戦争
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社会 2023年08月19日 19時03分
「おぐらが斬る!」徴兵逃れ、ワイロ、西側諸国の支援疲れ、戦争が続くのはゼレンスキーのわがままか
日本は西側陣営に属しているので、日本のメディアは「悪いロシア、正義のウクライナ」といった情報しか入ってこない。だがハンガリーのメディアなどは「1939年のソ連がフィンランドを侵攻した「冬戦争」では、フィンランドは10%もの自分の領土をソ連に、明け渡すことで平和と独立を勝ち取った。ウクライナも、いま侵攻され支配されている領土を、ロシアに明け渡すことで、平和と独立を勝ち取るべきだ」という意見が出ている。これはハンガリー以外のNATO加盟国にも「ゼレンスキーは領土を諦めるべきだ」という意見が少なからず出てきている。当たり前だ。西側諸国の中には「(ロシアだけではなく)ウクライナのせいで」物価が上がり、日々の暮らしが大変になっている人たちがたくさん出てきているのが事実。そもそも元々コメディアン上がりで政治、特に内政には素人であったゼレンスキーの支持率がどんどん下がってきたため、ゼレンスキーが「クリミアはウクライナの領土だ。取り返さなければいけない」とかいって、ロシアをずっと挑発してきたのだ。またいまロシアに侵攻され実効支配されている東部地域は、侵攻以前から反ロシア派と親ロシア派の武装勢力で内戦状態にあった地域だ。言ってみれば「ロシアに侵攻させるスキを作ったのは、ゼレンスキーじゃないか」という見方をする西側諸国の人たちは少なくない。だからといってロシアの侵攻を許すわけにはいかず支援をしているが、それもそろそろ疲れてきた。いくらウクライナを支援しても、ウクライナは戦争前から世界トップクラスの「汚職大国」で、いまでも支援物資や支援のための資金が横流しされたり、横領されたりしているのだ。ついこの前の8月11日も、ゼレンスキー大統領がウクライナ保安庁の捜査の結果、全国の徴兵担当者33人を112件の罪状で訴追したと明らかにしたばかりだ。なんでも徴兵担当者は、対象者から現金や暗号資産を受け取り、徴兵逃れを行っていたという。今年1月には11人もの政府高官が、汚職のため辞任もしくは更迭されている。だが、これらは氷山の一角に過ぎない。そんな国であるから、徴兵の召喚状が来ても、医者にワイロを渡して病人や障がい者の証明書を出してもらうなどといったことが後を絶たない。しかしゼレンスキーは「もっと金と兵器をくれ」「クリミアを奪還するまで戦争はやめない」と言ってやまない。自分の政治生命がかかっているからだ。こんな自分の国もちゃんと治められない大統領や、いくら支援をしてもワイロで消費されるような国に、いつまで味方して、我々は物価高に苦しまないといけないんだという西側諸国の大衆が増えてきた。みなさんはどうお考えだろうか?プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年08月10日 19時35分
「おぐらが斬る!」ウクライナ戦争 ドローンが戦い方を変えた
昨年2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻してきたとき、戦車や歩兵といった何とも20世紀型の戦争をやっているなと思ったものだ。当初数ロシアの攻撃からウクライナを守ったのは、米国製の対戦車ミサイル『ジャベリン』などの携帯型ハイテク兵器たちだ。それが少しずつドローン(無人機)が活躍しはじめ、ついにはウクライナ軍が無人艇、つまり海上ドローンでの攻撃まで試みるようになった。まだウクライナの正規軍のものかどうかわかっていないが、モスクワで再三繰り返されているテロ攻撃もドローンだ。ロシア侵攻前には、ドローンがこれほど使えるとは、ほとんどの人は考えていなかっただろう。いまや戦場でドローンは欠かせないものになっている。それがいまや海上でも使われるようになった。ウクライナ戦争でドローンが戦争の姿を変えたのだ。そもそもなぜドローン兵器が開発されたかというと、戦場で兵士の犠牲を少なくするためだ。民主主義国家の場合、兵の犠牲者が増えると世論が戦争反対に動く。これを防ぐためだという。それに安く作れる。安価な自爆型ドローンが戦車を破壊してしまうのだ。今年の3月末、ウクライナは世界初の「ドローン専門部隊」を結成すると発表。約720億円をドローンの調達にあてる計画で、兵員の損失を抑え、数で圧倒するロシアに対抗する予定であるという。さらに、ロシアのドローン攻撃をドローンで防ぐ技術を開発中で、これは官民協力して行っており、6月には新たなドローンを発表した3つのチームに、合計4億2000万円を贈呈したと発表。ウクライナはいま、国産の軍事ドローンを量産しようとしている。この官民一体の開発プロジェクトの中心人物は、民間出身のフェドロ副首相兼デジタル大臣である。フェドロ副首相は弱冠32歳だ。この人物は有能で、どこかの国のデジタル大臣とはちょっと違うらしい。フェドロ氏はウクライナ史上最年少の閣僚で、侵攻後は「ドローン調達計画」を監督。いわゆる「技術オタク」のような人なども集め。多くの中小企業を参入させ、作業場所を分散することで、ミサイル攻撃を受けても大規模な被害を受けないようにしているという。いまウクライナ軍もロシア軍も、まず上空にいるドローンを叩かないと、前に進めないほどドローンは重要な兵器になった。いまやドローンは偵察や攻撃だけでなく、上空から傷ついた兵士を探し出し、水や薬を落とすといった人命救助にまで使われている。またドローンが戦争などに非常に有効であるとわかったいま、世界中のテロリストがドローンを使ってテロ行為を行うようになるに違いない。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年07月03日 22時01分
「おぐらが斬る!」完全に打倒か、どこかで妥協か、戦争の終わらせ方
かつて筆者が「平和について考えるシンポジウム」のような集会に出席したとき、ぼくが「戦争についてもっと研究すべきなんじゃないか」とか「戦争がはじまってしまったとき、どうやったら戦争を終わらせることができるのかを研究すべきだ」と発言した。すると自称「平和主義者」と称するご老人が、大いにお怒りになり「戦争なんてものを考えること自体が、間違っているんだ」とおっしゃり、あきれ返ったことがある。平和について考えるというのは戦争について考えるということが、この自称「平和主義者」さんには理解できないらしい。さて、戦争の終わらせ方だが防衛省防衛研究所主任研究官の千々和泰明氏によると、「現代の犠牲」と「将来の危険」を天秤にかけるという。これは朝鮮戦争を例にとればわかりやすい。朝鮮戦争は「現代の犠牲」を重視して、1953年に38度線で妥協して手を打った。しかし「将来の危険」は、現代に至るまで70数年間も続いている。その一方「現代の犠牲」よりも「将来の危険」を重視した場合、戦争を中途半場に終わらせず圧倒的に打倒して、無条件降伏させてしまうことだ。第二次大戦のときに連合国がドイツにやったごとくである。そのため犠牲は増えたが、無条件降伏を勝ち得たことで、その後、米国をはじめとする連合国側とドイツとの戦争は起こっていない。これをいまのウクライナ戦争に当てはめれば、ロシア側から見ればウクライナを完全に属国化させることで「将来の危険」を封じたい。そもそもロシアがウクライナに侵攻したのは、ウクライナの西側寄りを阻止するためだ。しかしウクライナ側の抵抗で「現在の犠牲」が増えているところである。現在、当初の目的であった、ウクライナのロシアへの完全属国化は、とても難しくなっている。よって戦争を終わらせるためには「将来の危険」を残してでも、どこかで妥協しなくてはならない。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの侵略がはじまった「2022年2月24日以前の状態にまで戻せば」と言っているが、それだとロシアからすれば、犠牲のみでプラマイゼロ。とても妥協はできまい。またプーチン大統領の性格からいっても、妥協をするとしても自分のメンツを保てるだけのものがなければ、終戦どころか休戦も許さないだろう。よって、この戦争はまだまだ終わりそうにないようだ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年06月26日 22時00分
「おぐらが斬る!」ワグネルのモスクワ進軍の理由と、世界に恥をさらしたプーチン
プリゴジン氏率いる民間軍事会社「ワグネル」が、突如戦場を放棄、首都モスクワへ向けて進軍を開始した。ワグネルはウクライナ領の激戦地バフムトから、ロシア領のロストフ州に進軍、さらに北上、ボロネジ州へと向かい、ボロネジ州にあるすべての軍事施設をあっという間に占拠した。その後も北上しモスクワを目指していた。この異常事態にプーチン大統領は、ロシア国民に向け緊急演説を行い「ワグネル」と直接名指しはしないものの「これは裏切りである」として、ロシア軍や治安部隊に鎮圧を命じたのだ。ここに割って入ったのが、ベラルーシのルカシェンコ大統領だ。おそらくプーチン大統領からの依頼だろうがプリゴジン氏と電話会談を行い、プリゴジン氏は「流血を避けるため」として進軍をやめた。いったい何が起こっていたのか? ワグネルはわずかな時間でモスクワまで200キロの地点まで進軍した。これは、ロシア軍がほとんど無抵抗のまま進軍を許したということでもある。現在、ロシアの正規軍は、ウクライナ東部の最前線で戦闘中だから、持ち場を離れることができなかった。そしてロシア国内の軍も、ワグネルを阻止するだけの戦力を用意できなかったということだ。「ワシントン・ポスト」によると、プーチン大統領は少なくとも24時間前に、この反乱を知っていた」と報道している。プーチンは、チェチェンのカディロフ将軍を、ワグネルに当たらせようとしたが、間に合わなかったという報道もある。ワグネルもチェチェンの軍隊も、ロシアの正規軍ではない。もしこの両軍が激突していれば、どうなったことか。そして実質、ワグネルの進軍を止めたのはベラルーシのルカシェンコ大統領と、ワグネル創設者のプリゴジン氏の電話会談だ。つまり、正規軍ではなく外国の軍や外国人に仲介を頼まねばならないほど、プーチン大統領の影響力は弱くなっているのだろう。それもワグネルは国ではない。民間企業の反乱に、ルカシェンコという外国の大統領に、仲裁してもらわねばならないとは。そしてプリゴジン氏は、本来なら国家反逆罪のはずなのに無罪放免だ。プーチンは世界に恥をさらしたことになる。プリゴジン氏の反乱理由は、ワグネルなど40ある民間軍事会社が、6月1日にロシア国防省に吸収される予定を阻止することにあった。もし吸収されれば、プリゴジン氏はワグネルを失うことになる。ワグネルはアフリカなどの政情が不安定な国々に、軍事支援を行っている。そういう国では、えてして汚職など不正が横行しているもので、ワグネルはそれらの国の鉱山や石油などの、利権に侵入して利益を出してきた。プリゴジン氏がワグネルを失うということは、その利権や利益も失うことなのだ。プリゴジン氏も追い詰められていたということだろう。プーチン大統領は、これまで裏切り者を許さなかった男だ。この記事を書いている時点で、プリゴジン氏の消息は不明である。隣国のベラルーシに向かうと思われているが・・・プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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その他 2023年06月10日 22時01分
「おぐらが斬る!」戦場での殺人は平気なのか いまも兵士は心を傷つけながら戦っている
いまも戦争が行われている。戦争には人を殺すという行為が伴う。元米陸軍士官学校教授のデーヴ・グロスマンの著作『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫)によると、第二次世界大戦のとき、米兵士は「敵との遭遇戦に際して、火線に並ぶ兵士100人のうち、平均してわずか15人から20人しか「自分の武器を使っていなかった」のである」と、書かれている。この本によると「人は自分が殺される以上に自分が人を殺すことを恐れる」というのだ。著者によると、人間は本来、人殺しを拒む本能があるという。しかし兵士が戦場において、人殺しを嫌い、戦闘中15~20%の兵士しか発砲しなかったとなると大問題である。これに驚いた米軍は、標的を丸型から人型にしたり、考えずに撃てるようにするなど射撃訓練をよりリアルにして、人を撃てる兵士を育てることにした。すると第二次大戦のときは15~20%だった発砲率が、朝鮮戦争では50~55%になり、ベトナム戦争では95%に上がったのだ。こうして人殺しに抵抗がなくなった兵士たちが、母国に帰還し、抵抗なく人を殺す殺人犯になるかといえば、そうではないらしい。イラクやアフガンの帰還兵は、戦争に参加しなかった同世代の若者に比べて、むしろ殺人率が低いそうだ。それは戦争というルールのもと、国家や上官の命令でやっているということであって、一般社会の殺人とは根本的に違うという。それでも戦争という異常な状況によって、精神を病んでしまう兵士もいる。第二次大戦中の日本では、その病気のことを「戦争神経症」と呼んでいたが、「皇軍にはそんな臆病な兵士はいない」とされ、長く表に出てくることはなかった。欧米においては第一次世界大戦あたりから、兵士の戦闘における精神疾患は研究されてきたが、本格的にはベトナム戦争の帰還兵が、深刻な心理的障害を起こすことから、研究されるようになった。ここからPTSD (心的外傷後ストレス障害・post traumatic stress disorder)といった心の傷の研究が進んでいく。戦争における心の傷は、うつ病や不眠、幻聴などの幻覚、激しいけいれんや震え、アルコール依存などが症状としてでる。さて最初に第二次大戦のとき、戦場での発砲率は15~20%だと書いた。そして様々な訓練を経てベトナム戦争では95%の兵士が敵に向かって引き金を引けるようになった。その結果、ベトナム帰還兵に殺人経験者が著しく増えることになった。同時にPTSDなど心に傷を負う帰還兵が増えた。たとえ戦場とはいえ殺人行為をすると、人の心はひどく傷つくのだ。いまもウクライナなど世界のどこかで戦争や紛争で戦っている人たちがいる。その人たちも肉体だけではなく心も傷つけあいながら戦っていると思うと、1日も早く平和な日常が戻ってほしいと願うばかりだ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年05月10日 22時05分
「おぐらが斬る!」ロシアパレード旧式戦車1両のみ 弱体化するプーチンの権力
モスクワで開かれた対ドイツ戦勝記念パレードで、兵士の行進のあと登場したのは。第二次世界大戦で使われた旧式戦車「T-34」1両のみであった。これにはさすがに驚いた。ロシア地上軍の主役は戦車なのだ。昨年のパレードでは最新鋭戦車「T-14アルマータ」など20両。それが今年は骨とう品のような戦車がたった1両。これまであった戦闘機の飛行ショーもなかった。このパレードはロシアの現状をよく物語っている。ロシアの地上軍がいかに弱体化しているかを隠し切れず、全世界にさらしてしまったのだ。さらに祝典前日になって急遽呼ばれたのが、旧ソ連諸国の首脳たちだ。元々キルギスは招待されていたが、今回はカザフスタン・アルメニア・ベラルーシ・ウズベキスタン・タジキスタン・トルクメニスタンと、7か国の首脳が出席した。パレードで旧型戦車1台のみというのは、ロシア国民に「最新鋭の戦車たちはウクライナで活躍していて大変なんだ」というメッセージ。旧ソ連諸国の首脳たちが急に呼ばれたというのも「ロシアは孤立していない」というアピールと言われているが、とても成功したとは思えない。去年の軍事パレードは28の都市で行われていたが今年はわずかに5カ所であった。そして今回、愛国心に訴える重要行事「不滅の連隊」が中止になった。これは第二次大戦やウクライナで亡くなった兵士の遺影を掲げ行進する国民行事のようなものだ。しかし中止。中止の理由は「テロなどが相次いでいるので安全のため」だという。だが、本当の理由は、ウクライナでの戦死者があまりにも多いため、厭戦気分を煽らないようにするためだと言われている。パレードの縮小も、安全のためだというが、もしかしたら先日起こったクレムリンへのドローン攻撃は、パレード縮小の言い訳をするための自作自演であった可能性が高い。もし自作自演でなかったら大失態であるはずだ。しかしショイグ国防相もゲラシモフ参謀総長も誰も罰せられていないのだ。ただ自作自演説も憶測に過ぎない。いまやクレムリンへの攻撃は、反体制派も含めてどこの誰がやってもおかしくないのだ。どうもプーチン政権はクレムリン攻撃を大々的に報道する気はないらしく、しかし完全にシャットアウトするでもなく、すごく中途半端な状態のままだ。今回のパレード縮小からはロシアの苦しさが垣間見える結果となったがそれだけではない。民間軍事会社ワグネルとロシア軍部との対立は、明らかになりワグネル創始者プリゴジンが「ロシア軍が弾を送ってくれないから撤退する」と発言。結局撤退は取りやめたようだが、このゴタゴタぶりをおさめることができないほど、プーチンの権力は弱くなっている。侵攻当初、プーチンの権力がこれほど弱くなると誰が想像しただろうか。2024年3月、ロシアの大統領選が行われるが、プーチンの胸中はいかばかりか。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年04月06日 22時01分
「おぐらが斬る!」ロシア970万人が国外脱出 頭脳エリートも逃げ軍事面に影響深刻
ロシア事情に詳しい筑波大の中村逸郎教授によると、人口約1億4300万人のロシアから、970万人が国外に脱出しているという。もしこれが本当ならロシア人の15人に1人が海外に脱出してしまったことになる。人口流出で、特に深刻なのはIT技術者といった頭脳エリートが、ウクライナ侵攻がはじまってから、国外への流出が止まらないことだという。いまの時代、軍事において高度なIT技術はなくてはならないものだ。その技術者が激減しているらしい。もともとロシアはIT大国として世界のトップを目指してきた国だ。事実、ソ連時代から技術者育成に熱心で、2015年の「世界経済フォーラム」によると、技術系人材輩出者数はロシアが1位で約45万人。2位が米国で約24万人と、米国を圧倒するほど技術者を育ててきた。(ちなみに3位イラン、日本は4位である)「国際大学対抗プログラミングコンテスト」では2012~2021年までロシアの大学が優勝校となっている。それほど高度な技術者たちが、ロシア政府の発表によると去年12月の段階で、すでに約10万人が国外に流出。出国したIT技術者の8割はロシア企業でリモートワークを続けているが、もともとIT技術者はウクライナ侵攻前から、世界中で引く手あまたであり、待遇のいい諸外国の企業に転職する人も少なくない。これがウクライナ戦争にどのような影響を与えるかというと、ドローンや人工衛星を動かすにはソフトウェアが必要で、優秀なIT技術者が少なくなったことで、何らかの不具合が出たときの対応が難しくなってきていると言う。またロシアは、アノニマスなど世界からサイバー攻撃にさらされており、軍事のみならずロシアの治安や日常生活などにも影響が出てきそうだ。ロシアから脱出した後のIT技術者がどこに向かったのかを調査しているウィーン経済経営大学のヨハネス・バスク助教授によると、米国やドイツのような先進国はもちろん、旧ソ連圏や中東にも移住し、それぞれの国の企業に転職すれば、その国に技術革新をもたらすのではないかと言われている。ロシアから脱出した人数は970万人、これはロシアの労働人口の13%にもなるそうな。沈む船からネズミは逃げ出すというが、いまロシアという巨大な船は沈みつつあるのかもしれない。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年04月01日 10時01分
ロシアがウクライナに核攻撃ができないこれだけの理由
3月25日、ロシアとベラルーシは戦術核兵器を配備することを、プーチン大統領とルカシェンコ大統領の間で合意した。どうやら【ベラルーシ領にいるロシア軍に核が配備される】ということで、ベラルーシ軍に核兵器を譲り渡すということではないようだ。もしそんなことをすれば、これまでロシアにひざまずいてきたベラルーシが、その核を使ってロシアとの駆け引き材料にするかもしれない。そうならないように、核はロシア軍の管理下に置くということだろう。では本当にベラルーシ領内のロシア軍への核配備はあるのか? 個人的意見としては、可能性はゼロではないが、すでにロシアにはウクライナの国境近くにクルスク空軍基地があり、500㎞射程距離内に首都キーウがある。さらにロストフ空軍基地も加えると、いま戦闘をしているウクライナ東側はすべてカバーできているので、いまさら新たに配備する必要はない。仮にポーランドなど西側のNATO加盟国を核でにらみを利かすつもりなら、バルト海にあうロシアの飛び地「カリーニングラード」の方が有効だ。つまりベラルーシ領内に核配備というのは、一種の脅しでありパフォーマンスであると考えられる。また、実際にロシアがウクライナを核攻撃すると、それが小型であったとしても、核の灰が偏西風に乗ってロシア領内に降り注ぐ可能性がある。そうなるといま最前線で戦っている兵士たちを避難させないといけなくなる。つまりいままでの侵略で勝ち取った地域を放棄せざるを得なくなる。またロシア兵にしても、放射線で汚染された場所へ進軍しろと言われても、いままで以上に士気が下がるに違いない。これは人口密度が少ない地域や黒海に核を爆発させても同じだろう。次にもし核を使うと、NATO軍が直接介入してくるおそれがあるということだ。ロシア軍に比べて、最新の兵器と十分に訓練された兵士など、圧倒的な軍事力でロシアに勝ち目はない。ロシアに比較的友好的な中国やインドも、ロシアを見限ることになるだろう。インドも中国も核保有国だが、両国は国境問題を抱えている。2020年から、ヒマラヤ山脈のラダック地区で、両軍は軍事衝突を続けているが、この地域では銃など兵器を使わないという約束があるため、投石や殴り合いで戦争をしている。これは両国が核の使用を避けよう、衝突をエスカレートさせないようにしようという思いがあるためだ。それでも多くの死傷者が出ている。核を使わないために両国は、このような努力をしているときに、侵略国が核を使って勝利するというシナリオを許すわけにはいかないだろう。このようにプーチンが核を使用すれば自滅しかない。プーチンはこれまでずっと核使用を脅しの道具として使ってきた。これからもそうするしかないのだ。それでも核を使う可能性がないわけではない。人間はときに非合理なことを行う生き物だからだ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年03月07日 22時02分
北朝鮮飢餓深刻 その原因はアレ(ミサイル打ちあげすぎ!)
またしても北朝鮮が極度の食糧難になっているらしい。北朝鮮人民がもっとも飢えるのは、春の季節であるという。秋に蓄えた食料が春に尽きるからだ。 北朝鮮の食糧難は1990年代はじめから始まっており、94年~98年にかけては、30万人~300万人が餓死したという。元北朝鮮工作員安明進氏によると、このとき当時の最高責任者である金正日は「反乱が起きたら全部殺せ。餓死者は死なせておけばいい。私には2千百万全部の朝鮮人民が必要なのではなく、百万の党員がいればいい」と語ったという。 これが北朝鮮や中国、ロシアなど権威主義体制(権威、威光によって、真理であると断定する立場。権威に対して盲目的に服従する態度)の共通点だ。そしてこの3か国が日本の隣国であることを忘れてはならない。 98年のもっとも飢餓が激しかったとき、金日成は弾道ミサイル「テポドン」を発射しているが、テポドンの研究開発や発射の費用で、北朝鮮の全人民1年分のトウモロコシが買えたと言うが、これは現代も変わらない。 今盛んに発射しているミサイル代で、人民を飢えから救うことができるのだ。 また、北朝鮮の農業政策は「思い付き」としか思えないようなものばかりで、90年代の大飢饉のときは「農地が少ないなら山の木を切って農地にせよ」と、禿山にして洪水が頻発させたり、密植といって隙間なく作物を植え、大量の化学肥料を投入して土壌が消耗してしまったりと、不作の上にさらに不作になるような指導を行っていた。これらはいまでもあまり変わっていないようだ。 さらに北朝鮮の農業は、社会主義の集団農法をとっており、農民たちは自由に作物を植えたり売ったりできない。農民たちは創意工夫すらできないのだ。 90年代の大飢饉で、食料の配給制が破綻すると、北朝鮮人民は違法である闇市場をやるようになった。闇市場は資本主義経済である。闇市場は全国的に広がり2003年に合法化された。政府が抑えきれなくなったのだ。 だがそのおかげで配給がないのに人民はなんとか飢えから逃れることができた。それどころか2010年代くらいには庶民でも3食白米を食べることができるようになった。自由主義経済なら、カネも食糧も回るのだ。 ところがコロナ禍で、鎖国して食糧輸入を停止した。人々の移動も禁止した。海水や魚がコロナで汚染されているとでも思ったのか、金正恩は漁業まで禁止した。 さらに金正恩は市場を資本主義のものとして、統制を強めている。 西側諸国からの食糧支援は断っている。昨年になってようやく中国からの食糧輸入を再開したが、統制がきつく市場にまで出回らない。これでは人民が飢えるのは当たり前だろう。 北朝鮮の飢饉を起こしたのは、コロナ禍に対する政策の鎖国政策。人民が飢えていても無視してのミサイル開発。そして何より自由経済を否定した権威主義だろう。 無能な政治家が絶対的権力を振り回すことほど恐ろしいものはない。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年02月28日 23時00分
我々はウクライナ戦争で何を学ぶべきか?これからの世界はどうなる。
ロシアがウクライナに侵攻して1年。我々はこの戦争から何を学ぶべきなのだろうか? 多くの知識人は、この戦争がはじまるまで、心のどこかで国家間における大規模戦争はもう起こらず、せいぜい小さな紛争やテロとの戦い程度のものしか起こらないと思っていた。 実際、国家間の戦争は得をすることは少なく、損ばかりで頭のいい人はこんな【バカなこと】を誰がするかと考えていたのだ。 しかし・・・だ。ロシアがウクライナに侵攻し、中国が数年後に台湾に攻め込むかもしれないと、真剣に語られるようになったいま、人間は【バカなこと】を仕出かす動物であることを、思い知らされたはずだ。 本当なら2014年のロシアによるクリミア侵略・併合のときに、もっとしっかりとロシアに抗議し、ウクライナの主権を犯したことを怒るべきであった。しかし国際社会は、なあなあのままプーチンを許してしまった。 これがプーチンの成功体験になり、今回のウクライナ侵攻も同じように国際社会は対応するだろうと考えたはずだ。 では日本から見れば、今回のウクライナ侵攻はどうか? 誰もがやらないと思っていた【バカなことを】をプーチンがやった。では、習近平はどうか? 金正恩はどうか? 中国・ロシア・北朝鮮が同時に動き出したら日本はどうすればいいのかということを、これまで以上に真剣に考えなくてはならなくなった。 また他にも学ぶべき点は、国家元首や国民が本気になると、戦力が劣った相手でもそう簡単には勝てないということだ。 誰もがウクライナの抵抗は長くは続かないと思っていた。しかしゼレンスキーは亡命せずに抵抗する意思を見せ、それまで20%代だった支持率はいまや80%代にまで上がっている。 ウクライナ軍も民衆も徹底抗戦して見せた。巨大な敵に1~2か月自力で戦っているとNATO諸国から軍事物資が届くようになり、一時は侵略された地域も奪い返すまでになった。 国家元首と国民の徹底抗戦の意思、いざとなったら共に戦ってくれる仲間を普段から作っておく大切さを見せつけられた。 西側諸国は、ロシアに経済制裁を行ったがいまのところ大きな効果はない。ロシアは資源大国であり、食料も燃料も自国でかなりまかなえる。インドや中国のように経済制裁をしない大国もあり、そうそう音を上げることはないだろう。 そもそも経済制裁がそんなに効くのなら、北朝鮮はとっくに潰れているはずだ。 ウクライナも、西側諸国からの支援が続く限り戦い続けるだろう。と、いうことはこの戦争はすぐに終わることはない。 そして我々がもっとも学ぶべき点は、戦争のようなバカを仕出かす国が、実際にあるということと、そういった国に戦争をさせないためにはどうすればいいのかを考え、いざ戦争になったときのために備えておくことだ。 そしてもう一つ。自分から戦争を仕掛けるようなバカな国にならないよう学び続けることだろう。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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「おぐらが斬る!」徴兵逃れ、ワイロ、西側諸国の支援疲れ、戦争が続くのはゼレンスキーのわがままか
2023年08月19日 19時03分
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「おぐらが斬る!」ウクライナ戦争 ドローンが戦い方を変えた
2023年08月10日 19時35分
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「おぐらが斬る!」完全に打倒か、どこかで妥協か、戦争の終わらせ方
2023年07月03日 22時01分
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社会
「おぐらが斬る!」ワグネルのモスクワ進軍の理由と、世界に恥をさらしたプーチン
2023年06月26日 22時00分
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その他
「おぐらが斬る!」戦場での殺人は平気なのか いまも兵士は心を傷つけながら戦っている
2023年06月10日 22時01分
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社会
「おぐらが斬る!」ロシアパレード旧式戦車1両のみ 弱体化するプーチンの権力
2023年05月10日 22時05分
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社会
「おぐらが斬る!」ロシア970万人が国外脱出 頭脳エリートも逃げ軍事面に影響深刻
2023年04月06日 22時01分
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社会
ロシアがウクライナに核攻撃ができないこれだけの理由
2023年04月01日 10時01分
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社会
北朝鮮飢餓深刻 その原因はアレ(ミサイル打ちあげすぎ!)
2023年03月07日 22時02分
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社会
我々はウクライナ戦争で何を学ぶべきか?これからの世界はどうなる。
2023年02月28日 23時00分
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社会
ウクライナの一年、ロシアの戦争犯罪
2023年02月26日 23時00分
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ミステリー
AIは将来的に「核戦争並みの大災害」を引き起こす!?専門家が警告
2022年12月11日 23時00分
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社会
ひろゆき「戦争を起こす権限があるのは政治家」発言に賛否 「国民意思に背くことは出来ない」と指摘も
2022年06月17日 10時25分
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芸能ニュース
“75年前のSNS”に涙、平和を見直すいい機会に 原爆の日、「#ひろしまタイムライン」がトレンド入り
2020年08月06日 16時50分
特集
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少年隊・錦織、東山ジャニーズ新社長就任に意味深投稿? 植草とのYouTubeもストップ、現在の活動は
芸能ネタ
2023年09月18日 12時00分
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ジャニーズ最大のタブー? 嵐メンバー4人と“男女の仲”報道、セクシー女優の死【芸能界、別れた二人の真相】
芸能ネタ
2023年09月17日 12時00分
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Snow Man向井、ジャニー氏お小遣い秘話が拡散? グループ不仲説の真相は<実は不仲?【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月16日 12時00分
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一転しジャニーズ契約継続なし、モス広告Snow Manの顔を紙で隠した画像が拡散「イジメ」「涙出てきた」ファン怒り
芸能ニュース
2023年09月13日 18時00分
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株上げた井ノ原快彦、年下に嫌われていた? 森田剛から「嫌い」緊張関係続く<芸能界【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月10日 17時00分