セ・リーグ
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スポーツ 2023年05月22日 11時05分
巨人・原監督、中田の早期復帰を画策? 松井のローテ抜擢も成功、上位浮上に自信か
育成出身投手の「初登板初勝利」は史上2人目、セ・リーグ初の快挙である。 巨人の育成ドラフト1位・松井颯がプロ初勝利をマークした(5月21日)。5回被安打2、失点ゼロ。直球のキレ、スライダー、チェンジアップの精度の高さはファーム戦で証明されていたが、良い意味で「新人らしさ」を持った投手だと思った。自軍の攻撃中にそう思ったのだが、「楽しそうな表情」でグラウンドを見ていた。 試合序盤は東京ドームの晴れ舞台に上り詰めた喜びもあったと思うが、後続ピッチャーにマウンドを譲った後も、楽しそうに試合を見守っていた。 >>巨人・中田、秋広に「あんま調子乗るな」 LINEでの軽口にチクリ? 劇勝収めた広島戦後の裏話明かす<< 「経歴も異色です。大学はスポーツ推薦でしたが、専攻は物理学。埼玉の強豪校・花咲徳栄高では控え投手でしたが、国立大学の受験も勧められたほどです」(チーム関係者) 「楽しそうな表情」について聞いてみると、「この世代はそういうところもあると思います」と言う。 「コロナ禍の影響で、活動が制限された世代です。松井も大学1、2年生の頃はランニングや筋トレばかりで、対外試合もほとんどできなかったそうです」(前出・同) そんな松井が次回登板でも結果を出せば、チームの状況も変わってくる。 「先発ローテーションは、戸郷、山崎、横川、グリフィン、赤星、松井。救援も中川、三上、新加入の鈴木康平が安定しており、打線も含め、ようやくメンバーを固定できるようになりました。巨人が浮上してきそう」(プロ野球解説者) 試合後の原辰徳監督のコメントが興味深かった。 同日の松井の先発登板は早くから決めていたようだが、 「全体的に二回りというプランニング。良いイメージの中で、また次(の登板)を迎えてもらい…」 と言う。慎重な起用だったわけだが、ウラを返せば、松井でコケたら、次にテストさせる先発候補がいない“弾切れ状態”でもあったのだろう。 また、同日の試合前練習に中田翔も参加していた。中田がフリー打撃を行っている際、ケージ後方に張り付いていたのが原監督。中田も「もう大丈夫!」と言わんばかりのフルスイングで、スタンド・インは5連発を含む10本だった。 「原監督が頼りにしているのは、中田」(ベテラン記者) 試合後、「我々の戦い方ができれば、勝率も上がっていくと思いますよ」と、ちょっと強気な発言もしていた。指揮官にそう言われたのは中田の早期復帰を確信したからだろう。 「原監督は四球を出すのが大嫌いなんです。松井に合格点を与えたのは『四球1』に抑えたからです」(前出・同) 5月7日の同カードで直江大輔が2者連続四球を出したシーンが思い出される。自らマウンドまで行き、直江の後頭部を“ナデナデ”していた。 原監督の言う「我々の戦い方」とは先発投手が好投し、打線爆発、救援投手も四球を出さないことか? それができる若い選手も多いのだが、上昇ムードを継続させるのは指揮官の仕事だ。23日から始まる2位・DeNA。首位・阪神との6連戦で、「我々の戦い方」がホンモノかどうかが問われる。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2023年04月20日 11時30分
巨人の最下位低迷、原監督の日替わり打線が原因? 今季初弾の吉川も固定起用には至らずか
7回の攻防で「巨人らしさ」が見られた。野球は集団競技だが、「個」が主張される場面もある。その「個人の能力」「個性」が多く見られるのも“巨人スタイル”ではないだろうか。 4月19日、佐賀県・さがみどりの森球場で行われたDeNA戦に勝利し、連敗を脱出した。まだシーズンは始まったばかりだが、セ・リーグで勝率5割を切るのは、5位・中日と最下位・巨人だけだ。 「この1勝で反撃態勢とまでは行きませんが、山崎伊織投手の好投は収穫です。戸郷翔征投手以外にも計算の立つ先発投手がようやく出てきました」(プロ野球解説者) >>巨人・原監督の代打策に「勝ちたくないのか」批判相次ぐ 好調選手より不振のベテランを優先、DeNA戦終盤の不可解起用が物議<< 2人の野手も強いインパクトを残した。 1点リードで迎えた7回表、DeNA・桑原将志選手の打球が三遊間を襲った。これをショートでスタメン出場していた中山礼都選手が逆シングルでキャッチ。深いところからファーストに送球。一塁塁審がアウトを告げる。中山はマウンドの山崎に“ドヤ顔”。強肩という“個性”にスタンドが沸いた。 「7回裏に出た吉川尚輝選手の2ランで勝敗が決まりました」(前出・同) その通りなのだが、そのホームランが飛び出す前、吉川は送りバントを失敗している。巨人ベンチが「犠打を決められそうにないなぁ~」と判断し、「だったら、しっかり振ってみろ」のサインに変更した結果がホームランになったのだ。 「今季の吉川は打撃不振でベンチスタートとなる日もありました」(スポーツ紙記者) 不振でも、失投は見逃さない吉川の“能力の高さ”である。 もっとも、ここ数日、吉川は試合前練習でかなりの量のバットスイングを重ねてきた。結果が出たことで、精神的にも救われたはず。打撃成績も上向いていくと思われるが、こんな指摘も聞かれた。 「しばらくの間、固定して使ってあげられたらいいんですが。この日は『二塁・吉川、遊撃・中山』の布陣でしたが、前日の同カードでは『二塁・中山、遊撃・門脇誠選手』。坂本勇人選手もいます。原辰徳監督の日替わり打線の采配ばかりがクローズアップされていますが、二遊間の守備が固定されないのはマイナス要素でしかありません」 前出のプロ野球解説者がそう言う。 “守備の日替わり”も、続きそうだ。坂本は前日に「通算2000試合出場」のメモリアルを迎えたが、9回に代打出場しただけ。チーム功労者の記録達成としては寂しい限りだが、坂本も試合前練習で相当量のバットを振っている一人だ。 「監督、コーチも『試合に出してやりたい』と親心で考えてしまいます。守備位置が固定されないマイナスも分かっていますが」 関係者がそんな内情も打ち明けてくれた。 中山、吉川、門脇、坂本。誰かがこの横一線の状況から抜け出した時、巨人の反撃攻勢も始まるのではないだろうか。 「巨人のチーム打率は2割3分1厘でリーグ3位ですが、ホームラン数はリーグトップ(15本)。吉川のホームランが出る前のバント失敗ですが、本当はノーアウトで出た走者を二塁に進めて、じっくり、堅実に追加点を狙う作戦でした」(前出・同) その是非はともかく、「個」が力を発揮すれば、勝てるチームでもあるのだ。「個」を一瞬ではなく、継続して発揮できる選手がいない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2023年03月14日 11時00分
DeNA、サイ・ヤング賞投手獲得も体型が心配? 不祥事によるブランクは深刻か
2020年サイ・ヤング賞投手、トレバー・バウアー(前ドジャース)が横浜DeNAベイスターズにやって来る。 日本の日付が3月14日に変わった頃だった。米国のメジャーリーグ関連の各サイトが「トップニュース」として更新したのが、バウアーのDeNA入りだった。 >>侍ジャパン・今永、WBC球の問題明かし驚きの声「大きさもバラバラなのか」 今後のキャリアにも関わる重要課題か<< 「バウアー側は今月末に来日できると伝えていました。21年7月以降、全く登板していないわけですが、自身は復帰可能となる23年シーズンに向けて調整してきたと話していました」(米国人ライター) MLBでのキャリアをスタートさせた12年以降、WHIP(1イニングあたり何人の走者を出したか)は常に1点台。20年オフ、ドジャースと「3年総額1億0200万ドル」(約110億円/当時)で契約した“スター投手”である。 DeNA側だが、昨季チーム最多タイの11勝を挙げた大貫晋一投手が右肩を痛め、「先発タイプを補強しようとしている」との情報は流れていた。MLBのトップクラスで補ったのも驚いたが、問題は約1年半のブランクがあること。DeNAは「慎重に調査した」と言うが、それは私生活のことだけなのかもしれない。 「サイ・ヤング賞を獲り、ドジャースに移籍した21年シーズン途中、暴力被害を受けたと言う女性が現れ、警察捜査にも発展したんです。複数の女性からも同様の相談もありました。その後、裁判で無実が証明され、告訴を取り下げてきた女性もいましたが、MLBコミッショナーとドジャースは許せなかったようですね」(前出・同) MLBは裁判結果に関係なく、DVや性的事件、幼児虐待の事件等について独自に制裁を下すことになっている。2シーズン分に匹敵する324試合の出場停止処分が194試合に軽減され、23年シーズン復帰も可能となった。しかし、ドジャースは今年1月に契約解除を発表。MLBでの移籍先も見つからず、今回のDeNA行きが決まった。 「契約解除が発表された時なんですが、ドジャースとバウアーの話の内容が異なります」(前出・同) ドジャース側は「引き留める声がチーム内から出なかった」とのニュアンス。それに対し、バウアーは「球団、チームメイトの支えに感謝している」と伝えていた。 MLBファンの間では“変人”としても周知されており、過去に何度かチームメイトとも衝突している。もっとも、卓越した投球理論の持ち主で、高校野球など日本の野球文化にも強い関心を持っているという。 「球速は最高で150キロ台半ば。カーブ、チェンジアップが得意とされていますが、スライダーの曲がり幅も大きいんです。奪三振率が高いのは、対戦打者のバットがボールに当たらないから」 MLB中継の解説も務めるプロ野球OBの感想だ。 米国の各サイトが掲載した最新ショットを見る限り、20年当時よりもふっくらしていたのも気になるが…。「23年復帰を前提に練習してきた」の言葉が本当なら、バウアーの投げる試合はワンマンショーになる。セ・リーグの優勝予想はやり直しだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2022年04月05日 11時05分
ヤクルト、阪神9連敗の裏で連覇に危険信号? 昨季日本一の立役者離脱が相次ぐワケは
セ・リーグで「ヤバイ」のは、矢野阪神だけではない。昨季覇者の東京ヤクルトスワローズにも“キケン信号”が点滅していた。 4月5日の中日戦、サイスニードが予告先発投手として発表された。順調に行けば、3月29日の巨人戦で先発した奥川恭伸が「中6日」で投げるところだった。 >>ヤクルト・丸山の事故に「ダブルベースを導入するべき」の声一塁手と激突し脳震とう発症、再検討の機運高まるか<< 「前回登板での降板は不可解でした。4回に同点ホームランを許したものの、投球内容そのものは悪くありませんでした」(スポーツ紙記者) 高津臣吾監督は奥川の早すぎる降板について、「代わる理由があった」(29日)と言うだけ。詳しい内容は語らなかったが、その後、球団が「上半身のコンディション不良」と発表している。 「今季の奥川の課題は、通常ローテーションである中6日の登板間隔をこなすことでした。オープン戦では安定したピッチングを見せ、首脳陣も期待していました」(プロ野球解説者) 期待ではなく、奥川は「連覇のキーマン」と言っていい。しかし、その初登板翌日の3月30日に一軍登録も抹消されてしまった。 「わざわざ二軍行きにさせたくらいですから、単なるコンディション不良ではないのかもしれません」(前出・スポーツ紙記者) 奥川は昨季、チームトップタイの9勝を挙げており、巨人戦では2戦2勝、クライマックスシリーズでも無四球の完封勝利を挙げていた。 今年も巨人との初戦も奥川で勝利し、弾みをつけたいと、高津監督も考えていたはずだ。 また、ここまでの勝敗表を見てみると、「奥川離脱」が悪い方で分岐点となっていた。阪神との開幕3連戦で3連勝。その後の5試合は1勝4敗、4連敗も喫しており、そのスタートとなったのが、奥川の“緊急降板”した試合でもあったのだ。 「正捕手の中村悠平が開幕直前で離脱してしまいました。チャンスをもらった2年目の内山壮真の評判が良いんです。低めのボールを捕る時のキャッチングが良い。地味なことだけど、投手をノセる大事な技術です」(プロ野球解説者) そんなプラス材料も聞かれたが、昨季後半のチーム全体で相手チームに畳みかけるような勢い、活気のようなものが見られない。 気になるのは、チームを離脱した選手の“症状”だ。奥川、中村ともにコンディション不良。奥川が上半身で、中村は下半身で箇所こそ異なるが、昨今、「コンディション不良」、「張り」などの言葉がよく使われるようになった。 コンディション不良ってナニ? ある球団関係者によると、「怪我をする一歩手前」とのことだが、重症ではないにしても、復帰の時期が予測できないので、首脳陣も頭を抱えているそうだ。 「疲れが溜まっているんですよ。無理させたら、それこそ…」(球団関係者) 昨年の日本シリーズが終了したのは、11月27日。シーズンオフが通常より1か月も短くなった。そのタイト・スケジュールも無関係ではないだろう。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年12月15日 17時30分
セ・リーグベストナイン、6度目選出のヤクルト山田哲人「来年もプロ野球界が盛り上がる熱い試合をたくさんしたい」
日本プロ野球機構(NPB)は14日、ベストナインを発表した。全国の新聞、通信、放送各社に所属し、プロ野球取材経験5年以上の記者投票により選出。セ・リーグの球団別では、前年最下位からリーグ優勝を果たしたヤクルトから最多の4人が選出された。今年は5人が初選出となった。セは有効投票総数306で、最多得票は鈴木誠也外野手(広島)が296票を獲得している。▼セ・リーグベストナイン選出選手投手柳裕也(中日)初捕手中村悠平(ヤクルト)6年ぶり2度目一塁手マルテ(阪神)初二塁手山田哲人(ヤクルト)2年ぶり6度目三塁手村上宗隆(ヤクルト)4年目で初(昨年は一塁手部門で選出)遊撃手坂本勇人(巨人)4年連続7度目外野手鈴木誠也(広島)6年連続6度目近本光司(阪神)初塩見泰隆(ヤクルト)初▼ヤクルト選出選手のコメント村上宗隆 「ベストナイン受賞ありがとうございます。素直に嬉しく思ってます。今シーズンはチームも日本一にもなることができ最高のシーズンになりました。本当にありがとうございました」塩見泰隆 「この度はベストナイン選んでいただきありがとうございます。この賞を受賞しまして、自分にとっては、少し出来過ぎかなと思っております。良い一年となりました。トータルで考えると個々の成績も含めて、うまくいかないことはたくさんあった中で、この賞を受賞でき嬉しいです。ありがとうございました」山田哲人 「この度はベストナインに選んでいただき光栄に思います。今年も1年間応援ありがとうございました。来年もプロ野球界が盛り上がる熱い試合をたくさんしたいと思います。引き続きご声援よろしくお願いいたします」中村悠平 「この度はベストナインに選出していただきありがとうございます。試合に出て、チームも優勝、そして日本一になることができた中での受賞なのでとても嬉しく思います。また、ベストナインを受賞できるようにこれからも頑張りたいと思います」 残るは15日に発表されるMVP、最優秀新人賞の選出選手に注目が集まる。(どら増田)
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スポーツ 2021年11月22日 11時20分
ヤクルト・高津監督がブルペンで投手を叱咤! 高橋の日シリ投球にも好影響? 春季キャンプで踏襲したノムさんの教えとは
「羨ましい」――。日本シリーズ第2戦、球場内でお会いしたプロ野球解説者がそう口にした。この日は東京ヤクルトの高橋奎二が完封勝利を収めた。 >>ヤクルト・村上、審判の三振判定に刃向かった?「こんなにゴネるなんて」打席内の態度に驚きの声、スランプの影響指摘も<< 敗れたオリックスも、先発・宮城大弥が8回途中まで投げ、失点1。両左腕投手が見応えのある投手戦を演じていた。「羨ましい」と言っていたプロ野球解説者は、投手コーチの経験もある。完投能力も高い左の先発投手がいれば、ローテーションの編成、リリーフ投手のやり繰りに悩まされることもない。プロ野球解説者はそのことを羨んでいたのかなと思ったら、少し違った。 「いやね、高橋はキャッチャーの構えたところにしっかりと投げ込んでいます。キャッチャーも、ラクだろうね。コントロールミスがないから、自身の出したサイン通りの配球ができています」 9回を投げ切って、高橋の出した四球は僅か2個。これだけ、コントロールが良ければ、守っている野手も守りやすいだろう。野手のエラーは集中力が途切れる時に生じるものであり、その原因はつまるところ、投手の制球難だ。ストライクを要求して「ボールカウント」になれば、その分、守っている時間も長くなり、余計なことまで考え出してしまうからだ。 そう言えば、今年の日本シリーズは野村克也氏の「ID野球」が取り上げられる機会も多い。高津臣吾監督がその教え子だからだが、このテンポの良い投手戦も「ID野球」が影響しているのかもしれない。 対戦チームのクセ、バッテリーの配球をデータ化し、それを実戦に活かす。そんな野球だった。しかし、ID野球とは、“ドロ臭い一面”も秘めている。 「野村氏は、ブルペン投球でも単に投げた球数を積み上げていく練習を嫌いました」(当時を知る関係者) 野村氏は投手陣全員の前で、ブルペン捕手を叱り飛ばしたこともあった。ボールを淡々と捕るのではなく、なぜ、このコースにしっかり投げ込んで来いと構えないのか、と。 「投手を直接叱るのではなく、彼らの前でブルペン捕手を叱り飛ばしたことで、練習にも緊張感が生まれました。投手たちはお世話になっているブルペン捕手に申し訳ないと思い、内角球なら、内角をしっかり狙って1球ずつ大切に投げるようになりました」(前出・同) それに“酷似”した場面を、ヤクルトキャンプで見せられた。ブルペン捕手が外角低めに構え、10球連続でそこへ投げ込む練習もされていた。6、7割が構えたところに行っても、高津監督、伊藤智仁、石井弘寿両投手コーチは許さなかった。また、コントロールを意識しすぎて、球速を落とそうとすると、叱っていた。 練習でできないことが、試合でできるはずがない。こういうドロ臭い一面が、ID野球や高津イズムの裏側にあったのだ。 高津監督は「第2戦を取れば、安心して帰れる」と試合前に語っていた。第3戦の舞台は東京ドームだ(セ・リーグ主催)。敗れて移動するよりも精神的にラクになるという意味だが、その裏には「中身の濃い練習をしてきた」の自負も含まれているのだろう。 第2戦の試合時間は2時間56分、今季のペナントレースの1試合平均の「試合時間」が3時間11分(9回試合のみ)だから、15分も短かったことになる。テンポの良い試合は観戦も飽きさせない。久々にセ・リーグチームが日本一に? そんな期待も抱かせてくれた。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年08月19日 11時20分
セ・リーグのV最有力は3位ヤクルト? 2位巨人の“誤算”も追い風か、5月以降から快進撃続くワケ
「負けても、ブキミさ」を対戦チームに残した。ペナントレース後半戦が始まり、高津ヤクルトを警戒する声が強くなっている。 これは松山遠征の初戦を快勝した直後に囁かれていたものだが、首位阪神を追撃する一番手が「巨人からヤクルトに入れ替わるのではないか?」なる予想が多く聞かれた。 その時点で、首位阪神と2位巨人のゲーム差は「2」。巨人と3位ヤクルトのゲーム差は僅か「0・5」、8月18日の直接対決で順位が入れ替わるところまで迫っていた。 >>ヤクルトベンチに「馬鹿にしてるのか」ファン激怒 原監督への失礼ヤジに批判、「正直言われても仕方ない」巨人ファンからはため息も<< 「ヤクルトを警戒する声が強くなったのは、巨人とのゲーム差が縮まったからではありません。オリピックブレイクの間、各チームは前半戦のデータを整理しました。『5月以降のチーム成績』という見方をすると、セ・リーグの順位は、1位ヤクルト、2位巨人、3位阪神となります」(在京球団スタッフ) 改めて調べてみたが、その通りだった。 ヤクルトは28勝22敗5分、巨人は27勝22敗6分。阪神はヤクルト同じ28勝を挙げているが、24敗(3分)を喫しており、「勝率」に直すと2位巨人よりも下となる(前半戦終了時点)。ペナントレースが始まる前、ヤクルトを上位に予想する声はほとんどなかったはずだ。 「元々、打線の良いチームでした。村上宗隆がいて、オスナ、サンタナの両外国人選手も好調です。山田哲人が安定した成績を残しており、青木宣親も健在です」(前出・同) 「投手陣が整えば…」というのが、低く評価されていた理由だろう。 また、「5月以降」なるデータが重要視される理由を、前出の在京球団スタッフがこう説明する。 「新型コロナウイルスですよ。外国人選手の来日が大幅に遅れたチームも多く、ヤクルトもその影響で開幕序盤は苦しんでいました。ベストメンバーが組めるようになったのは、5月以降だからです」 2位浮上をかけて臨んだ8月19日の巨人戦、敗れはしたものの、ヤクルトの強さを再認識させられた。 9回裏最後の攻撃だった。1点ビハインド、巨人・原辰徳監督は守護神・ビエイラをマウンドに送った。先頭の中村悠平が粘って四球を選ぶと、ヤクルトベンチが活気づき、次打者はしっかりと送りバントを決めた。「あと1本」が出なかったが、中村の代走・渡邉大樹はリードを大きく取り、偽装スタートを切るなどし、巨人バッテリーにプレッシャーを与え続けていた。高津臣吾監督の執念、勝利への執着心が感じられた。 弱点だった投手陣について、こんな指摘も聞かれた。 「2年目の奥川恭伸の台頭、トレードで途中加入した田口麗斗によって、先発投手陣の人材難が埋まりました。田口のトレード加入が、やはり大きかった」(プロ野球解説者) 巨人が連覇に失敗するようなことになったら、田口放出も敗因として挙げられそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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