胴上げシーンは独特だった。 ゆっくりとグラウンド中央に集まり、高津臣吾監督ら首脳陣も後から歩いて出てきた。体をぶつけ合うようにして喜ぶのではなく、“適度な距離”を保ちながら、ちょっと遠慮ぎみに胴上げが始まった。 コロナ禍、オリンピック・ブレイク…。今季が特異なシーズンであったことを再認識させられた“大団円”となった。 「高津監督に謝らなければ。シーズンが始まる前の順位予想で、解説者のほとんどがヤクルトを最下位にしていました」 複数のプロ野球解説者がそんなことを口にしていた。 >>ヤクルト・村上、審判の三振判定に刃向かった?「こんなにゴネるなんて」打席内の態度に驚きの声、スランプの影響指摘も<< 順位予想を覆した“高津采配”について聞いてみると、4番・村上宗隆の成長を挙げる声が返ってきた。 「打順編成が巧い。簡単なことなんだけど、気が付きそうで気付けなかったエッセンスがあって」 そのエッセンスとは、サンタナとオスナの並べ方だ。 5番・サンタナ、7番・オスナ。優勝が決まった26日の打順である。 そもそも、高津監督の悩みは「5番バッター」だった。4番・村上の後を打つ選手がしっかりしてくれなければ、村上が四球で歩かせられてしまう。サンタナ、オスナの獲得はそれを解消するためでもあったが、興味深いのは、その両外国人選手の打順の間に“別選手”を挟んできたことだ。 「数える程度ですが、両外国人選手を並べた試合もありました。主に捕手の中村悠平が両外国人選手の間に入っていました。中村は打撃では期待されていなかった『守備の人』。でも、捕手を務めているだけあって、野球をよく知っています」(プロ野球関係者) 両外国人選手を並べたら、「攻撃のサイン」が出しづらくなる。 どういう意味かと言えば、外国人選手は打撃力を買われて来日してきたのであって、彼らにもそのプライドがある。その常に打つ気満々の選手に「右方向への進塁打」「エンドラン」のサインは出せない。 そんなチームバッティングができる“小技の日本人選手”を挟んで、外国人選手が自由に打てる打順が出来上がったのだ。 「高津監督はノートを持ち歩いています。現役時代に書き留めたノートの写しだと聞いていますが」 チーム関係者の証言だ。 「野村ノート」の写しだろう。故・野村克也氏が指揮官だったころ、ヤクルトナインをミーティング漬けにしたのは有名な話。名将の教えを見直していたというよりも、自身の采配の是非をそのノートを見ながら、自問自答していたそうだ。 昨季、そして、今季前半は勝利につながらない試合も多かった。それでもチームを大きく動かすことはしなかった。恩師の教えに救われた部分も大きいが、そこから、高津監督は「ブレない」という自分流を構築してみせた。「野村ノート」にプラスアルファを加えた、それが勝因である。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年10月11日 11時00分
ヤクルトスカウト陣がドラフト直前に大慌て? 優勝争いの裏で起きている異変、高津監督の意向も影響か
まるで、“テスト前の一夜漬け勉強”のようだ。10月11日のプロ野球・ドラフト会議に向け、どの球団も頭を抱えているという。特に、東京ヤクルトは混乱を極めた。異例の3日連続でのスカウト会議を開き、約70人の指名候補選手の映像を見直したそうだ。 >>元近鉄・金村氏「ヤクルトロッテの日本シリーズ寂しい」発言に怒りの声 首位球団への“難癖”が物議、興行的には旨味アリと指摘も<< 「(ドラフト会議の)直前で(1位入札選手名を)発表できるかもしれない」 これは、先日10日、球団スタッフの一人が待ち構えていた取材陣にこぼしたセリフ。その表情は、まさに疲労困憊といったところだった。 プロ野球のスカウト陣がドラフト直前になって慌てるなんてことは、初めてではないだろうか。 理由は、いくつかある。まず、コロナ禍で中止に追い込まれた大会もあり、視察機会が激減したこと。また、感染防止の観点から練習時間を大幅に減らした学校も少なくなかった。 「東京五輪の影響で変則日程となり、ドラフト会議も例年よりも2週間近くも前倒しとなりました。視察機会が減った上に時間まで削られて…」(在京球団スタッフ) しかし、ヤクルト球団が最終チェックに苦しんだ理由は、それだけではなかった。 「現場から左投手の指名を強く言われています」(関係者) 目下、一軍で先発登板しているのは、石川雅規と高橋奎二。石川は41歳だ。シーズン途中から田口麗斗がリリーフにコンバートされたのもブルペン陣に左投手がいないからだ。「昨年のドラフト会議で早稲田大学の早川隆久(現楽天)を入札し、抽選で外れました。2回目の入札でも法大の左腕・鈴木昭汰(現ロッテ)の獲得を狙いましたが、失敗しています。そのツケも大きい」(前出・同) 優勝カウントダウンは始まったが、左投手の補強は急務である。高津臣吾監督は苦しい継投策を強いられてきた。 即戦力と称される好左腕は何人かいる。西日本工大・隅田知一郎、筑波大・佐藤隼輔、三菱重工West・森翔平らがそうだが、前出のチーム関係者がこんなホンネもこぼしていた。 「隅田、佐藤、森、みんな良いピッチャーですよ。でもね、急に良くなったんですよ。彼らの努力によるものだと思いますが、急成長したピッチャーってのは『勢い』だけで投げているところもあるので、実力がホンモノかどうか分からないんです。今年は見極める時間、機会が少なかったし」 今年は“急成長タイプ”が多いそうだ。 一般論として、プロ野球全球団のスカウトは大学生の指名候補なら高校時代のデータを、高校球児なら中学時代の調査書も持っている。極端なことを言えば、10代前半で見つけた逸材がどの学校に進み、どんな風に成長していくかを見守るのがスカウトの仕事である。急成長した選手については10代前半を見ていないので、データが少ない。 ヤクルトのスカウト陣が映像の“直前チェック”をしなければならなかった理由は、この辺にある。「隅田クンに指名が集中しそうですね。指名重複による抽選は必至」(スポーツ紙記者) ドラフト直前情報として、そんな声も多く聞かれた。 2年連続で1位入札の抽選クジを外したら…。高津監督は優勝しても心底から喜べないだろう。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年03月02日 11時05分
ヤクルト・高津監督、廣岡トレードは事後報告だった? フロント主導で実現もブルペン陣は渡りに船か
「田口獲得」を高津臣吾監督は知らなかった!? キャンプ打ち上げの翌日(3月1日)、巨人、東京ヤクルト両球団が、田口麗斗投手と廣岡大志内野手の交換トレードが成立したことを発表した。 もう少しだけ詳しく言うと、ヤクルトが午前11時前にメディア・リリースを流し、各社の問い合わせに応じながら巨人側も正式なリリースを出した。こうした動きを見ると、今回のトレードは「ヤクルト側が仕掛けた」と思われたが、実際は違った。両球団が話し合いを行っていた過程で、この2人の名前が出たそうだ。 「前日のうちに田口はキャンプ地から帰京していました。発表当日の午前中、都内の球団事務所でスタッフにも挨拶をしています。田口は笑顔で挨拶をし、『原監督にも電話を入れた』と話していました」(球界関係者) 活躍のチャンスが広がるという意味で、田口も前向きになれたのだろう。 このトレードの交渉役だが、巨人側は大塚淳弘副代表。昨年末の人事異動で「編成・スカウト担当」から「編成本部長・スカウト担当」に“昇進”しており、トレード推進論者である原辰徳監督の腹心的存在だ。 「ヤクルトは小川淳司GMです。ヤクルトは先発投手の頭数が足らない状況で、前ソフトバンクのバンデンハークを緊急獲得しました。それでもまだ足らないとし、巨人側にトレードを申し込んできました」(前出・同) 双方の話し合いの中で、田口の名前が出てきた。ヤクルト側は「まさか、このレベルの投手を出すのか!?」というのが第一印象で、それに釣り合う交換要員を出せるのかどうかを恐れ、身構えたそうだ。 しかし、巨人サイドから廣岡の名前を挙げられると、交渉が一気に加速した。高津監督には事後報告となったそうだ。 ヤクルトに詳しいプロ野球関係者がこう説明する。 「新人の元山飛優(東北福祉大)はショートのレギュラーを獲るんじゃないかな。これがまず、将来の大砲候補だった廣岡を出すと決断できた一番の理由でしょう。他にもショートを練習させていた野手が3、4人います。オフに内川聖一を獲得しており、右の代打という面でも廣岡は活躍の場を失いつつありました」 巨人は岡本に次ぐ右の大砲として廣岡を育てていくつもり。先の関係者によれば、「外野の練習もさせる」という。巨人の外野手は左バッターが多い。右の大砲タイプとして育てていくのなら、廣岡にとっても今回の移籍で出場機会も増えそうだ。 >>巨人田口・ヤクルト廣岡のトレードに藤川氏ら球界OBが期待 ファンは驚きも両球団には勝算アリ?<< 「いや、原監督は以前から廣岡を欲しがっていたとも聞いています。巨人選手に例えて説明すると、岡本はホームランを狙ってスイングしますが、坂本はヒットの延長がホームランというタイプ。廣岡は岡本のようなタイプです」(前出・球界関係者) 余談だが、岡本と廣岡は智辯学園の一学年違いの先輩後輩。同校は冬のトレーニング期間で1メートルの竹バットを使い、徹底的に振り込んで打撃スタイルを作り上げていく。原監督が廣岡の長打力にもほれ込んだのなら、いっそ、同校の練習を取り入れてみるのも一案だ。「シーズン中も仕掛けていく」なる情報も飛び交っている。廣岡に次ぐトレードの第2弾が開幕直前に飛び込んできそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年02月16日 11時10分
助っ人5人態勢のヤクルトがバンデンハーク補強に動いたワケ 首脳陣の思惑は大外れ? 新人投手の起用法にも影響か
緊急獲得へ。これも、“コロナ被害”と言っていいだろう。 東京ヤクルトスワローズが前福岡ソフトバンクホークスのリック・バンデンハーク投手の獲得を狙っている。というか、関係者の話を総合すると、すでに交渉を開始しており、球団サイドも手応えを感じているそうだ。 「昨季のバンデンハークは2勝しか挙げていません。近年は外国人選手枠の問題や故障で登板機会も減っていて、ソフトバンクも契約を更新しませんでした」(スポーツ紙記者) ヤクルトは、補強費がたっぷりあるというイメージではないのだが…。 今季は前アストロズのサイスニード投手を始め、正三塁手候補として前パイレーツのホセ・オスナ、前インディアンスのドミンゴ・サンタナ外野手と3人の新外国人選手を獲得。アルバート・スアレス、スコット・マクガフの両投手も残留させており、「助っ人5人体制」となっている。 また、忘れてはならないのが、山田哲人内野手、小川泰弘投手のFA慰留にもそれなりの出費が掛かったこと。現在、支配下登録選手65人の総年俸は27億9800万円(推定)。前年比104%。つまり、コロナ不況下であっても、最下位脱出のため、「出費も止むなし」と判断したのである。 >>ヤクルト・真中元監督、年配解説者に激怒? 監督時代に受けた“適当な指摘”を暴露「あなたキャンプ来てないから!」<< 昨季のバンデンハークの推定年俸は3億円。さらに新外国人投手を獲得するとなれば、経営的には大打撃だ。 「新型コロナウイルスの影響で外国人の入国が制限されています。どの球団もそうですが、新たにNPB入りする外国人選手は『開幕戦に間に合わない』と予想しています。でも、新外国人選手と契約時は、新型コロナウイルスによる2度目の緊急事態宣言で入国の目処も立たないとまでは予想できませんでした。ヤクルト首脳陣は、『一軍戦で使うこと』を前提にサイスニードたちと契約したので、その影響が大きい」(プロ野球解説者) 他球団は来日が遅れている外国人選手の代役を新人選手などで補う予定だ。ヤクルトのドラフト1位・木澤尚文投手(慶大)も評判が良い。 しかし、こちらもチーム事情でフル回転とは行かないようだ。 「新人投手が故障する傾向があります。もちろん、高津臣吾監督の計算に入っていますが、無理はさせられません」(前出・同) 予想される先発ローテーションは、小川、石川、サイスニード、スアレス、マクガフ、高梨、高橋、木澤、2年目の奥川。サイスニードが来日遅延で、石川は41歳。小川は昨季2ケタ勝利数を挙げたが、規定投球回数には到達していない。奥川、木澤は“未知数”だ。バンデンハークの獲得は“新人酷使”を防ぐ意味合いもあるようだ。 OB・古田敦也氏の臨時コーチで、春季キャンプは活気づいていた。特に、古田氏がブルペン入りした時は盛り上がっていたが、高津監督の胸中は複雑だったようである。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年10月16日 11時15分
ヤクルト、今オフコーチ陣を大シャッフル?「他意はない」高津監督の言葉は激震の前触れか
「チーム再建」とは、本当に難しく、長い時間を要するもののようだ。 今季、セパともに最下位チームが「2年連続」となる可能性が高い。パ・リーグのオリックスバファローズは中嶋聡監督代行の指揮官昇格が近く発表されるとのことで、「新監督=雰囲気一新」という相乗効果も期待できそうだが、東京ヤクルトスワローズは「厳しいオフ」となりそうだ。 >>引退のヤクルト・五十嵐に「信じられない」内川ら球界人から惜別相次ぐ“速球一筋”23年の歩みに称賛<< 一部メディアが球団幹部の匿名コメントとして、今季国内FA権を取得した山田哲人内野手、小川泰弘、石山泰稚の両投手の慰留説得を開始したことを伝えていた。山田は打線の核、小川は先発ローテーションの主軸、石山はクローザーだ。投打の中核選手を同時に喪失するようなことになれば、チームは完全に崩壊してしまうだろう。 しかし、こんな意見も多く聞かれた。 「シーズン途中に『オフの話』をするのは、当たり前のことなんですよね。FA権を取得した選手に対しては、前年から慰留して意思を確認します。他の選手に対しても、同様です。オフの契約更改に向けて、フロント職員は希望額を聞き出し、また、厳しいダウン提示になりそうな選手にも妥協できるダウン幅を確認しています」(ベテラン記者) 選手とフロント職員が「非公式」の名目で今後の話をするのは、恒例行事というわけだ。むしろ、山田たちの慰留の話が表沙汰になるほうが、「流出の可能性は高い」と読む関係者も少なくなかった。 「昨年オフ、球団は今季のFA権取得を見越して複数年契約を提示したが、山田たちがそれを辞退した時点で『アブナイ』と察し、以後、必死の慰留が続いていると…」(前出・同) 慰留の下交渉よりも意味シンな出来事が起きていた。10月14日のDeNA戦以降、高津臣吾監督はコーチ陣の“配置転換”に踏み切った。ブルペン担当だった石井弘寿投手コーチと、斎藤隆投手コーチを入れ換えている。 高津監督は「他意はない」と説明していたそうだが、こんな見方もできる。早急にチーム再建の足場を固めなければならない、と…。 一軍コーチの中で現役時代にヤクルトのユニフォームを着たことがないのは、斎藤コーチだけ。旧ベイスターズ、メジャーリーグ、楽天と渡り歩いており、独自の調整法やトレーニング理論を持っている。高津監督がそれを認め、球団にお願いする形で同コーチを招聘した。自身の参謀役でもあり、そのコーチをベンチから外すということは“外部による軋轢”もあったのではないだろうか。 「チーム防御率4・81(15日時点)は、12球団ワーストです。先発投手が試合序盤から失点するケースが続いているからですが、腹心である斎藤コーチをブルペンに行かせ、投手陣の調整方法を改善させようとしたのか、『高津・斎藤体制』にメスを入れられたのかのどちらかでしょう」(球界関係者) 複数のチーム関係者にも確認してみたが、高津監督の3年契約に変更はないそうだ。その3年契約を全うさせるため、二軍を含めたコーチ人事の配置換え、あるいは一部入れ換えも行われるかもしれない。 山田たちの慰留問題も大事だが、その裏でコーチスタッフの大シャッフルも行われそうだ。ヤクルトのオフは大揺れとなるか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年07月15日 11時45分
ヤクルト・高津監督、最下位予想から一転「台風の目」に! 評価急上昇の裏にノムさん仕込みの采配か
首位陥落。しかし、負けて得るものもあったのではないだろうか。 敵地・甲子園球場で迎えた対阪神4回戦に敗れ、東京ヤクルトスワローズの連勝は1分を挟み「4」でストップ。僅か2日で首位を明け渡してしまった。まだ、順位について語るのは早いが、巨人、DeNAの上位チームが同日、3連戦の初戦を取っており、「戦力の差」も明らかになった。 「ヤクルト、そして、高津臣吾監督の評価を上方修正しなければなりません」(球界関係者) 開幕前、高津ヤクルトを最下位に予想するプロ野球解説者も少なくなかった。40歳の石川雅規が先発ローテーションの主軸で、在籍9年で288発の本塁打を放ったバレンティンの抜けた穴も補強されなかった。上方修正の理由の一つに、「この戦力でよくやっている」という評価もあるのだが、それだけではない。高津監督はチーム編成でもっとも重要とされるセンターライン(捕手、二遊間、中堅手)を強固とし、今もなお、それが崩れていないからだ。 「捕手の嶋、二塁の山田、遊撃のエスコバー、中堅は塩見か、山崎。巨人は正捕手の小林を故障で欠いた後、遊撃の坂本も脇腹を痛めてしまいました。それに対し、高津監督はベテランの青木を休ませるなどし、選手を上手に使い分けています」(前出・同) ヤクルトは控え選手層が厚い方ではない。主力選手の故障がそのまま敗北に直結する危険性もあり、「怪我をさせないように」という選手操縦は、チームの弱点を見事に補っている。しかし、こんな情報も聞かれた。 「ドライチルーキーの奥川恭伸ですよ。高津監督はメディアの前でこそ、デビュー登板に慎重なコメントに徹していますが、本当は早く使いたくて、周囲が諫めているんです」(プロ野球解説者) 高津監督が独立リーグ・新潟で選手兼監督を務めていた時代、筆者がその采配を取材したことがあるが、当時、どの選手からも聞かれたのは「高津監督の指示は分かりやすい。練習中のアドバイスもピンポイントで指摘してくれて…」だった。 選手の特徴を生かすのは、野村克也氏に学んだものなのかもしれない。故人に強い影響を受けたことは間違いないが、首位陥落となった7月14日の阪神戦後、高津監督はこんなことも口にしていた。 「いろいろ対策はしているんだけど、向こうも対策してくる。簡単ではないですね」 阪神の先発・秋山拓巳に対して出たセリフだ。秋山には前回、6月25日にも7回途中まで無失点に抑えられている。この日は初回に2点をもぎ取ってみせたが(6回3失点)、秋山に対してヒットは3本しか打っていない。苦手意識を持ったと言っていい。 「ヤクルトは対戦投手のクセ、バッテリーの配球の傾向を読み、対策を講じるのは巧いんです。それは野村氏の遺産です。でも、相手バッテリーが途中で修正してくると急に対応できなくなる」(前出・関係者) 野村氏はデータ分析に長けていたが、「最後は選手」と言って、選手の感性も大切にしていた。高津監督はセンターラインを固め、ベテランの多いチームを怪我なく、プロデュースしている点はさすがだが、自軍のデータ分析を逆手に取られた後の対応がまだできていないようだ。高津監督がもう一歩階段を上った時、そして、奥川登板にゴーサインが出た時、ヤクルトがペナントレースの台風の目となるだろう。(スポーツライター・飯山満)
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