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仕組まれた株高・円安“燻る火種” GW明け安倍・黒田バブル崩壊の恐怖(1)

 「アベノミクスは5月にも失速し、早々に馬脚を現すのではないか」
 株高・円安の宴に冷や水を浴びせる、こんな不吉な観測が囁かれている。
 市場関係者は「荒唐無稽と一蹴できないところが不気味」と打ち明ける。実際、時事通信社が4月に行った世論調査によると、景気回復を「実感する」と答えたのは23.7%にとどまり、「実感しない」とした68.6%を大きく下回った。確かに、国民の大多数は至って冷ややかだ。

 一方、内閣府がまとめた3月の景気ウオッチャー(街角景気)調査によると、景況感を示す現状判断指数は前月比4.1ポイント上昇の57.3となり、2006年3月につけた過去最高水準に並んだ。しかも日銀が発表した4月の地域経済報告(さくらリポート)は、全国9地域全てで今年1月の前回報告から景気判断を上方修正し、北海道を除く8地域で「個人消費は底堅い」と指摘。その理由として「円安株高に伴う企業マインドの好転で、個人消費や住宅投資が堅調なことを反映した」等と説明する。
 しかし、前述した時事通信の世論調査とのギャップはあまりに大きい。内閣府の街角調査また然りだ。これは何を意味するのか。
 「アベノミクスを積極的に推進したい政府の調査と、仕組まれた官製バブルに全く利害関係がない国民の意識の違いがハッキリ表れたまでのこと。安倍政権は来年4月に予定する消費税率8%への引き上げのために手段を問わなくなっているのです」(金融情報筋)

 むろん内閣府や日銀がお手盛りを施したとは言わないが、あらゆる統計に作為的なものが紛れ込みやすいのは、洋の東西を問わず昔から“常識”なのだ。情報筋が続ける。
 「順風満帆のスタートを切ったかに見える安倍晋三首相と日銀の黒田東彦総裁コンビにとって、最初のハードルは『5月危機』をどう乗り切るか。ここで立ち往生すれば、アベノミクスはあっけなく崩壊する。その懸念がくすぶっているからこそ『景気は気から』のデンで何とか正面突破を図る作戦なのです」

 5月危機とは、昔から株式市場でまことしやかに語られる“格言”のことだ。
 4月末から5月にかけては企業決算の発表がピークを迎える。3月期の業績はもちろん、今期の業績見通しが悪ければ投資家の失望売りを呼ぶ。当然、市場に与えるインパクトは大きいが、これに輪をかける動きがある。
 欧米のヘッジファンドは大半が11月決算である。従って5月は中間決算期に当たるため、配当金を捻出する必要があり利益確定売りを急ぐ。兆単位の資金を運用するヘッジファンドが集中的に売り抜ければ株価は急落し、これが同業他社に波及すれば、たちまち負の連鎖が拡大する。リーマン・ショックなどの例外はあるにせよ、1年を通じて市場が最もパニックに陥りかねないのが5月なのだ。
 これは世界的傾向とされ、ニューヨークのウォール街では「5月に売り逃げろ」の格言が今なお語り継がれている。

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