ワールドビジネスサテライト
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社会 2025年12月03日 08時00分
マイナ保険証へ完全移行も登録率はまだ70.2% 政府は「医療DX」で新システム構築を目指す
12月1日で従来の健康保険証はすべて有効期限切れとなり、2日以降は新たに発行されなくなった。「マイナ保険証」を基本とする仕組みに移行した。マイナ保険証で政府が目指すものは何か。1日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」で解説した。マイナ保険証とは、健康保険証として利用登録されたマイナンバーカードのこと。10月末までにマイナ保険証に登録したのは全人口の70.2%で、利用率は37.1%程度に留まっている。マイナ保険証を持っていない人には「資格確認書」が交付されている。また、来年3月までは期限切れの保険証でも資格が確認できれば保険診療が受けられる。マイナ保険証のメリットはさまざまあるが、救急医療の現場ではとくに重宝されている。救急車で搬送される患者のマイナ保険証を救急隊員が端末で読み取れば、服用薬やかかりつけ医などを確認することができる。通常は患者本人や家族から聞き取り、手書きで記入するが、情報の正確さや確認に時間がかかるなどの懸念があった。薬の名前や細かな通院歴は患者本人でも把握していないことも多いが、マイナ保険証の情報があれば、救急隊員もすぐに救急処置の判断ができるというわけだ。マイナ保険証で政府が目指すのは医療のDX化だ。患者の診療情報を記録する電子カルテだと現場の作業時間は3分の2くらい短縮できるとされるが、政府は2030年までに電子カルテの情報を医療機関どうしで共有できる新しいシステムをつくる計画だ。各医療機関の電子カルテに記録された病名や検査結果などの情報をデータベースで管理し、これとマイナ保険証を連携させ、患者が同意した情報を他の医療機関でも共有できる仕組み。電子カルテの診療所での普及率は、2023年時点で55%となっており、2011年の2倍超となっている。政府は2030年までに100%の導入を目指している。あるメーカーでは導入をためらう高齢の医師のために手書きで書き込めるタブレットなども開発している。ただ、電子カルテ導入には課題もあり、現状では電子カルテの規格が統一されていない。政府はこれを統一していく作業を進めており、メーカーは対応に追われているという。また、医療機関のサーバーの安定性が重要で、過去には電子カルテを管理しているサーバーがダウンしたために、診療を一時的に止めざるを得ない病院もあったという。そのときは復旧までに2時間ほどかかったそうで、バックアップの問題もこれからだ。
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社会 2025年11月30日 08時00分
モバイルSuicaにコード決済機能が来年追加 PayPay一強の2次元コード市場の新勢力となるか
スマホなどで2次元コードを読み取って支払いを行う決済市場に新たな勢力が――。リードしてきたPayPayを追撃すべく、「モバイルSuica」を手がけるJR東日本は「モバイルPASMO」と連携して新たなコード決済システム「teppay(テッペイ)」を導入すると発表した。25日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が同社の狙いなど取材した。Suicaは2026年秋、PASMOは2027年春をめどに開始予定で、モバイルSuicaやモバイルPASMOを利用している人は、アプリをアップデートするだけで使えるようになる。アプリの利用者同士で残高の送金や受け取りも可能になる。teppayの利用額上限は30万円で、モバイルSuicaの2万円を大きく上回る。NEWoMan(ニュウマン)やLUMINE(ルミネ)などJR東日本系の商業施設で高額な買い物をしてもらうのが狙いだ。現在、コード決済市場には多くのプレーヤーが乱立する。通信系ではPayPayを筆頭に「Rpay」「d払い」「auPAY」、小売系では「ファミペイ」「メルペイ」「AEON Pay」などがある。PayPayの利用者は7100万人だが、JR東日本ではteppayの利用者も4000万人以上になると見込んでいる。初めて使うキャッシュレス手段がSuicaやPASMOだという人はかなり多く、JR東日本がその層をコード決済の方に誘導できれば、業界の勢力図が大きく変わる可能性がある。コード決済は年々利用する決済額が増えている。昨年は13.5兆円で、キャッシュレス決済のおよそ1割を占める。PayPayは、利用できる店舗を増やすなどしてteppayを迎え撃つ。PayPayの執行役員は「アプリの中で決済以外のサービスを広げていきたい」と機能の多様化に力を入れていることをアピールしている。例えば先月は「PayPayギフト」という機能が追加され、小売りチェーンや飲食店のデジタル商品券をユーザー同士で送ることができるようになった。駅前でJR利用者に聞くと「交通系は定期券と一つにできるので楽かも」(50代男性)、「クーポンやポイント還元などが鍵になってくる」(20代女性)という声が聞かれた。teppayの来年スタートにより、2次元コード決済市場のサービス合戦が熱くなりそうだ。
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社会 2025年11月17日 08時00分
東武宇都宮線で「顔パス」改札スタート 手ぶらで電車乗車も買い物もできる生体認証社会
東武鉄道は13日、宇都宮線の12駅で顔認証で改札を通過できるサービスを始めた。利用者はICカードや定期券を取り出す手間が省け、両手が塞がっていてもスムーズに改札を通過することができる。生体認証の1つである顔認証の利用拡大で生活はどう変わるのか。同日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が取材した。東武鉄道と日立製作所が共同で展開する生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」の機能がさらに拡充した。これまでの指静脈認証に、新たに顔認証が追加された形だ。財布もスマホも持たず、電車に乗ったり買い物したりする「手ぶら社会」の実現を目指す。オフィスの入退室もそうだが、生活のあらゆるシーンが「顔パス」でできるようになる。その目玉が、今回の顔認証に対応した電車の改札口だ。交通系ICカード「PASMO(パスモ)」定期券利用者が対象で、サクララのアプリで顔写真を登録して利用する。通過する際はカメラで顔を認識し、定期券の保持者かどうかを識別して扉が開閉する。サクララは昨年4月、指静脈認証を使った決済サービスからスタート。現在は東武ストアなど約30店で利用可能でき、今年11月までに約1万人以上の利用登録者がいる。今後は「指」と「顔」の二刀流で利用できる場所を拡大していく。顔認証は他の鉄道会社でも導入事例はあるが、専用改札を設置するケースが多い。東武鉄道は当面、改札手前に専用タブレットを配置し、来年春以降はカメラ内蔵型の改札機に順次切り替える。鉄道各社は改札の維持費用の負担低減を目指して、多様な運賃支払いシステムを試行している。今回のサービスのメリットについて東武鉄道の竜江義玄執行役員は「鉄道のみならず沿線の百貨店など、流通業を含めて展開が広がればさらに便利になる」と期待する。日立製作所の石田貴一事業部長は、指と顔の認証方式の使い分けについて、「指認証は厳格な認証ができるので、本人の意思をしっかり確認することもできる。顔は広く認識されているので、使うハードルが低い」と話す。顔認証の店舗決済は、国内シェア約50%を占める決済端末「JET-Sシリーズ」との連携で、店側が簡単に導入できるようになる見通しだという。サクララはスマホから簡単に登録でき、店側は現在クレジットカードの決済などに使用されている端末にアプリをダウンロードするだけなので、全国に広がるスピードは早いかもしれない。顔認証決済のサービスは来年春の開始予定だ。
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社会 2025年11月09日 08時00分
2026年百貨店の福袋は“見える”が主流 1億2000万円の純金サッカーボールも登場
正月の風物詩である福袋。近年は中身の見える限定商品が増えてきている。百貨店各社が来年販売の福袋を続々発表している。5日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が取材した。高島屋は1億2000万円の福袋を用意し、中身は重さ3キログラムの純金サッカーボール。「キャプテン翼」の純金フィギュアと原作者(高橋陽一氏)から似顔絵を描いてもらえる権利も付いている。サッカーのワールドカップが開催されることを反映したものだ。来年は午年ということで、干支にちなんで「“一口馬主気分”が味わえる」福袋(2万260円、限定5人)もある。デビュー前の育成馬の牧場見学や馬主席での観戦ができる。東武百貨店の干支にちなんだ福袋は「乗馬体験&記念撮影」(5000円、限定5組10人)だ。純金16グラムの馬の置物と小判とカレンダーの金製品3点セット「黄金開運干支福袋」(120万円)もある。さらに、馬にかけたダジャレで「“美味い”を味わえる福袋」は物価高を意識した食品の詰め合わせで、中でも9万円相当の「ウマい和牛三昧(約4.5kg)」は5万円で限定1点だ。体験型としては、「私もアイドル!私推し」福袋(1万7000円、限定3組)があり、昭和アイドル感を出した自分のポスターや缶バッジが作れる人気企画。来年は4回目で、前回は限定3組の募集に対して倍率100倍を超えたという。松屋銀座では、展示されていた福袋12種類のうち、中身の分からないものはたった1種類。袋に入らない体験を売りにしている。目玉の1つは、店舗のある銀座地区と浅草地区を満喫できる福袋(11万円)だ。ホテルでの特別メニューのランチや人力車での浅草観光、銀座店でのオーダースーツ仕立てなどがパッケージされている。お得さをアピールする商品も多く、松屋は玄米や肉ケーキなど、最高約3万円相当の食料品が当たる「食の福ガチャ」(8000円)を発売する。大丸松坂屋百貨店は大丸東京店で、和菓子作りや金継ぎなどメニューから選んで体験できる福袋(5000円)を発売する。近年人気なのは「体験型」だが、来年もその傾向は続くようだ。物価高騰の中でも、消費者は特別な体験や自分の好きな物への消費は惜しまない。各社ともお得さとぜいたく体験の両方を打ち出しながらハレの日需要を開拓する。主要各社の26年初売りは1月2日もしくは3日となっている。
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社会 2025年10月19日 09時00分
日本のアニメを低コストで世界に発信 AI吹き替えサービス活用で費用は声優の10分の1に
日本のアニメや動画は海外で非常に人気があり、高い需要を誇る。その市場規模は近年急速に拡大しているが、輸出するにあたり現地語への吹き替えが必要となり、その手間とコストが課題になっていた。吹き替えをAI(人工知能)で行うソフトを開発した企業について、14日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が取材した。日本語の動画を多言語に吹き替えるAIサービス「mimidub」を手掛けるのは、AIスタートアップの「タイタンインテリジェンス(Titan Intelligence)」(東京都渋谷区)だ。タイタン社は日本語の音声を話者の声質や感情を再現しながら自然な英語や中国語などに変換するAIを開発・提供している。同社の赤塚育海CEOは「言語の壁を取っ払ってボーダレスな世界を」と抱負を語る。動画を撮影し、ソフトに入れるとわずか数分でオリジナルの声の印象をそのままに、外国語に吹き替えられる。吹き替えに使用する音声は許諾の取れたものに限定。吹き替えにかかるコストは1分3000円ほどで、現地の声優に依頼する場合の10分の1だという。これにより、これまで海外展開を諦めていた中小規模のアニメ会社などにもビジネスの可能性が広がる。従来の吹き替えはコストが高いため、収益力のあるコンテンツ以外は、海外において無断翻訳や違法利用があると指摘されていた。今回のmimidubの展開により、国内のコンテンツ制作者がグローバル市場で評価され、経済的にも還元される仕組みが作りやすくなる。番組が取材した当日も、SNS向けにショートドラマを手掛ける企業の担当者が商談で訪問。担当者は「海外で当たらないとコンテンツ事業としては拡大しない」と強調する。「伊藤忠商事」は傘下の「伊藤忠テクノソリューションズ」と「タイタン社」で業務提携し、年内にもサービス提供を始める。伊藤忠はアニメなどIPコンテンツに関するビジネスを強化しており、この吹き替えサービスを通じて、コンテンツの海外展開を加速させる狙いだ。2029年までに日本発IPコンテンツを中心に、流通総額1500億円を目指している。「アニメ産業レポート2024」によると、2023年のアニメ市場は過去最高の3兆3465億円に達し、そのうち海外売り上げは1兆7222億円で、全体の約51.5%と過半数を占めている。アニメとAIの相乗効果により、世界規模の大きなビジネスに発展するのではないだろうか。
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社会 2025年09月21日 10時00分
人手不足に危機感……丸亀製麺の店長、年収2000万円も可能に 外食産業で好待遇の動き広がる
うどん店「丸亀製麺」を運営するトリドールHDは、店長の年収を最大で2000万円にする人事制度を導入すると発表した。17日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が同社の狙いと業界の動きについて解説した。現在、小売や外食などの店長の平均年収は約417万円。丸亀製麺は最大520万円だが、店長に代わる「ハピカンキャプテン」制度を新設し、年収を最大2000万円に引き上げる。等級は4段階あり、年収は500~2000万円となる。店長クラス約750人のうち、3年で約300人を対象に育成し、年収2000万円となる最上位グレードは10人を目指すという。粟田貴也社長は「人口減少に伴う働き手不足がより顕在化して危機感を感じている」とインタビューに答えた。また、店長への権限委譲で、その店独自のメニュー開発も可能になるという。同社では店長の年収アップ以外にも「家族食堂制度」も始めた。従業員の子ども(15歳以下)はいつでも無料で食べることができるというものだ。従業員の子育て支援の狙いがある。店長の年収アップ、外食産業ですでに動いているのが、すかいらーくHDだ。今春から店長が年収1000万円超を目指すことができる人事制度を始めた。また、店長の裁量が拡大し、店長の判断で引き上げることができる時給額が増えた。例えば、ある店舗ではパート・アルバイトの時給はこれまで年に10円程度しか上がらなかったが、店長の判断で、半年で50円アップすることになった。従業員のモチベーションがアップし、サービス向上につながっているという。1000万円店長の評価法として、すかいらーくHDの人事総務本部は「2店舗3店舗のマネジメント能力で高い収益を生み出すことを軸に認定」としている。番組のコメンテーター、元ソニーCEOの平井一夫氏は「いかに優れた人材を採用してキープするかが競争力につながるので、成果主義を導入するのは大切なこと」と外食産業の動きについて高く評価する。ソニーは早くから成果主義を導入していた企業だが、平井氏はこう振り返る。「システムは昔からあったが、厳格に運用されていなかった。ルールが明確じゃなかったり、不公平感が残ったりしていた。評価する上長をトレーニングして客観性を保つことに腐心した」長い間のデフレとコロナ禍で外食産業は低価格競争にさらされてきた。そのため、従業員は低賃金を強いられてきたわけだが、やっと賃金上昇の兆しが見えてきたということだ。
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社会 2025年09月08日 09時00分
ネトフリ共同CEO、WBC独占放映権獲得の狙いを明かす
Netflix(ネトフリ)がアメリカでサービスを開始したのは2007年で、現在は190超の国・地域で展開し、世界の有料会員数は3億世帯を超える。この成長を支えてきたのはオリジナルコンテンツだ。日本でサービスを開始したのは2015年で、「全裸監督」や「地面師たち」などが大ヒットした。ネトフリは8月、第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の全試合を日本で独占中継すると発表した。有料の動画配信なので、テレビ地上波での無料中継はなくなる見込みだ。テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が同社のグレッグ・ピーターズ共同CEOに独占インタビューした。日本法人設立に携わったピーターズCEOにとって、日本は特別な国だそうだ。夫人が日本人であり、日本語を2年間学んでいたこともあるという。CEOは、同社のアジア進出にあたり拠点を日本に構えたと振り返る。そして、「人々が親しみを込めて『ネトフリ』と呼んでくれることは、とても大きな意味がある」と話す。現在、日本では1000万超の世帯がユーザーとなっている。10周年を迎える今年、同社の次の挑戦は「ライブ配信」だ。本国アメリカに次いでライブ配信を多く行う国が日本。その新たな挑戦の幕開けとなるのが、来年3月に開催されるWBCというわけである。「“瞬間”を作り出す作業だ。同じものを見て会話する瞬間だ。非常に強力な取り組みだと確信している。日本でも同じ戦略を試せるイベントが何かないかと考えていたが、ちょうどWBCの放映権が話題になっていた。日本には熱心な野球ファンが多くいるので絶好の機会だ」アメリカではすでにスポーツのライブ配信に力を入れていて、マイク・タイソンの試合では6500万世帯が視聴した。ただ、日本の野球ファンが気にしているのは、試合を見られるのはネトフリの有料会員だけになってしまうのではないかということだが、この質問に対しピーターズCEOは「そうなる。それが複数の場所で追求してきたビジネスモデルだ」と答えた。有料会員だけが見るスポーツ中継は日本で広がるのかという質問に対しては、次のように答えた。「それはよくわからない。しかし高品質の体験を提供できるし、今の会員を満足させられる。有料の独占スポーツ配信は放送でもストリーミングサービスでも長年業界に存在した」次にCEOが語ったのは日本のコンテンツ力だ。「われわれの多くが日本の創造性や物語に対し非常に大きな敬意を抱いている。マンガ、アニメ、小説といった膨大な創造的な資源が思い浮かぶ。素晴らしい日本のクリエーターと協力し、その物語を世界に届けるチャンスがあると考えた」ネトフリで日本作品は世界で累計250億時間以上も視聴され、世界93カ国でトップ10にランクインされているという。CEOは「2029年末までに50以上の日本オリジナル作品をリリースする計画がある」と話す。日本のコンテンツに大きな期待を寄せているとした。現在、東京・渋谷では上陸10周年を記念して「Netflix 10周年アニバーサリーセレブレーション」が行われている(14日まで)。
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社会 2025年09月01日 09時00分
三菱商事、建設費高騰で洋上風力撤退 再エネ戦略の課題は
三菱商事が国内3カ所で計画していた洋上風力発電事業から撤退すると発表した。洋上風力は「再生可能エネルギー普及の切り札」とされていただけに、政府の再エネ戦略に影響を及ぼす可能性が高い。27日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」で撤退の背景について解説した。中西勝也社長が会見で撤退の理由として挙げたのは、建設費の高騰だった。「建設費用が2倍以上の水準に膨らんでいる。世界的インフレや風車メーカーなどの値上げで採算が取れる見込みがなくなった」と説明した。三菱商事を中心とする事業体は2021年、国が促進区域として公募した秋田県沖と千葉県沖の3つの海域で事業者に決定したが、決め手になったのは売電価格の安さだった。競合他社より2割以上安い価格で他社を圧倒した。2028年から2030年にかけて順次発電を始める計画だった。ただ、国際環境研究所の竹内純子理事は「落札当初から、この(売電)価格で本当にできるのかと関係者から疑問を持たれていた」と明かした。また、三菱商事は欧州での洋上風力事業の経験が強みだとアピールしていたが、「欧州と日本では、洋上風力ビジネスは似て非なるもの」(竹内氏)とのことだ。すなわち、日本の場合、風量は欧州の6割程度で、同じ価格で風車を建てたとしても発電量が半分になり、投資回収がむずかしいということだ。会見でも中西社長に対し、当時の事業見通しが甘かったのではとの指摘が相次いだ。現在、風力による発電は電源構成全体の中で1.1%程度だが、政府は2040年にはこれを4~8%まで引き上げる方針だ。ちなみに、現在9.8%の太陽光も23~29%へと引き上げる高い目標が掲げられている。番組コメンテーターで、国際社会経済研究所の藤沢久美理事長は三菱商事撤退による教訓として2つ挙げた。1つは、インフレと為替変動への対応、もう1つは、風車などの国内サプライチェーン構築だ。日本でも各地ですでに陸上の風力発電が行われているが、それら風車のほとんどは海外から輸入されたものだ。国内で製造されているのは中小型のものだけで、大型風車を製造する技術が現在の日本にはない。モノづくり大国を掲げる日本としては、かなり寂しい現実といえる。海に囲まれた日本にとって、洋上風力発電の可能性は無限大だ。太陽光発電は、太陽が沈んだ夜間は機能しないが、風は夜間でも吹いている。洋上風力は周囲に山や建物がないことから安定した風力が得られ、騒音などの問題も出にくいのがメリットだ。経済産業省と国土交通省は事業者が採算を取りやすいようルールを見直したうえで、地元の意向も踏まえて改めて公募する方針だ。
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社会 2025年08月26日 09時00分
プラモデルの企画開発体験ミュージアムが9月2日オープン、静岡がガンプラの聖地に
体験型プラモデルミュージアムが9月2日、静岡市にオープンする。正式名称は「バンダイホビーセンター・プラモデザイン・インダストリアル・インスティチュート・ミュージアム」。報道機関向けに内覧会が開催され、21日放送のテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」がレポートした。同ミュージアムは、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル“ガンプラ”を生産するバンダイスピリッツ(東京・港区)の新工場2階と3階部分に開設されるもので、工場は7月に稼働している。エントランスには実物大のガンダムのパーツをプラモデルの枠のように組み込んだモニュメントが設置され、来場者の気分を盛り上げる。50年以上に及ぶプラモデル製造で培ったノウハウやこだわり、製品クオリティを支える最新技術を展示し、子どもから大人まで楽しくものづくりを学ぶことができる。体験する「ラボラトリーエリア」では、画面上で自分だけのプラモデルの形や色を決定し、そのプラモデルの金型設計やパッケージデザインなどを体験。“プラモデザイナー”として自分の作り上げたプラモデル企画をもとにパッケージ箱を作り、持ち帰ることができる。ガンプラは世界的人気を誇りこれまでに8億個以上が販売されてきた。今年で45周年、今冬にはガンダム最新作映画の上映を控えており、新工場は世界中のガンプラファンに向けて増産体制を整えているところだ。新工場が本格稼働すると、プラモデル生産能力は2023年度比で約35%向上する見込み。日本玩具協会の藤井大祐さんは「ガンダムは玩具業界にとっても非常に大きな資産。エイジレスで国も越えて楽しまれている」と語る。バンダイナムコHDは北米や中国を重点地域として人気拡大を狙うが、気になるのはトランプ関税だ。同社は26年度3月期の営業利益への影響として、4~6月期は約10億円、上期で約30億円と試算している。バンダイスピリッツの榊原博社長は「菓子やカードゲームといったさまざまなカテゴリーで展開を始めている。ガンダムのIP(知的財産)全体で盛り上がっていくようなマーケティングを展開したい」と今後の方針を語った。番組のコメンテーターで日本工業大学大学院の田中道昭教授は「(ガンダム関連は)商品、サービス、体験にまで広がっており、今年の売上規模1600億円見込んでいるということで、もはや“経済圏”といえる規模」とコメントした。そのうえで「ガンダムというブランドは、日本発の世界に誇る文化ファンドになっている」とした。工場を国内に置くことがとても大きな意味を持つということである。
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社会 2025年08月21日 09時00分
画像診断のAI活用、医師をサポートし早期発見 開発ベンチャーは海外進出も
AI(人口知能)は今や日常生活のさまざまなシーンで活用されているが、医療機関の画像検診もAIで大きく進化している。エコー画像やレントゲン写真などのデータをAIに読み込ませることで医師の診断をサポートし、早期発見にもつながるという。19日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」がレポートした。乳がんは年間約10万人が罹患(りかん)する病気だが、日本乳がん学会が認定する乳腺専門医は全国で2000人しかいない。早期発見は医師や検査技師などの経験値に左右されてきた。慶應義塾大学とスタートアップのSmart Opinion(東京・港区)が共同開発したAI乳がん検診「Smaopi」は約90%の確率で病変を正しく診断できる。現在、検診の中心はマンモグラフィだが、マンモグラフィで見つけづらい乳がんにも強い乳房超音波検査だ。これがあれば全国どこでも高い精度で検診を受けられる。システム開発したSmart Opinionは海外販売を視野に入れ、アメリカで承認を得る準備をしている。山並憲司社長は「アジアには乳がん検診率が1桁しかない国もあり、AIでその国の人たちが健康になればいい」と話す。レントゲン検査にもAIは活用されている。例えば、気胸は肺に穴があいて空気が漏れる病気だが、番組が取材した横浜の病院のレントゲン写真では気胸を正確に診断していた。このAIシステム、国内では1000以上の医療機関が導入しており、業務の効率化や医師の負担軽減に役立っているという。このAIシステムを海外で展開するのは、東京大学発のAIスタートアップ、エルピクセル(東京・千代田区)だ。タイは結核の高蔓延国の1つで、2023年には約7万人が結核にかかっている。4月にバンコクで実証実験を開始し、結核の検査を行った。同社のAIシステムはタイの他に、ベトナム、フィリピン、インドネシアでも薬事承認を取得した。鎌田富久社長は「日本は世界でもっとも検診制度をやっている国で、日本の高品質な画像データや医師のノウハウを学習させているので、日本の医療の高度さが優位性になっている」と語る。日本のメーカーはもともと、CT、X線診断システム、超音波診断システムなどにおいて、世界市場で高いシェアを誇っている。AIを駆使してどう発展していくのか、今後も注目だ。
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