「日本はWHO(世界保健機関)から医療施設や教育施設、職場、飲食店、交通機関など8項目で全面禁煙が行われておらず、高所得国のカテゴリーでは最低評価とまでこき下ろされています。東京五輪を控えている日本にとって由々しき問題で、この際、WHOの勧告を錦の御旗にして喫煙者を絶滅させることで、国民医療費の削減の一助にしようというのが真の狙いです」(厚労省担当記者)
近隣の大国のように「そんなお達しは紙切れ」と突っ張れないところがつらい。
「特に受動喫煙については、日本の認識が甘いと医療関係者から指摘されています。喫茶店は“茶店”になり、居酒屋でも当然たばこ禁止。肩身の狭さにいっそ無人島にでも行きたい気分ですよ」(喫煙している医師)
医療費削減に血道を上げる政府の“おせっかい”は年々ウザさが強まっている。メタボ拒絶や禁煙主義も、元をたどれば全部『健康増進法』に行き着く。
「『健康増進に努めるのは国民の責務である』というファシズムのような法律に違和感を持つ識者は多いですよ。禁煙運動を初めて行ったのはナチス・ドイツで、『肺がんの原因はたばこだ』として健康至上主義に走ったのです。それが精神病患者の断種、さらには安楽死、そしてその先がユダヤ人撲滅で、禁煙が“優生学”つまりは優秀な者にのみに存在価値を認めるという思想につながってしまったわけです」(同)
この意見に真っ向から反対するのは、喫禁外来に勤務する別の医師だ。
「屋内の全面禁煙に関する法律を施行した国では、喫煙関連疾患による入院リスクが大幅に低くなることが証明されているのですよ。つまり、公共の場での喫煙を禁止することで、国民の健康レベルが上がり、国民医療費を引き下げることが可能となるわけです」
医師の間では、「肺がんの原因がたばこであると医学的に完全に証明できたらノーベル賞」とまで言われている。禁煙主義は広がるばかり。