『通天閣観光』の関係者が言う。
「確かにハルカス開業で、こっちにも人が流れましたけど、正直言って今のところ期待したほどではありません。一割前後のアップなら普段とあまり変わらない。まぁそれならそれで、今まで通りコテコテの大阪のイメージを追求していくことになるでしょう」
地元では、ハルカス開業の話題性を地域活性化の絶好の機会と捉え、積極的に盛り上げていた。だが、予想に反して“ハルカス一人勝ち”が明らかになるにつれ、トーンは下がり気味。そのため新世界では「ハルカスとのタイアップより、去年の『新世界100年』のムードを延長する方に方向転換した方がいいのでは」(関係者)との声も出始めているという。
「ターミナルビルという性格上、現時点ではハルカスだけが目的の客が多いようです。ただし、この一人勝ち状態も安泰とは言い切れない。ハルカスを運営する近鉄サイドは、4月1日から展望エリアが予約制ではなく通常営業に入り落ち着けば、周辺に足を伸ばす客も増えるはずだと、相乗効果を期待しているんです」(タウン誌記者)
ハルカス側の不安材料は何なのか。
「来場者の多くは、下層階の近鉄本店の買い物客。3月末まではリニューアルオープンと消費増税への駆け込みでにぎわっていましたが、これが連休までもつかどうか。ハルカスフィーバーの割に、阿倍野・天王寺駅の乗降客に変化が見られないのも気になるところです」(経済記者)
ハルカス効果の評価が出るのは、もう少し先のようだ。